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2010/06/11

森林経営計画の目的

今朝の林業関係のニュースとしては、農林水産省の「森林林業再生プラン推進本部」が発表した、中間報告の中で「森林経営計画」(仮称)が話題となっている。

これは、木材自給率を10年間で50%に引き上げる政府目標を達成するための方策とされている。

この新制度は、「森林の所有者や森林組合が、隣接する森林を数百ヘクタール規模ごとにまとめて間伐計画や林道の整備計画を策定した場合に助成対象とし、コスト削減によって国産材の競争力を高めることを目指す。所有者らに直接助成する仕組みとすることで、放置され荒れていた森林の整備を進める狙いもある」という。

わかりにくいが、これまでの「森林施業計画」は、手を上げた所有者に助成するため、広範囲に散在する民有林も補助などの対象となるが、それは効率が悪いとされていた。
そこで、隣接する森林をまとめ上げたところを助成対象とすることのようである。また所有者への直接助成もある。

一見悪くない発想だが、この計画の根幹は、集約化を進めることにあるらしい。しかし、よくよく考えると、隣接した林地を数百ヘクタール規模に、誰がまとめ上げるの?

森林組合なら順当だが、それは現在と何も変わらない。なかなかまとめ上げるのに苦労している(いや、まとめ上げる努力をしていない、か?)

では、組合に頼らない自伐林家とか、組合がやる気のない地域の所有者はどうする? 自分で隣接所有者を口説くのか。組合さえも嫌がる手間隙を個人に求めることになる。とても、すんなりいかないだろう。

実は、再生プランのもっとも難しそうなところが、この集約化だと思う。そこの解決策が見えない。機械化(と、そのための作業道整備)は、まだなんとかなる。

ところで林業再生とは、簡単にいって、林業を産業として成り立たせるということだ。言い換えると、現在は採算があっていないものを合うようにする。

そのためには利益を出るようにすることが肝心だ。今は、木材を利用することが赤字を生む構造になっている。

そしてビジネスとして利益が出るようにするためには、二つのベクトルがある。

一つはコストダウン

もう一つは値上げ

森林経営計画、および森林林業再生プランは、コストダウンしか語っていない

商品の価値を上げて、価格を高くする施策が見られない。

なぜなら木材価格は、国際的な取引で決まってくるからだ。値上げすると売れなくなる、と思い込んでいる。もしかして、建築業界の反発が怖いのだろうか。

商品価格が安いまま留まるという前提だから、コスト削減ばかりが課題となる

そして利益が薄いから量で稼ごうとする。だが、量を出すということは、今以上に伐採を進めて禿山を増やすことにつながる。生長量以下しか伐っていないというが、再造林と育林をちゃんとできるようにしない以上、絶対に資源は枯渇するのだ。

もう一つのベクトルの施策も、早く出してほしい。さもないと、木材産業と建築業界だけを儲けさせ、山に利益は還元されず、禿山を増やすだけになりかかねない。

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コメント

おじゃまします。いつもありがとうございます。
ほんとに集約化は難しいです。
そこを政治によってはっきりと今の世代が
動きやすい方法を考えて欲しいモノです。
ガラガラぽん的に時効取得期間の短縮なんか希望です。

また、値上げに一票です。
値上げできる良い材と捨て値で出すなり
取りに来れば安いなど明確化してみると
人の流れが生まれないかと思ったりします。
もう旧態依然とした組織の旧態依然の中抜きをなくせば償却の終わった機材を使って若者は山で生きれるのですが。

「時効取得期間の短縮」
なるほど。こういう視点もいいですね。それで焦って、集約化に協力してくれる人も増えるかもしれない。
集約化の人的コストも加えたら、全然コストダウンにならないかもしれない…。

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