日本のチップ材が中国で内装材に
河北新報の記事で、青森県森林組合連合会が県産材を中国に本格輸出する記事が載っていた。http://www.kahoku.co.jp/news/2010/06/20100605t22011.htm
宮崎県が取り組んだ国産材の中国輸出。この事業に取り組んだ相互造林は、その後倒産し、残念なことになったが、私は必ず木材輸出は伸びるはず、と思っていた。
事実、その後も全国各地で輸出が試みられてきたが、そのほとんどはコンテナ輸出で、いわば試験出荷のレベルだった。そのうち国内で需要が高まったので、輸出努力も弱まったかに見えたのだが……。
今回は、大手商社が中国・上海向けの輸出を同連合会に打診したことで取り組んだそうだが、スギとアカマツの丸太計約3万2000本(約3000立方メートル)だという。量的にも、立派な中国輸出だ。
ちょっと驚いたのは、この木材はみんなチップ材だと書かれていることだ。そして、その木材が中国では住宅の内装材として用いられるのだ。
チップ材を内装材に? いくら中国だって(笑)、そんなことあるのだろうか。とくにスギのチップ材というのは、どれほどの曲がり材なんだ。それとも細い間伐材か。
もし、それが本当なら、内装材になるほどの品質だということになる。それが日本国内で売れないというのは解せない。それとも中国人の感覚では、日本人がダメと思う代物でも内装になるというの。
もしかして、青森県では、最初から「この木材が内装材なんかになるはずがない」という思い込んでいただけでは……という気がする。連合会のコメントとして、「内需拡大の見通しが現時点で立たない以上、輸出が選択肢となる」とあるが、本当に内需拡大ができないのか、それとも売り込み努力が足りないだけではないか。
それとも、記事自体が間違っている?
国産材の中国輸出は、私は大いに推進すべし、と思っているが、このニュースにはちょっと引っかかる。
はたして中国へ売る価格は、チップ価格? それとも用材価格?
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