無料ブログはココログ

本の紹介

« 土倉庄三郎の命日 | トップページ | 日経新聞に割り箸記事 »

2010/07/20

集成材の時代

今や建築の世界は、集成材の時代だ。

なんたって集成材は、乾燥しているし、狂いはないし、強度も増しているし、節なども外しているし、文句ないじゃないか。もっとも、集成材の多くはまだ外材製だから、集成材需要が増えれば増えるほど、国産材の出番はない。

だから、国産材でも、集成材生産を急がなくてはならない。最近になってようやく少しは増えてきたかな……と思っているんだが。

なんでこんなことを書くかとはいうと、どうやら集成材の時代が到来していることに気づいていない人がいまだ少なくないことに気づいたからである。誰が気づいていないかって? それが、その……建築関係者が。製材関係者が。そして住宅を建てようとしている人が。

そうした人の会話を盗み聞きすると、集成材は強いのか? とか、ホワイトウッドは木じゃないとか。家はやっぱり無垢の木が一番なんだそうだ。もちろん国産材がよい。

そりゃ、素人が自分の家を建てる場合の希望を言っているのならわかる。しかし、ここで口にしているのは業界人なのだ。

で、この画像を見てもらおう。

2_2

これは、先に紹介した「不況の合間に光が見えた!」(遠藤日雄著)にあった構造材の使用樹種の推移である。

私も、知っているつもりでも、ここまではっきりと示されると驚いたものである。

なんたって1995年には土台も梁も100%生木だった。柱だって70%生木である。たかだか15年前の話だ。

それが2007年には、土台で約半分、梁が83%、柱に至っては94%が集成材なのだ。柱で生木は1%まで減少した。

この現象は、阪神大震災で、生木の構造材の弱さが示され、どんどん乾燥材、集成材に入れ代わったからかもしれない。それ自体はいいことだ。震災の功の部分かもしれない。

いずれにしても、集成材がここまで伸びている(というより、大半が集成材になった)のに、そのことを知らない業界関係者が少なくないことに驚いた。

製材業者は、製材が売れない売れない、文句を言いつつ、こうした需要傾向をまったく把握していないなんて、おかしくないか。はっきり言って、どんなビジネスやっているのか?

ともあれ、集成材は増えているのではなく、すでに構造材全体に行き渡ったのである。今後の勝負は、外材の集成材を国産材の集成材に換えることだろう。それを無視して、無垢の柱や梁作って、売れないと嘆いているようじゃ、勝負にならない。

« 土倉庄三郎の命日 | トップページ | 日経新聞に割り箸記事 »

木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

集成材のラミナ、挽けば売れるの知ってますよ、製材業者なら誰でも。

ただし、
杉で25000円
桧で40000円
ですが。

これで採算のとれる原木単価は、林業者はお望みでしょうか?

知っている方ならいいのです。
私が耳にしたのは、集成材が売れていることを知らない業界関係者でした。それに驚いたのです。

おそらく役物ばかりを扱ってきたか、小径木加工ばかりやってきた人ではないかと思います。

そんな方がいらっしゃりましたか。

集成材の歩留まりでは、主製品にするのは大いに問題があると思いますが、いかがでしょうか?

京都で(北山杉は知っているけど)北山林業を知らないと言われた時は驚いた(x_x)。

そう、歩留りの点からは、集成材は問題があります。端材はせいぜいチップか燃料ですから(でも、最初から端材をチップにするだけの製材も増えていますが)。

また集成材製造は大規模化していますから、資本がないと参入できないでしょう。それでもアイデア商品を作る小規模製材所もありますし、構造材をやめて加工板に転換するところも出てきていますね。

テレビ朝日の『大改造!! 劇的ビフォーアフター』はよく見るんですが、新しく補強材を入れる時は、ほとんど集成材ですよね。ちょっと疑問に思っていたのですけど、集成材以外では現場のニーズに応えられないということなのでしょうか。

最近は見ていないのですが、以前見た感触で言えば、あそこに登場する「匠」さんとやらは、デザイン系の設計士が多くて、木材に強固な思い入れがないように感じました。
あくまでマテリアルとしての木材ですから、集成材や合板でいいのでしょうね。

それでいいのだと思います。木質素材で素敵な家づくりができることを伝えれば、自然と木材消費が伸びる。「木材を使うべき」という思い入れは長い目で見て危険でしょう。

 木材業者・施工業者共に、自分のやり方、取扱商品が一番的な考えの人が多いです。

 
 無垢の木に、薬効があるかのアピールも良いですが、建築資材として製品の精度や性能、入手のしやすさを第一に考えて欲しいです。

製材業者の中にも、林業についてほとんど知らない人や、さらに木材の需要動向にさえ無関心な方がいるので、ちょっと焦るのでした。

木の魅力を語る前に、基本的性能が必要基準を満たしていることが大前提でしょう。

ある講演会で,「施主さんに集成材を木材として認めてもらう場合,どういう説明をすればいいですか?」と聞かれたことがあります。

また,集成材は木材じゃないと,真顔でくってかかってこられたいいお年の業者さんに会ったことがあります。私にいわれても・・と。

法隆寺とか東大寺とか持ち出さなくてもいいでしょうけど,昔の合わせ柱なんて,原型みたいなものだと思うんですけどね。そういうと,「あれは無垢です」って力強く反論されてしまいます・・・。

集成材もそうですけど,乾燥とか,間伐材とか,意図的かそうでないかわかりませんけど,都合良く言葉を使う人が多すぎて,閉口することが多いですね。

すでに私なんか,もうそういう話題は避けるようにしていますよ。かみ合わないですしね。もちろん真面目に聞かれればお話ししますけど。

東大寺大仏殿や数あるお城も、みんな集成材使ってますね。接着させるのがニカワならいい、というのでしょうか。ニカワの方が、剥がれる可能性あると思いますが。

集成材は木材じゃないと言われる業者さんは、信念としてはいいけど、ビジネスとしては生き残れないんじゃないかなあ。

森林や林業、そして木材には、こうした客観的事実を越えた人の思いが加わっているから、改革が進みにくいんでしょうね。

毎日ブログ拝見させていただいています。

確かに集成材の時代でしょう。
製材所としては全然利幅のない集成材は売りたくないのです。
技術的には誰でも作れる集成材です。ただ規模が大規模な会社や3セクでないと集成材は作れません。
狂いに関してはまだ集成材の方が優位だと思います、が無垢も日々進歩しています。
強度については今の建築基準法では無垢で十分だと思います。(樹種による)
接着剤も信頼に値するかわかりません。
火災には無垢の方が絶対に強いです。

私の理想は集成材に劣らない無垢材を作ることです、小さな規模では可能です。
そういった製材所が多ければ集成材には駆逐されないと思いますが、業界は昔ながらの人が多いことも事実です。
それにしても時代の変遷が急すぎます。
今は集成材がいいとされていますが、5年後にはどうなっているのかすら業界にいてもわかりません。
その中で信念を貫いている方は素晴しいと思います。

これからも楽しく読ませていただきます。

消費者じゃなく、大手住宅メーカー等が求める材料が集成材。クレームを減らすために使っているだけのこと。家を建てクロスで隠せば何を使っているかわからないので関係ないですよね。
九州には大型のラミナ用製材工場が出来ています。時代の波に乗れない小規模製材所は潰れています。確かに昔の感覚が残っているのでしょう。潰れて当たり前なのかも・・・
ただ大型工場のように製材コスト5000円以下には出来ないのも事実。ラミナ製材はコスト的に無理です。
解っていてもどうにも出来ない製材所が多いのです。そんなビジネス産業なのです
最近の国産材市況は、こうしたラミナ製材工場や針葉樹合板工場の買い付けで持ち直しているようですが、50年前の木材価格です

もう一点、「生木の構造材の弱さが示され」と書いてありますが、確かに生木より乾燥材のほうが強度が出ます
とは言っても、生木で立てた家の材料が乾燥すれば乾燥材となり強度も出るはずです。
阪神大震災で生木の状態の家が倒壊したデータなどあるのですか?
見てみたいものです


【生木の構造材の弱さ】

 生木使用により、腐朽菌発生・シロアリ発生のリスク、生木使用による金物の緩み、生木使用による仕口の緩み。

 私はこう解釈しました。

 建築現場の現実を考えますと、「生木で立てた家の材料が乾燥すれば乾燥材となり強度も出るはずです。」はなかなか受け入れられないと思います。部材ではなく構造体として強度が出るならば、裏付けとなるデータを見てみたいです。

久しぶりのコメントです。
ボルネオにいくのですね。
私の大学(田中さんと一緒ですよ)にもボルネオの留学生がいましたね。

ところで集成材ですが、私もずっと集成材の時代と思っていました。でも最近にわかに無垢材の巻き返し・威力を感じています。

我が家も125年の無垢の家ですが、構造はガッチリしています。ただし柱は150以上です。集成材には接着剤がつき物です。それよりも自然の無垢材や土壁が私は好きです。

私は、無垢でも集成材でも、どちらもいい面悪い面があり、使い方次第と思っています。耐火性や強度に関しても、意見はいろいろあります。ただ、そうした現実を受け入れずに、集成材なんて木じゃないとか、言われると困ってしまうわけで。

そして中小規模の製材所に集成材を要求するのはおかしいので、無垢材で勝負してほしい。ただし、勝負の土俵を間違えると討ち死にしますから、ぜひ価格も含めて自らの土俵づくりをしないといけませんね。

集成材に対する理解は進んできたと思っていたのですが、ここのコメントを読んで、まだまだなんだなあと思いました。
この本を読むと、木材や木質材料に対して、我々が信じていたことにウソが多いことがわかります。
http://www.n-mokuzai.com/kinohanashi.htm

【生材とは】

杉などの立木を伐採した時点で品種にもよりますが、含水率は50~100%ほどあります。
昔のように山などで時間をかけて乾燥させることも無くなり、今では翌日に製材することもあります。こうした材はグリーン材と呼ばれ流通しており、天然乾燥(AD)人工乾燥(KD)と区別され販売されています
グリーン材は未乾燥のため、含水率20%以下まで乾燥させると5%ほど収縮します
120角の芯持ち柱を乾燥材にするには130~135mm角に製材しプレーナー加工し製品となるわけです
家を建てるときは時間をかけ天然乾燥し、少しでも狂いの無いように工務店なども努力し
全てが生材ということは無かったと思います
最近は乾燥材も増えてきていますが、「安ければいい」そんな工務店が多いのが実情で、製材所はその要望に応じて製材しているのが実情で、まだまだグリーン材も流通しています
「割れる」「縮む」など、木の特性を知っていれば、こうした材を使うこともないわけで、生材だから強度が無いというより、こうした材を平気で使う工務店が問題でしょう
「集成材が無垢材より強度がある」とは思いませんが、集成材でも無垢材でも施主が納得すればいいと思います
最近は結露によるカビ、腐れも問題になっています。ホワイトウッドは腐れやすく、乾燥材だから安全ということは無く、シロアリやカンザイシロアリなどの被害も発生してます
材料を使う人の問題でしょう!

無垢材が、集成材に対抗するには、構造屋さんとコラボしなければなりません。

私の場合は、集成材はいやだが、強度のある国産材が欲しいところには集束材で対応しています。

構造計算でも成り立ちますし、破壊試験もしました。

中々普及はしないと思いますが、接着剤は使わないし、大工さんでも作れる安くで作れる集束材をもっと知ってほしいですね。

無垢材でも当然。KD材ですよ。

皆さん、私が留守の間も書き込んでいただきありがとうございます。
「集束材」も登場しましたね。でも、集成材はイヤで集束材はいい……というのは、なんなんだろう……。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36391/48928791

この記事へのトラックバック一覧です: 集成材の時代:

« 土倉庄三郎の命日 | トップページ | 日経新聞に割り箸記事 »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

森と林業と田舎