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2010/07/16

大雨と禿山

このところの大雨で、大きな被害が出たようだ。

私は、その最中に大雨警報の出ている南紀に出かけていたのだが、晴れていた。見事な晴れ男o(^o^)o!ぶりだったのだが、帰ってニュースを見ていると愕然とする。

今のところは、水没した市街地や、土砂崩れを起こして埋もれたり削られた山麓部の映像ばかりが流れているが、奥山の被害も今後出てくるだろう。

これを取り上げて、異常気象ではないか、とする声も出ているが、はたしてそうか。雨量はともかく、山崩れや洪水は、かつて日本では頻発していた。実際、明治の頃は、毎年洪水や山崩れによってすさまじい数の犠牲者が出ていたのだ。
なぜなら、明治時代の日本の山は、禿山だらけだったからである。

思えば、日本の近代林学、そして林業緑化は、明治になって災害が相次いだことで始まったとされる。西洋の理論や技術を取り入れ、せっせと造林をした。そして、ようやく全山を緑に覆うことに成功したはずなのに、またもや伐採が激しくなっている。

なんたって、九州・東北には100ヘクタール、いや400ヘクタールもの伐採跡地が広がっているのだから。

伐採数年間は、まだ以前の樹木の根系が残っているから目立って被害は出ないかもしれない。しかし林冠がなくなったことで、直接雨粒が地表を削るだろうから、けっして土壌流出が起きないわけではなかろう。

しかも、伐採跡地で再造林しているところは少ない。しても、形だけだと、すぐに獣に食われてしまったりして、次世代が育たない可能性が高い。

おそらく、近く巨大災害が起きるのではないか。ただし、奥山ゆえに人の目に止まりにくいかもしれないが……。それでも、土砂が谷を埋め、川を下れば問題になる。その時、禿山を作ったのは林業だ、とバッシングが始まる可能性は少なくないと思う。

巨大伐採地が、この雨でどうなっているのか、調査すべきではないだろうか。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

田中様

ご著書を拝読するとともに、ブログも見させていただいています。はげ山から森林回復・森林蓄積の増加という流れと現在の森林荒廃進行という国民意識のずれ、政府提唱の林業再生プランと環境保全両立の今後の動向といったさまざまな課題があり、田中さんのご指摘の通りかと思います。関連して、下記のシンポジウムではこのあたりをまとめて話したいと思っております。この場を借りて広報させて頂きたく存じます。

水文・水資源学会 市民との交流シンポジウム
「水の循環と人間のかかわり~地球温暖化時代を生き抜くための知恵~」

【日時】 2010年9月11日(土) 10:00 ~ 17:00

【会場】法政大学 市ヶ谷キャンパス 外濠校舎 さったホール

【参加費】無 料

【参加申し込み】
参加者氏名、ご所属(またはご住所)、連絡先(e-mailかFAX等)を下記のFAXま
たはe-mailでお知らせ下さい。
FAX:03-3368-2822  E-mail:jshw-sympo@bunken.co.jp
※会場での当日申込みも受付ける予定です(事前の申込み者数の状況によります)。

【問い合せ先】※申込みアドレスと異なりますのでご注意下さい。
水文・水資源学会事務局
電話:03-5389-6208  E-mail:jshw-post@bunken.co.jp

【プログラム】
 第一部 水はどのように地球上をめぐっているのか
  1)地球の気候における水循環の役割 (名古屋大学教授 安成哲三)
  2)水循環における森林など生態系の役割 (京都大学教授 谷誠)
  3)流域水循環における地下水の役割 (筑波大学シニアアドバイザー 田中正)
 第二部 人間は水とどのように付き合ってきたのか
  4)利根川流域の治水 ~現状と課題~ (東京大学名誉教授 虫明功臣)
  5)農業における水利用の歴史 (筑波大学教授 佐藤政良)
  6)都市と水資源 ~東京を例に~ (芝浦工業大学教授 守田優)
 第三部 パネルディスカッション
  ファシリテーター:青山佳世(アナウンサー),砂田憲吾(山梨大学教授、水文・
                             水資源学会長)

水文関係の学会のシンポジウムなら、私が聞きに行きたいくらいです(笑)。

人工林も、その伐採も、きめ細やかな施業を行えば、決して治山に悪い影響はないものと信じていますが、それを科学的に証明していただければ有り難いですね。
もっとも、肝心の「きめ細やかな施業」が行われているのかが心配なのですが。

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