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2010/07/13

里山こそ林業適地

我が家の裏山である生駒山に分け入ると、案外人工林が多いことに気づく。
それも、なかなか立派な木々が、文字通り林立している。

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写真は、生駒山中だ。植林は戦後だろうが、今では胸高直径は30㎝近くなっているものもあり、そこそこ育っている。社有林(製紙会社が多い)だが、地元の所有者もいるようだ。

また、我が家の家の前の道が、かつて木材搬出路であったことも地元の古い人に聞いた。戦後は、生駒山で林業を行っていたのだ。

里山というと、その定義はやっかいで、雑木林と同義として扱う人もいるが、広義に人里に近い山間地と考えると、そこには人工林も含まれる。そして、戦後の拡大造林では、そうした里山で多くの樹種転換を行われた。

実際、考えてみると里山こそ、潜在的には林業の適地なのではないか、と思われる。

だって、人里に近いでしょ(^o^)。しかも、比較的地形が穏やか。作業は楽だ。また林道かどうかはともかく、道はよく入っている。育林するにしても、収穫にしても、奥山より有利なのだ。

ここで、里山を林業地として見直してみたらどうだろうか。

今や農地としての里山は廃れてきた。農業離れで人手不足だからだ。農業の面から見ると、里山は傾斜があり適地ではない。
だが林業からすると、その程度の傾斜は鼻唄まじりだろう。しかも林業は農業よりずっと粗放。土日農業どころか、年に一度も手入れをすれば、篤林家扱いを受ける。棚田など農地を放棄するくらいなら、里山で林業を行えないだろうか。

もちろん、あまりに小規模で分散的だから、集約化も無理だ。また周囲に住宅地が迫っていたら、搬出が極めて難しい。ニュータウンの中を木材積んだトラックが走らせるのは、合意撮るのも一苦労するかもしれない。
実は生駒山が典型で、もはや林道を入れる余裕はない。いくら木が育っても、ヘリでもなければ搬出しようがない有り様だ。

しかし、ここで大規模林業を行う必要はない。小規模な、ゲリラ的な林業でもよい。大きな林業機械を使わず、古来の林業技術を利用すれば、匠の技の伝承の場にもする。町に近いことで、世間に広く林業を目にさせる展示場にもできるだろう。

たとえば一カ所10アールを伐る程度なら、森林を若返らせることにもなる。その代わり伐り出した丸太は、しっかり商品化して高付加価値を付ける。

日曜日毎に、2、3本ずつ伐り出して、軽トラで運び出し、それを小さな製材所で自由自在な加工をして、フリーマーケットで売る(~_~;)、なんて林業はできないか。

あるいは、機動的な少数精鋭の里山林業隊を結成して、各地を渡り歩きながら伐出する。ストックヤードを設けられれば、ある程度蓄積してから出荷できる。

ちり紙交換のようにトラックで「家庭に眠っているご不要の林地はございませんか。高く立木を買い取らせていただきます~」と住宅地を練り歩き、注文を取ることもありえるだろう……。

なんて、里山林業を夢想してみた。どうかなあ~。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

おひさしぶりの書き込みです。

さすがですね。ちょっと頭のもやもやがすっきりとしました。

里山林業なら,都市部の人の日常にも加えやすいし,参加形態もいろいろ考えやすい。里山の維持よりも里山林業の方がずっと粗放。行き帰りに4時間,作業4時間のボランティア林業だと敷居が高すぎますものね。

林業ガールも参加しやすいし,それほど重装備でなくてもよさそうなのでファッションのひろがり,工夫もできそうですね。通常よりも人の目につきやすそうですし。

森の文化,森の価値を日本人の日常にとけ込ませるのは,実は木材以上に大変だと最近思います。そのために何が必要だろうと考えていますが,里山林業にはかなり大きな魅力を感じます。田中さんがいわれるような夢想などではなく,そこになにか大きなヒントがありそうな気がします。


フリーマーケットに売る際はWoodlikeが担当します(笑)。


ありがとうございました。

お久しぶりです。


昔娘が生まれると庭に桐の木を植えてお嫁に行くときにタンス作ったとか言う話を聞いたことがありますが、里山林業ていうか庭先林業?林業の人と家具やさんのコラボでどうでしょう?素人考えなのでもうそんなことしてそうですが。(^^;

里山林業を、環境教育や木育と結びつけるのもアリですね。

林業側からすると、人件費削減になると同時に、林業を世に問う宣伝活動になる。林業女子の出番もありそうだ(^o^)。
参加者は、単純にボランティアで作業させるのではなく、自分たちが伐った木をお金に換える技を考えさせる。これは社会経済教育にもなります。

自分たちが汗水垂らして伐出した木も、売れなければゴミだよ、と教われば必死になって商品づくりをするのではないでしょうか。

みゅーさん、里山林業を超えて庭先林業もいいですね(^o^)。
我が家でも、庭でクヌギを育てて、5年後に伐採してシイタケのホダ木にしました。

桐も、あらかじめ家具屋と契約して、小学校入学に合わせて机と椅子をつくると決めて植林するといい。箪笥もいいけど、結婚しなかったら持て余す(⌒ー⌒)。

こっそり庭にモミを植えて、
子供に遺言しておこうかなあ。

でも、長生きしたら大変なことに・・・。

田中さん、こんにちわ
里山というよりも奥山の例ですが、こんなテーマで調査したこともあるんですよー ↓
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/mori/mori-105.html

まあ、話はそんなに単純ではないですが、昔の人は山の斜面の耕作地を手放すときにちゃんと植林したようです(近年の耕作放棄地は荒れ地化)

クヌギでしいたけ、いいですねー


桐の木の成長速度てどのくらいなんでしょう?小学校入学では机は無理なんでは?

>熊さん
初めまして。もみの木は何にお使いになるのでしょうか?クリスマスツリー?


本題から外れてすいません。

熊(♀)さん、長生きしてくださいよ。遺言には、「モミの木の下に埋めてくれ」と書けば……。樹木葬林業(^o^)。

桐の成長は早いけど、6年では無理か。じゃあ、ケナフで(^^;)\(-_-メ;)。

トリさん、こんにちは。

国もこんな研究やってるんですねえ。棚田に植林ですか。ここの研究データは植えるのには使えますね。次は棚田のスギ林伐採搬出方法の研究やってください。
もっと積極的に林業ビジネス行為につなげてほしいです。

山村に行くと、よく農地に林立しているスギを見かけます。でも、これは林業じゃないなあ。

里山林業、適地があればやってみたいけど、うちは奥山地帯だから無理そうです。

みゅーさん、熊(♀)さんのモミの木は卒塔婆とか棺桶用なのでは?

とりさんの文章も見ました。棚田への植林は我が家の周囲にたくさんありますが、隣の田畑や家の日照を考えないと迷惑になる場合もあるようです。70年代半ばに植えて、5年前に伐採した棚田跡地がありますが、そこは伐採後は放置されていて二次林が成育中です。。。

 当町には、杉林の中に茶樹がちらほらするところがあります。
 最初は、小動物などが茶の実(種)を運んだのだろうと思っていましたが、御大の方に話を聞くとその昔は茶園だったなんて話を聞きます。

 そこでは、湯を沸かして、茶葉をヤカンに直接入れて煮出して、休憩のときに茶を飲んだそうです。川根らしい話ですね。
 奈良や京都にもそのような場所があるのではないでしょうか?

自分の棺桶と卒塔婆用の木を育てておく・・・嫁入り箪笥があるなら、ありかと思い。
でも、よく考えたら、いつ伐っておけばいいんだろう・・・。

全く同感です。
奥山林業は、集約化して大規模に施業しなければ、経済的に成立しません。
里山林業ならば、ゲリラ的な施業でも工夫次第で成立する可能性があると思います。
かなり本気で、考えたいと思います。

 主要道路に近いところは、逆に施業しにくい部分はありますが、標準伐期あたりで、伐りごろ、売りごろの林分を伐採、再造林していくことは必要だと思いますし、そうしていくべきだろうと思います。ただし、河川、渓畔付近の造作はちょっとだけ工夫して、複数の樹種が繁茂するようにするとか。保全地帯のような部分を作るとか。
 私も、何人かの方にそのようなお話をしています。これもゲリラの一種でしょうか。

九州では、焼き畑すると自然と茶の木が生えてくると聞きます。茶は、わりと埋土種子が長く残るのかもしれませんね。
また武蔵野の雑木林も、以前は茅場だったそうです。天然林から雑木林になったのではなく、一度裸地になっているんですね。

意外と、農地が山野にもどったり、また農地に開墾されたりという歴史は頻繁だったのかもしれません。


里山林業の施業システム、本当に研究する価値あるかも。

「撤退の農村計画」でも耕作放棄地をどうするかが重要な課題となっています。その選択肢のひとつとして、里山林業はとてもよいアイデアだと思います!研究会では、焼き畑で勝負する…という話も出ています。

以前に『森内作業車』の件でお電話したものです。電話対応をいただきましてありがとうございました。(作業車はゲットしました。)

皮むき間伐した材で作る『ドーム(ハウス)』関係(普及、販売)に携わっています。

皮むき間伐は女性でも子供でも取り掛かれますので里山での間伐作業に適していると思います。
皮むき間伐材は軽くなっているので軽トラックでの運搬も可能です。・・・直径5メートル分ドームの材料(1.5メートル/1本、計65本)を『新宿から蓼科』まで、軽トラックで運搬しました。

『ドーム作製(組み上げ)のワークショップ』を六月に二回開催し、この週末にまた蓼科で開催します。
間伐材使用のドームに、田中さんの方でご興味があるようでしたら詳細をお知らせしますが、、、、。

皆様、おはようございます。

田中さんや先生方のお話にまたしても食い付きました(笑)。

多くの人々(専門家や市民を問わず)は「武蔵野の原風景」を何故か雑木林(更には鎮守の社にまで!)に求める傾向があります。
(本日の話題であるさいたま市の「環境教育基本方針」にも明記されていますが…。)

それは多分に国木田独歩の「武蔵野」を誤読、もしくは作為的に解釈している事も要因の一つかもしれません。
(そもそも、現代での表現「武蔵野=雑木林」が表面的かつ根拠があやふやな点も指摘すべきですが…。)

彼が感嘆した「武蔵野の林」が一人歩きを始め、いつの頃から「武蔵野=雑木林」と表現されるようになったのか。
じっくり読み込んだならば、渋谷や小金井の村々が織り成す田畑や林野(←特にこの「野=野畑」が重要です!)の景観を絶賛していると気が付くはずなのに…。
(「武蔵野の林」は江戸時代の行政上では「林畑」とされ、屋敷地や下々畑並みの「年貢」が課せられる立派な畑です(笑)。)

ちなみに、四谷林業地の一部(江戸期初頭の新田村落)はかつて「御札(幕府御用之茅の立札の意味)茅場千町野」又は「牟礼野」と呼ばれた採草地でした。
まさしく本来の意味での「武蔵野の原風景」ですね(笑)。

追記:

昨日、田中さんが

「杉並区にもう一度杉並木を、というプロジェクト立ち上げて、東京の地価でも採算合う林業に挑戦する人、いないかなあ。」

と仰っていましたが、いわゆる「市街地山林」の問題を土地制度や税制度から抜本的に改革すれば可能性があるのでは?

江戸時代の謎(笑)の施業方法を取り入れて、「これが四谷林業なんだ!」と付加価値を付けて売り出すのもどうでしょうか?
そのような活動が巡り巡って「まち」と「むら」の林業を連携させ、新たな需要を生むきっかけになれば良いのですが…。

今回の参院選マニフェストで民主・自民・公明・共産・社民などが都市農業について「市街地農地」の改革を含めた政策を打ち出していましたが、「都市林業」の政策は見当たりませんね。

ベンツ仙人さんへ。

巻き枯らしの木から収穫して、ドームを建てたのですか。興味ありますね。ドームに、というより巻き枯らしした木から、どんな木材が取れたのか、また収穫(伐採・搬出)方法や運搬方法などが。

新井さんへ。

武蔵野の過去や、四谷林業は、里山林業のモデルになりそうですね。

そして、東京の(高い地価の)市街地から収穫した木でも、採算が合うモデルを見せたら、一般林業地にも刺激を与えられるのではないでしょうか。
税制改革まで待っていられないから、細い丸太がいかに高級商品に化けるか、というテーマでどうでしょう? 杉並区の人、誰か挑戦しませんか。

林さんへ。

私、焼き畑好きなんです(^o^)。焼き畑やりたいなあ。里山で焼き畑も魅力的。そして、焼いた農地に野菜などの種子だけでなく木の苗も植えて、野菜収穫後は林業に移行させる。

日本の林業は、ほとんどが焼き畑から出発しています。最初の野菜収穫が下刈りに当たり、林業としてもコスト削減になる。

焼き畑、いいですね!「現代型焼き畑」ができるといいな…と思っています。さいわいにも研究会のメンバーに焼き畑の専門家がいるので、おいおいなんかと…と考えています!

 昨日中学生への講義をしました。
 その中の質問で山火事跡地の管理についての質問が出ました。
 その回答において、焼畑の話もしました(あまり知識がないので、こんな農業もあるのだよ、という程度)。
 中学生の何人かは、焼畑農業を知っていたようでした。いまどきの中学生の知識は広いと感じました。私は45歳。中学生の頃は焼畑なんて知らなかったように記憶していますから。実際に、わが町にも焼畑農業はあったようですが。

日本は、焼き畑先進国です。高度な技術が残されている。ほんの数十年前まで、山村ならどこでも焼き畑やっていたし、今もわずかながら残っている。

当時の林業は、せいぜい20年で収穫しました。小丸太生産ですね。四谷林業もその一つかな。だから木材も焼き畑の生産物なんですよ。

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