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森と林業の本

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2010/08/21

切り株更新、見つけ!

053

まずは写真から。

何か、わかるだろうか。

どうやらマツの切り株のようだ。

古いから、もう朽ちており、その切り株の上にヒノキなどの種子が落ちたのか芽生えが伸びている。そう、切り株更新である。

土壌ではなく、切り株や倒木の上に新しい世代の木々が育つ現象は、原生林などでみかけることがある。(切り株と言っても、人間が伐ったものだけでなく、自然現象で折れるなどしたものも含む。)

朽ちた木は、下手な土壌より栄養も含み、コケが繁って水分もたっぷり。種子が芽吹くには好条件なのである。

が、問題は、この写真の現場はどこか。

生駒山の側であり、決して原生林ではない。そんなもの、ない。

実は、ゴルフ場なのである。

今日はゴルフ場を訪ねる、お仕事があった。

と言っても、当然ながらゴルフをするわけではなく(できないし)、ゴルフ場には自然がいっぱい、ということを説明するような写真を撮ること。カメラマンも来ている。

ラフの多様な雑草、グリーンを舞う赤とんぼ。場内の池にいるハクチョウやカモ、サギ。それにアメンボなどの虫、メダカ?などの魚などは見つかるが、イマイチ面白いものはない。

「何か、珍しい草花とか、見つけませんか」

カメラマンは気軽にいう。そんな簡単に見つかったら、珍しくないって。

だいたい8月は草木もあまり花を咲かせないし、ブッシュの中に入り込んで調査しているわけでもなし。

「珍しい草花見つけたら、ゴルフ場が保護区に指定されますよ」

「文化庁が出てきたら、どうします?」

支配人は、プレーできなくなる心配をする。

そこで、コースから少し外れたところで見つけたのが、これなのである。

カメラマンや支配人は、これがどのように面白いのかピンと来ないようだったが、とにかくゴルフ場でも原生林と同じ営みが行われていることが説明できてよかった。もちろん、文化庁が乗り出して保護区に指定される心配もない。

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コメント

そうですか、ゴルフ場ですか。私が関わった現場にも、時々ありましたよ。その後の生長過程を観察してみたいですね。
因みに、桧が多かったですね。杉は記憶に無いです。桧は実生しやすいのでしょうか?

私もヒノキをよく見かけますね。種子が飛散しやすいのでしょうか?
マツの切り株に育つヒノキの苗というのもオツなもんです(笑)。こうした現象をちゃんと紹介できる広報があればいいんですけどね。

切り株更新ですか。
松の更新は難しいのでしょうね。
ゴルフ場の支配人で自然に関心がある人が増えてくれると嬉しいのですが。
ところで今、環境省がパブコメを募集しています。
ゴルフ場農薬の水質汚濁防止にかかる指針の改定です。
農薬が変更されるのは時代の流れで当然といえますが、いつまでこうやって殊更ゴルフ場だけを悪者扱いするのだろう、という思いが募ります。
環境行政も根こそぎ更新できませんかね~。

マツの幼樹も、結構生えていましたよ。ある程度は育つんじゃないかな。その後は、マツクイムシの心配があるけど。

今更「ゴルフ場の農薬汚染」ですか。もう1万カ所を越す調査で解答が出たはずなのに。
実は、今日(いや、昨日)も某所でゴルフ場による生物多様性確保について話してきたのだけど、これからはゴルフ場を生態系保護の拠点にする構想が進んでいるのですよ。

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