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2010/08/01

もしボルネオで『もしドラ』を読んだら

さっそくボルネオ話を書きたいと思ったが……今日は日曜日で、しかも暑い(~_~;)。

まず、ボルネオで訪れたのは、サバ州のコタキナバルだが、そこからすぐにサラワク州のムルに飛んだ。そこは、かなりの内陸部で、ジャングルに囲まれた土地だが、同時に世界遺産の観光地としても知られている。その自然は改めて紹介したいが、とにかく観光地なのだから、リゾートになっている。

ロイヤル・ムル・リゾート。ちょっとボルネオに興味のある人なら、知っているだろう。なんたって、ジャングルの中のリゾートホテルなのである。

私は、ここにオープン前(仮オープン時)に訪問したことがあるのだが、それから十数年ぶりである。当時より規模も施設も拡張していた。

で、プールがあった。

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リゾートとなると、そこでやるべきは「プールサイドで寝そべって本を読む」ことである。これをしないとリゾートにならない、と私は思い込んでいる。

そこで、さっそく実行した。ジャングル歩きを終えた後、さっそうとプールに飛び込み、その濡れた身体をプールサイドに伸ばして本を読むのだ。




そこで読んだのが、話題の「もしドラ」こともし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら(岩崎夏海・著 ダイヤモンド社)である。

すでに100万部を越えたベストセラーを今更ながらに読む。それもボルネオで。しかもプールサイドで。

もともとは、娘に読ませるため(読みたいと言ったのだ)に買ったのだが、肝心の娘がなかなか手にとろうとしないため、私が一足先に読もうというわけ。

いやあ、するすると読んでしまった。あっと言う間に読了。

正直言って、小説としては稚拙だが、実によく読ませる。そして感動させる。思わず目頭が熱くなったぞ。描写や人物設定がありきたりながら、ツボを押さえているのだ。

そして思った。

「もしドラ」は、小説の形を取った、ドラッガーの名著「マネジメント」紹介本である。つまり経営学の本である。だが本書のストーリーが、「マネジメント」の説く経営術を企業ではなく野球部のマネジメントに利用したように、ここで語られていることは、地域づくりに応用が効く……いや、企業経営より地域づくりの方が向いているのではないか、とさえ思えた。

なぜなら、企業の経営(マネジメント)とは、つまるところ組織論であり、組織の運営術だからだ。そして組織論を学ぶ必要があるのは、とくに運営システムが確立されていないNPOのような団体ではないか。もちろん組織の中の組織と言える行政組織(でも、実態は経営がまったくできていない組織)だって、そのノウハウを学ぶ必要がある。

「もしドラ」の語るマネジメントを、私が思い切り要約しよう。

まず「顧客の創造」である。誰のために事業を行うのか。

次にマーケティングである。顧客の声を聞くことで各人の要望を知る。

そして「人こそ最大の資産」という考え方であり、その活かし方である。

最後に「イノベーション」が必要だとしている。さもないと飛躍も持続もできなくなる。

これって、みんな地域づくりに活かせる……いや、地域づくりのテーマそのものではないか。

人を活かして常に持続的発展を行う。「もしドラ」を読んで。

本当は、原典である「マネジメント」(エッセンシャル版と完全版)を読むべきなんだろうけど、それは面倒くさい。私には「もしドラ」で十分だ。組織運営に悩んでいる人も、とりあえず「もしドラ」から始めよう。

※ 右サイトに、Amazonの「もしドラ」を挿入しました。

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コメント

あまりにあちこちで絶賛されてるので、
天邪鬼な私は、みんなが忘れたころ読もうと思ってますが、
ついに田中さんの心まで鷲掴みにしましたか。

>組織の中の組織と言える行政組織(でも、実態は経営がまったくできていない組織)だって、そのノウハウを学ぶ必要がある。

数年前、日本で一番国際競争力の無い組織は
「自治体」であるという話を聞いたことがあります。
あれから数年、大合併も終わり、果たして「自治体」の経営改革は進んだのでしょうか?

はっきり書くと、行政組織の人こそ読む本でしょう。

まず顧客とは何か。単に「国民」「市民」でしょ、と思っているようじゃ失格。彼らに何を与えることが自分(組織)の目標であり使命なのか、まで考えないと。
そして、その顧客の思いを「マーケティング」すること。役所の都合ではなく。
そのうえで、人材の活かし方を考えないと。ここがもっとも劣っているんじゃないか。人間誰しも取り柄があるんだから(^^;)、彼らのやる気を引き出す「働きがい」を与えること。

そうしたマネジメントを実行できたら、日本の行政組織も変わると思う。

ドラッカーにはその名も『非営利祖組織の経営』という名著があります。日本では18年位前に翻訳が出ました。一旦絶版になりましたが、現在は『ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営』(ダイヤモンド社)として、再刊されています。

おお、そうだった。ドラッカーにはそうした著作もあるのだった。
タイトルだけは知っているのですが、著作集の中に入っていましたか。

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