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2010/09/29

下流社会の木製品

これまで日本社会は、「一億総中流」と言われ、中流所得層が経済をリードしてきた。

多くの商品は、中流層をターゲットに商品構成を組んできた。いや、「中の上」の商品が全体を牽引してきたと言えるかもしれない。もともと買い物意欲は旺盛だったが、その中でも少しだけ贅沢な分野を狙うのだ。
右肩上がり時代なら、「今は中の下、中の中だけど、将来は少しでも上に行く」という見込みを持っていたのだろう。だから上流一歩手前の商品がよく売れる。なかでも若者層は、まだ所得は少なくても比較的高額商品を求めた。家族などがいないと、収入額はともかく、可処分所得は大きいこともあっただろう。

だが、今や「下流が中心」の時代だ。若者層も、非正規雇用が増えたことで、将来に渡って所得が増える希望を持てない。本来の中流層も、リストラ・賃下げが横行して、気分的にも買い控えに走りがちだ。

Graph02

こんなグラフがあった。世帯収入は、300万円以下が圧倒的に多いのだ。これは、下流および中の下の層だろう。

しかも、今後上がるという希望が萎んできている社会である。このまま固定するか、落ちる恐れも多分にある。とくに非正規雇用の場合は、将来増える可能性が低い。

……こんな日本経済評論をなぜやっているか。別に経済アナリストとしてデビューしようというのではない。

木材商品、とくに国産材商品は、その多くが「高額商品」だからだ。同じ機能を持つ非木材商品と比べて割高である。そうした木製品を売りたいと思った時、「品質がよい」とか「木の特性を活かす」などのブランド化戦略を採ることになる。

だが、それは中流層が全体の主軸で、将来に希望がある場合の販売戦略ではないだろうか。下流社会に陥った現在の日本で、それで売れるのか。国産材に高いブランドイメージを付けても大丈夫か。むしろ敬遠されないか。

もちろん、今も「プチ贅沢」が流行っているという側面はある。不況疲れ、節約疲れの中で、ほんの少しの贅沢を指向する購買層だ。そこに「お取り寄せ」とか「限定もの」などのブームが起きている。
だが、正直言って、それらの発想に「将来は出世するから、無理しても買おう」という前向きさ(?_?)は感じないのだ。

今の国産材商品に、そうした指向に応える力は弱い気がする。完全に趣味の商品ならともかく、実用品で高い国産品を買う層は、決して多くない、増えない、と感じるのである。

なんとか、下流狙いの国産木工品の開発はできないか。決して高品質でなくてもよい。加工が緻密でなくてもよい。とにかく価格を下げること。あえて言えば、使い捨て商品でもよい。「一生使える品」にしてしまうと、木が売れない(^^;)。

ただし、デザインだけはこだわりたい。 今風の人気のデザインにして、でも安いのが売れる気がする。木製というだけで、プチ贅沢になれればよい。

実は、庭いじりをしていると、意外と園芸グッズに国産材で作られたものが多いことに気づくが、これも立派な分野だ。野外で使うし、イマドキの園芸は花が咲き終わると、ガラリとデザインを変えることも多いから、長持ちしないでよい。

同じような、木の食器とか、文房具とか、日曜大工の素材などはどうか。職人には失礼だが、高品質な商品は時流に合わないような気がする。(もっとも、輸入品との差別化が難しくなるんだけどね。)

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

あと20年はデフレが続き、高級品はニッチ市場に収束するというのが最近の事業家達の見方です。

そこそこ良くてそこそこ安くないと売れない世の中ですね。

20年ですか…。

長いですね。日本社会は変わってしまったのでしょうね。

木の安いコップ、あれば本当に欲しいです。
こども用に割れにくいコップが欲しいんですが、
売っているのはプラスチックの物ばかり。
でも、こどもにはプラスチックの味を
覚えさせたくないんですよね・・・・。

今は保育園にはプラスチックのコップを持たせ、
自宅では無印良品の両手つき陶器のコップを
使わせてます・・・。

お金はないけど子育てにはなるべく妥協したくない親、安い木製は喜ぶと思います。

木のコップ、私も愛用していますよ。マグカップだけど、2500円くらいしたかなあ。ちょっと高い。
ほかにも杉のビアカップなど、そこそこ作られているけど、あまり簡単に手に入らないし、やはり高いですね。
あまり安さを求めると、海外製になるしね……。

木彫家が練習用に作ったものを安く放出してくれないかと思う(笑)。

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