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2010/09/03

「プロボノ」は根付くか

昨日の「林業女子」プロジェクトの記事で、応援団を「プロボノ」集団としたい旨記したが、この点について、少し考察したい。

プロボノはpro bono publico」を略した英単語だそうだ。直訳では「公益のために」という意味だが、具体的には「公益のために無償で仕事を行う」ことを意味する。

単純に言えば、職業的な仕事のスキルを社会に活かしたボランティアだ。わかりやすいのは、弁護士がビジネスとは別に無償で法律相談や訴訟を手伝うケース。

もちろん、あらゆるスキルが応用できる。たとえば経理、営業、デザイン、物流マネジメント、マーケティング、広報、人事、システム開発、建築設計、イベントマネジメントなどなど。

いずれの分野も、経験や技術がいるが、NPOなどにそれらに長けた人材がいるとは限らない。むしろ弱いと言ってよいだろう。そこにプロが参入するのだ。そして無償でやってくれるのだ。

これは効果的で本来のボランティアになると思う。なんたって、仕事で磨いたスキルだもの。それこそ役に立つ。

社会起業と同じく、プロボノも持続的で効果的な社会運動になるシステムだと期待する。

私は、どうもボランティアという言葉が苦手だ。本来の意味から離れて、現在の使われ方には余暇に本業とは違うことを社会のためにちょっとだけ費やす的なイメージを感じるからである。最近は有償ボランティアという言葉も登場しているが、イマイチ。

たとえば森林ボランティアも、普段は町で働いている人が、休暇に山に入って作業する、それも技術もさほどないまま……という気がしてしまう。本当に森のためになっているのか、なっているにしても、あまりに効率が悪すぎないか……と思う。プロなら半日の仕事を、一週間かかったりするからである。しかも出来は悪い。素人の智恵や技術で手伝っても、自己満足に終わることが多い。

まあ、そうではない団体もあるのだろうが、なんだか普段の生活とは切り離して行う余暇活動的な感覚がしてしょうがない。

私は、地域づくりや田舎生活を送る人たちに、「もっと以前の仕事のスキルを活かして行えばいいではないか」と提案してきた。たとえば田舎に移り住んで農業や林業やるのではなく、都会で働いていた時に身につけた営業や商品開発の能力を活かして起業する、あるいは田舎の産物を外に売りに行く活動である。その方が、よほど効果的だ。

ところが、全体に否定的に捉えられる。田舎に行く人は、農業をやりたがかる(笑)。なんだかこれまでやってきた仕事のスキルをボランティアの現場に持ち込むことをいやがるのだ。心機一転? 自分の人生をやり直す? のかどうか知らないが、仕事とボランティアを区別しがち。

私の聞いたものに、財政難のNPOに銀行マンOBが入ってきたケースがある。これは経理を引き受けて合理的な経営を行うか、会社回りの営業に辣腕を発揮するか……と期待したのだが、それを本人はいやがった。

お金に揉まれた前職とは一線を画して、世のため人のために働きたい。

そう言って、彼は、営利事業を無視した。無償で事業を勝手に引き受けて、逆に財政を悪化させたのである(笑)。

実は当人だけでなく、日本には、仕事とかビジネスという言葉に拒否感を持っている人が多いらしい。ビジネス界は汚れた世界とでも思っているのか。だが、こうした感覚では観念的な市民運動の枠から出られないだろう。

そういえば、昨日書いた項目で、「林業女子」活動で“電通の人にアドバイスを受けた”ことをさらりと書いたら、過剰に反応する人がいた。電通の商売に使われるのか、と先走ったらしい。そんなアホな。善意の先方に失礼だ。長年、マーケティングの世界に生きてきたベテランに、そのスキルからアドバイスを(無償で)いただけるのは、有り難いことだ。そしてこれは立派なプロボノ活動である。

この調子では、日本にプロボノが根付くには、まだ時間がかかるかもしれない

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

そうですよね。
実は私も、電通という二文字を見て「むむっ!」と思った一人です。
プロの人がそのスキルを無償提供されるのは、感謝こそすれ警戒するのは間違いですよね。
プロボノと林業女子、拡がって欲しいですね。

彼女達ならやってくれますよ。
大手に食われず、飼いならす。
切に望みます。

私は、最初プロボノを、プロのボランティアの略?と勘違いしていた(^^;)のですが、ある意味似ているかもしれませんよ。プロのスキルでボランティアするのだから。

以前の中村君のように、こちらの森づくりイベントにはプロ級がたくさんボランティアとして来てくれますよ。棚田イベントでも同様です。私もプロボノ活動をしたいですが、時間が取れません。。。新設を受けるばかりで少し申し訳ないです。

プロの林業家が森林ボランティアに参加したら、まさにプロボノですね!

沢畑さんは、棚田地帯保全のノウハウを、同じような悩みを抱える地域に教えるだけでプロボノになるんじゃないかなあ。

なるほど。プロボノですか。

林業女子,うまくいくといいですね。考え方とか,方向性とか,合意形成をしっかりやって,いろんな人の知恵を活かして,良い活動になるといいですよね。インパクトありますし。

私としては,木育をキーワードに応援ができればと思います。必要とされるように頑張りたいと思います。それこそプロボノとして。

私らは応援団だから、見守りが中心ですね。
あさださんは、木育の中心だから、プロボノ(笑)。

木育も林業女子も、重なるところが大きいと思います。ただ、昔は木について教育しなければならない状況なんぞなかったわけで、何が世の中を曲げたのか。

プロボノは、基本的にはボランティアなので継続性が課題だと思います。プロボノをする側としては、永続的にサポートしたいとは思わないはず。手離れが大事。

プロボノを根づかせるというよりは、現在ビジネスにできていない部分をどうビジネスにしていくか、だと考えております。プロボノは、経済的に苦しい田舎だと成立しづらい仕組みではないでしょうか。

おそらくプロボノ活動をする人、したい人というのは、ビジネスにはしたくないと思っているんじゃないですかね。片手間で、自分のスキルをちょっと活かす。だから、その恩恵を受ける立場の人も、いつまでも甘えていられないでしょう。
本来は、ビジネスにしようとしている人を、助けるのがプロボノで、プロボノする本人がビジネス化しようとしないですね。

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