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2010/10/05

ジオパーク認定より美林認定を

全国的にはどれほど注目されているのか知らないが、山陰海岸が世界ジオパークに認定されたことがニュースになっている。

ジオパークとは、地球活動の遺産を主な見所とする自然の中の公園と定義づけられている。2004年にユネスコの支援により設立された世界ジオパークネットワークが認定するものだ。ただし、これに加盟しているのは世界21カ国66地域だけ。また世界ジオパークとは別に、日本ジオパークもある。

これまで日本にある 世界ジオパークは、昨年認定された洞爺湖有珠山糸魚川島原半島の3地域がある。

また日本ジオパークは、日本ジオパーク委員会が認定するもので、2010年4月現在で、アポイ岳、洞爺湖有珠山、糸魚川、恐竜渓谷ふくい勝山、南アルプス(中央構造線エリア)、山陰海岸、隠岐、室戸、島原半島、阿蘇、天草御所浦の11地域。

つまり山陰海岸も、正確に言えば、すでに日本ジオパークだったが、このほど世界ジオパークの認定を受けたというわけだ。

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この写真は、都市緑化ならフェアに出展されていた山陰海岸ジオパークの展示。砂の彫刻から玄武洞の柱状節理の岩まで展示されていた。この出展時は、まだ日本認定だけだったのが、世界認定になればかなり賑わうのではないかな。

ジオパークへの認定条件は、いろいろな項目が定められている。地史や地質現象がよくわかる地質遺産を含むほか、考古学や生態学、文化的な価値のあるもので、しっかりした運営組織と運営が行われていて、教育・普及活動を行っているものだそうだ。

私は、こうした地質を見るのは好きな方だから、ジオパークという発想自体は歓迎する。

しかし、ユネスコも世界遺産で味をしめたのか、認定ビジネスが得意だねえ(笑)。また日本も、こうした認定とか資格に弱い。おそらく認定されるために、相応の資金を投入したのだろうし、また認定されたら観光客が増えるなど、採算が見込めるのだろう。

どうせなら、林業地域でも考えてはどうか。

世界美林遺産みたいなのを。もちろん人工林対象である。人が作った美しい森を認定することで、林業イメージをよくするのである。おそらく昔から人工林を育ててきたのは、欧米のほかは日本くらいだろう。否応なく日本で選定は数多いはずだ。
いやその前に日本版として、日本美林遺産とか美林一〇〇選も選んでもいいかもしれない。

いずれにしろ、人の手によって美しい森を作ることが、生物多様性にもよいとか、収穫量も増えるなどの理論を引き出して、森林美学を復活させる(笑)。

ああ、こんな提案が採用されると、また林野庁の仕事を増やしてしまう。ダミーのNPOが増えてしまう(^o^)。

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コメント

個人的には森林を認証して観光地化するのは
あまり好きではないですね。
国立公園のオーバーユース等のようにたくさ
ん人が来る事による悪影響の方が気になって
しまいます。
ほどほどの人数で抑えられると良いのですが。

田中様
11月は、東大でパネラーなんですね。
杉コレクションの発表もありますのでよろしくお願いします。

海杉的には、少しでも、多くの人に山の現状や森林の良さを触れてみてほしいという方です。そんな意味で最近は、努力してきているとは思うのですが、まだまだ、不足の感があります。

理解するには、現場が一番で、その機会や周辺の整備にも力を入れるべきだと考えます。大根役者のような演出は不要ですが、安全に山や森林、木材を知る場所になれば・・・。 

その前に、木材に触れる機会も作る努力が必要ですが…。

仕分けで「2番じゃ!だめなんですか?」という言葉は、現場と実情を知って入れば、言えないのでは、とも考えます。

ジオパークは観光資源になる可能性を示していますが、私の世界美林遺産(笑)は、観光目当てではなく、林業のイメージ回復と林業家の誇りですね。もちろん、一般の人に見てもらうような努力はしてほしいですが。
美しさに一番も二番もない(^o^)。

11月の「木づかい祭り」は、盛り沢山ですよ。私も2日間出ずっぱりになりそう(^^;)。杉コレも期待しています。

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