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2010/10/14

地域づくりNPOの弱点

市町村合併が進む中で、行政はきめ細やかな対応能力を失いつつある
とくに中心部から離れた山間の小集落は、今後厳しくなるだろう。それが元で限界集落化、そして消滅への道を歩みだすかもしれない。

その動きをくい止めるべく、さまざまな新しい組織づくりが進んでいる。なかでも目立つのは、NPO法人づくりだ。もともとNPOと言えば行政と対立するイメージがあったのだが、いまや反対に行政の補完機能を持つ組織化が進んでいる。とくに福祉や環境系には、NPO組織が目立つ。そして最近では、地域づくりを担うNPOも増えてきたように思う。

なかには官庁や外郭団体が自らのダミーとして設立するNPOもあるけど、基本的に行政より小回りの効き、コストを抑えて事業のできる組織として行政が見捨てつつある分野・地域に進出しているのだ。

だが、NPO法人は、本当に「小さな自治体」になれるだろうか。

その将来をうかがうため、2001年に集落全戸が参加して丸ごとNPO法人化をした鳥取県智頭町の新田集落を訪ねた。名前をNPO法人新田むらづくり運営委員会という。おそらく全国でもっとも早い地域づくりNPO法人だろう。

ここは、人口50人を切り、最高齢は99歳が2人もいるような高齢化集落。智頭町中心部からも10キロ以上離れた山奥にある。65歳以上が6割を越し、その数値からすれば、まさに限界集落だ。

だが、すごいのだ。都市と田舎の交流事業では、年間4000~5000人が訪れるし、人形浄瑠璃を上演するし、毎月カルチャー講座を開くし。その講師には、国会議員から有名な文化人、研究者など一流の人を招く。Uターン、Iターンの誘致にも成功している。

さて、取材に行って理事の話を聞いたのだが……開口一番。

「NPO法人は、地域づくりに向いていません」だった(°O °;。

それは税制の問題が関わっている。地域づくりをするためには資金が必要だから収益事業を行うのが通常だが、この収益にはきっちりと税金がかかり支払わなくてはいけない。その点は、株式会社などと同じだ。

一方で、地域づくりのためには非営利のお金にならない事業も行うことが少なくない。この新田集落の場合なら、カルチャー講座などもその一つだ。当然、赤字。

こうした場合、株式会社などなら、収益事業で上げた利益を儲からない事業の補てんに回すのが通例だ。そうしたら払う税金がコストを引いた分だけ安くなるだろう。これを利用して、常に投資を続けて赤字決算して税金を払わない企業も少なくない。

ところが、NPO法人には、それが認められていないのだ。収益事業と非収益事業はしっかり分けて、利益の出た事業にはしっかり税金をかける。だが儲からないところに資金を融通することは経理上できないことになっている、らしい。

「税金ばかり取られます。不採算部門は切り捨てるしかなくなる。ボランティアでしろというのなら、地域づくりはできない」

いっそのこと、株式会社にしておけばよかった、とのことである。一理ある(^o^)。

もちろんNPOの方が、世間的には共感を呼びやすいとか特典もあるだろうが、経営のことを考えるとそんなに甘くない。事業即地域づくりという形態の方がよさそうだ。

なお株式会社にも、第3セクターという形もある。行政と民間双方が出資する形だ。これは、行政の信用と、民間の経営ノウハウを併せ持つ会社ということで期待された。
しかし、実際は行政の無駄と無気力、民間の地域より自社の利益追い行動ばかりが目立って破綻するところが多い。私はお勧めしない(^^;)。やる場合は、行政の出資は極力小さくして、経営権は民間出身者に渡すことである。村長が社長にならない方がいいよ。

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地域・田舎暮らし」カテゴリの記事

コメント

田中様

やはり、そうでしたか。

私もNPO法人地球環境大学の理事をしてますが、利益をあまり出さないようにしつつ赤字にはならない程度の活動しかできません。制限がつきまとい、なかなか運営はむつかしい。

また第3セクター方式にもあまり利益をあげている所は少ないのではないでしょうか。寡聞にしてしりませんが、あるかもしれません。

その意味で、西粟倉村でみた株式会社森の学校は利益を上げる事を目的とする会社組織ですから、真剣に経営する必要があると思います。
それとIターンした若者が経営している所が、大変新鮮に思えました。期待する所、大です。今後の活躍を多いに期待するものです。

私はわが国の林業の活性化は腰をいれた本気な組織でないと、そう簡単には解決しない課題ではないかと考えています。

もちろん、会社組織にすればいいという問題ではありませんが、これから高性能の林業機械を操作できる若い林業従事者をしっかりと養成する気なら、真剣に取組む株式会社がいいように思います。
素人の経営感覚でしょうか?


mixi友達も、西粟倉村に行ったそうです。
その感想を転載しますね。
注目されている人口1600人の村ですね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
西粟倉、職場の若手有志で昨年見学に行きましたよ。
村の森林のうち7割を共同施業団地化して、「いつでもどんな大きさの材でも用意できる」を売りにしたり、家具工場誘致して産直家具を販売したりと、かなり野心的で面白い村ですよね。

村でお会いした林家さんで、7m無節のヒノキを作っておられる方もいらっしゃって吃驚しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

NPO法人の法律は、抜本的に見直す時期に来ていると思いますね。
ただ、この法律つくる際の立役者だった辻元清美議員も、この集落に来たそうだけど、理解していなかったよう……。

株式会社「なら」いいのではなく、株式会社「ゆえ」の経営環境をNPOにも取り入れる必要があると思います。可能なら株式会社とNPOの両方を立ち上げて、表裏一体で活動する手もあるかと。

田中様

「株式会社「なら」いいのではなく、株式会社「ゆえ」の経営環境をNPOにも取り入れる必要があると思います。可能なら株式会社NPOの両方を立ち上げて、表裏一体で活動する手もあるかと。」

おっしゃる通りですが,法律の改正には時間がかかりますね。
雨後のタケノコのように作られたNPO法人の再検討が必要な時期に来ております。
本当のNPO活動をしている組織は半分もないのでは?と思いますが,いかがですか?

NPOというのも玉石混淆ですから一概に言えませんが、当面は現状ある制度をいかにうまく利用するかを考えざるを得ないと思います。

いっそ、自治体を民営化したらいいのに(^^;)。

>自治体を民営化

 その通りだと思います(^^)常勤の職員の
給料カットは勿論、非常勤の「選管」委員や外郭
団体の非常勤理事など、ガンガン切って、スリム
しないと、ねえ?
 年間数える程の会議で月30万円の報酬を得て
いるのが、今話題の名古屋市の選管委員。しかも
元市議の「天下りポスト」(^^;)
 こんな無駄を見つけて、地域づくりや観光資源
開発や商品開発、広報、PR,ネット活用に金を
回さないと・・・
 費用対効果、せめてこれを念頭に企画する人間が
自治体にいれば・・・無理ですか?(^^;)

自治体、さらに国家公務員だって、よい運営で成果を上げたら、たくさん給料もらっていいんだと思いますよ。
ただ、今や国も地方自治体もたいていが赤字再建団体一歩手前。つまり民間なら倒産間際なんだから、コスト削減と不成績事業の整理、そして経営陣はもちろん社員も給与カットが当たり前でしょう。
それでも投げ出さずにやるかどうかは、心意気の問題。
その点からは、行政組織とNPOは似ていると思いますね。

本当にそうですね(^^;)>心意気

 でも、実際は夕張市がいい例で、財政破綻直前の
ボーナスは満額。財政再建団体の今の夕張市でも
2009年、08年より一か月分増額しています。
(^^;)びっくりですわ~
 福島県の矢祭町のような「365日役場無休」や
日当制の町議会など、「自分たちで町をなんとか
する」と決めた自治体は凄いですよね。覚悟を
感じます。こんな役場や職員、町長、議会なら
住民もいろいろ協力しますよね~
 実は、NPOとか、いろいろ考えていて、調べていた
ところだったので、今回の記事は参考になりました
知り合いの経営者などに、またいろいろ聞いたり
して、動きやすい「環境」というか、団体など
模索したいと思います。(^^)

第一義的に自治体の経営責任があるのは、首長と議員で、職員には頑張っていただきたい気持ちはありますけどね。

NPO設立を考えておられるのですか。メリットデメリットをよく調べて決定してください。

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