森林率のU字仮設
中国の人工植林面積が6200万ヘクタールとなり、世界第1位になったそうだ。森林率も、20,36%になったという。これは驚異的な数字だ。戦後すぐの中国の森林率は、10%を切っていた。たしか8~9%だったと記憶している。
もっとも、中国の統計が信用ならないことはいうまでもない(笑)。
中国の植林事情に詳しい人に、「植えたうちの何割が育っているか」と問うたところ、6割いかないだろうと推測していた。植えた面積が必ずしも森林化しているとは限らないのだ。
ちょうど先日、イギリスの森林率が13%に達したことが伝えられていた。イギリスは、産業革命以降、森林伐採が続き、森林率は3%まで落ち込んだ。それを200年以上かけて、ようやく10%嵩上げしたのである。
とはいえ、中国も確実に森林面積を増やしたことは間違いない。
実は、文明が進むと森林は減少するということは歴史的に知られている。だが、ある程度の文明化を達成したところで、森林率は反転する。(20世紀以降) 国家体制の安定と経済発展が植林を始めるきっかけになるという。
その最大の実例が日本だ。明治時代に1700万ヘクタールだった森林は、現在2500万ヘクタールに増えている。国土面積の変遷があるので厳密な数字は出せないが、森林率を20%前後上げたことになる。
ほかにもヨーロッパの国々もイギリスだけでなく、軒並み森林率が回復している。アメリカは完全に回復までいかず、微減が続いているが、それまでの急激の減少にストップはかかったことになっている。
これを森林率のU字仮設というのだそうだ。
まあ、その理論の中では、ようや中国は文明国の仲間入り(^o^)。
ただ、日本の森林面積は、本当に増えているのか。森林扱いしているところも、実は伐採跡地だったところも増えているから、もしかしたらu字(小文字)を描き出しているんじゃないか。
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