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2010/10/25

COP10の目的って何?

現在、COP10「国連地球いきもの会議」、ようするに生物多様性条約第10回締結国会議が名古屋で開催中。

案の定というか、予想以上に、というべきか、盛り上がっていない。注目も集まっていない。

いや、新聞やテレビなどマスコミの上では、それなりに報道されているし、また特集記事、特集番組も組まれている。露出面から言えば、そんなに悪くない。

だが、それらは取ってつけたような記事であり、なんとなく記事広告の臭いさえしてくる。
なにより世間の関心を集めていないことが歴然としている。

まあ、COP3(第3回地球温暖化防止会議)のときだって、最初はそうだったが、会議が難行するにつれて興味が集まり、最後ではそれなりの注目が集まったし、終わってからジワジワと地球温暖化が世間の話題になったのだから、今回も期待しよう。

ただ、関心を呼ばない理由を、生物多様性という概念が難しすぎるからと言われるのはどうか。

そこで私なりに、COP10が何をしようとしているのか勉強してみた。

すると、そもそもこの会議の目的は、生物の保全ではないということに行き当たった。

まず、全体会合「名古屋議定書」のテーマは、生物資源の取引ルールづくりだ。ある意味、貿易とか投資と同じ次元の経済的駆け引きの場である。

そして「名古屋ターゲット」と呼ばれるのが、生物資源の保全の目標と方策づくりなのだが、これまた個別の生物を思い描くとピンと来ない。パンダを保護しよう、という話し合いをしているわけではあるまい。本当に保護するべきなのは、生物資源の存在する生態系である。生態系保護と言い換えたら多少はイメージがつかみやすくならないか。

そして、それらを実行する目標と基準、そして資金がテーマになっている。しかも、各国とも自分たちに有利な形に持ち込もうとロビー活動も含めて暗躍?している。

ようするに、どちらもルールづくりなのであり、環境問題の解決ではない。日本の報道を見ていると、なんだか稀少な動植物を守れ、的な感情的、感傷的な議論のように思えてしまう。あくまで国益の分捕り合戦ではないか。

それで思い出したのだが、かつて ISO14000(国際標準化機構の環境基準)の森林部分の基準づくりの会議に参加した林業家から聞いたこと。

その会議の場には、各国のNPOなどが参加して、どんな基準にするか話し合うのだか、それはもう各国の利権と国益のせめぎ合いだったという。自分たちの国に有利な条件を勝ち取るために、いかに相手をくどくか、何を譲り何を勝ち取るかを会議の裏表で戦わせていたという。

日本の市民団体などのように、理想的な森林を守る基準づくりみたいなことを考えているわけではなかった。環境に配慮して、とか、共生の森づくり、なんて言葉を使っているようでは、吹っ飛ばされてしまう。各国では、市民団体までもが国益をまず第一に考えて行動している……。
国際会議とは、国益と国益のギリギリのせめぎ合いで妥協し、勝ち取るものだったのである。国家の外交だけでなく、民間レベルでも「いかに自分たちが得をするか」で交渉する場だ。

おそらく森林認証制度の審査基準も、そうして定められたのだろうし、COP3もそうだったのだろう。そしてCOP10だけが例外であるはずがない。

マスコミもCOP10では、日本の国益をいかに主張し勝ち取ったか(押し切られたか)を報道したら面白いのに。生物多様性条約を楯に、中国の経済攻勢の足を引っ張ってやったぜ、なんて政府高官の談話を載せるとか。
一方で、日本がオーストラリアでやっている原生林伐採の事実は隠蔽に成功したとか。そして、どーでもよい里山を理想の世界に描いて、他の国々に納得させてやったとか……。

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コメント

いや~よくぞ言ってくださった!(^^)
開催地でも、ちっとも盛り上がっていないし、
ニュース見ていると、「経済効果」(宿泊や関係者
の落とす金)や市民団体の取り組み発表、とか、
私から見たら「大本営発表」な報道です
(^^;)
なので、予定を無視して、ガンガン先進国と途上国
のエゴのお陰で、議定書など、選定できるかどうか
という、国と国とのガチンコにたいしては、
名古屋の田舎アナウンサーやコメンテーターは
勉強していないので「ノーコメント」(爆)
 まあ、今回の会議、名古屋の「見栄」だけで
誘致しただけなのは、周知の事実。
 ただ、ひたすら「日本の田舎都市が背伸びして
いる」のが、画面から見えてくる今月です・・・

COP3では、曲がりなりにも京都議定書が採択されて、京都の名は世界に知られたんですけどねえ。
森林吸収分3,8%も勝ち取るなど、外交的成果もあったと思う。名古屋、頑張れ!(笑)

ステロタイプの記事を書きたくない記者への親切なアドバイスですね(笑。
生物多様性も気候変動と同様、ベルリンの壁崩壊以降、ヨーロッパが開発途上国の開発をいかにコントロールしていくか、それを通じていかに世界をリードしていくかという戦略の産物と認識しています。熱帯林を保全するから金を出してくれ、生態系をあまり保全すると開発が出来なくなるから困る、生態系の利用料はちゃんともらうぞ、熱帯林の保全にお金を出すからってODAは削らないでね等等、政府の代表が集まって密室交渉している会議に名古屋は場所を貸してるだけなのにお祭りムードなのはなぜ?(笑

ところで、記事のISOの話しですが、喋りまくり、人間関係、裏交渉等等本当にすごいらしいです

先進国の思惑があれば、発展途上国には「生物多様性」「遺伝子資源」をキーワードに一発稼いでやろうという思惑もあるでしょう。
それらを摺り合わせしながら、落とし処を探るのが、日本政府の仕事。そして場所貸しの名古屋もそれをお膳立てする立場。頑張ってほしいものです。

日本のNPOは、相変わらず「生物の絶滅ゼロに」とかスローガン掲げているけれど。

名古屋の「アレ」は、残念ながら、愛知県と名古屋
が「うちらって知名度無いな~どうすべ?」が
元々の誘致の思惑。誘致が決まったら、そこがある
意味ゴールなんで、あとは関係者が自己主張する場
を作ればいいや~って感じにしか見えないのが残念
(会場のシーン見ても、人いないし、関係者ぐらい
しかいないとか聞きます)あ、あと「国際交流」も
目的かな?(愛知万博の意味の再確認も県はPR
したいしね)なので、奇麗事ばっかりTVで流れる。
本当の「裏の暗闘」は表に出ず、「スケジュール
押すほどの折衝」とかがやっと地元TVで放送。
本当に気味が悪くなるほど「建前」をコレでもか!
と民放もNHKも地元新聞も記事を書き、だから
大本営発表と前のコメントに書いたのです(^^;)
 COP10の公式HP見ると「底」が見えますね~
今、一番新しい「新着」は18日の物です(爆)
 やっと最近「ガチンコ会議」が伝わってきたのに
公式HPでは、一切「何故、会議がこじれているか」
が判らないんだから~
http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/index.html

まあまあ。まだ会議の最中ですから、温かい目で見守りましょう(笑)。
終わってから、その成果?を踏まえ、どんな罵倒をするかわかりませんが(⌒ー⌒)。

基本的に、マスコミ陣に、この会議とその問題を十分に理解している人材が少ないのでしょうね。いや興味を持っている人材が少ないというべきか。
だから自分の意見が定まらず、発表モノに頼るか、ステロタイプな記事になる。名古屋の悲劇は、そこにあったりして。

名古屋議定書、採択なう!!

詳しくは後日だが、九分がた議決すると睨んでいたが、やはり同時進行で覗けるのは感動だね。

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