就森集会 ~林業界の現実話
なんか、昨日のにpart1と書いてしまったから、part2も必要である。
ともあれ、集会第二部ではパネラーが並んで林業という仕事の現実が語られる。だが、それは笑いに包まれているようで過酷なのだ。みんな、まっすぐ現在の職に就いた人ではなくて、さまざまな職歴があるのだが、それはとりもなおさず、林業と就森との狭間を行き来したことを表しているかのようだ。
たとえば身近に自殺者が3人出た話。
長野県の田中康夫知事の時に雇われて、知事が交代した途端に契約更新を打ち切られた話。
妻が県職員でなければ続けられなかった台所事情。
補助金の申請がしたければ森林組合の木材市場(安い!)に出荷することが条件で、さらに搬出の車も組合のものを使う(有料)ことを強要する囲い込み。
見習い期間中の日給は、4500円だったこと。その後も6000円で、そこからチェンソーを買ったり燃料費も負担しなければなかったこと。
経験を積んでも、いまだ1日1万円を越えないこと。
作業着をファョッナブルにしたくても、お金が惜しくて500円のダサい服に手が延びること。買い換えを惜しんで父の着古した綿のシャツを送ってもらって使っている話を聞いたときは、ジーンときた。
それは何も、私が娘に送る白いシャツを持っていないからではないだろう。色シャツならあるけどさ。いや、そんなことではなく。
ちなみに、このシンポで私の発した発言の中で、もっともみんなの心に響いたであろう言葉は、
「吉野では、少し前まで林業見習いの手当ては、1日1万5000円だったらしい。ベテランになると、2万5000円もらえた」であった。ちょっと会場が色めきたった(^^;)。
もちろん、現在の吉野でそんな金額はもらえないけど。かつての景気のよい時代は、それだけの手当てが払えたのさ。
これらの話は、パネラー以外からも酒の席でも続けられたのだが、森の仕事を求めれば求めるほど、現在の林業現場が、その思いからは遠いことが浮き彫りされる。
どんなに山仕事希望者が出てきても、このままだと、林業は足元から崩壊するのではないか。それを乗り越える「就森」を生み出さないといけない。この場合の就森とは、既成の林業をはみ出した、新たな森の起業である。
そして就森は、社会変革のライフスタイルにならねばならない。
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