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2010/12/06

TPPで、林業を先進事例に

岡山の友人が大阪に来たので飲んだ。

話題に上がったのは、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。加盟している国同士は、基本的に(10年以内に)全品目の関税を撤廃しようというものだ。
もっとも反対しているのは、農水省と農業団体。一方で経産省と経済団体などは推進の立場。TPPを始めとする自由貿易関係の協定は、農業者にとって常に敵対視されている。

友人だって農業は親に任せているとはいうものの農地を持っている。だから「これが始まったら、山間部の農林業は全滅だ」という。

まてまて。私もTPPについて、さほど詳しいわけではないが、そんな単純なものか。

まず、関税に関して農業と林業はまったく違う。(漁業は、この協定に関しては農業寄りかもしれない。)

農業の中で、米は778%もの凄い関税をかけている。ただし、その代償としてミニマムアクセスとして外米の輸入もしている。

ところが農業だって、実は米以外はほとんど関税がかかっていない。野菜や花卉に、関税はない。それでも自給率は高い。国産小麦には莫大な補助が付く。そもそも国産小麦の生産量は微少である。

一方で林業だが、はっきり言ってTPPに関係ない。もともと外材に関税をかけていないからだ。何十年も前に関税を撤廃している。
わずかに合板にはかけられているが、近頃は国産合板が大いに伸びているし、価格差はたいしてない。10年間のうちに努力すれば、競争力は十分保てるだろう。

某経済評論家は、TPPに加盟すると「農業も林業のようになる」と発言
している。ようするに食料自給率が2割まで下がるというのだ。しかし、日本の木材市場を外材が席巻したのは、価格差ではないことは、常々指摘していることだ。それに自給率と日本の食料調達能力は、つながっていない。

むしろ、関税のない貿易を行っている木材は先進事例にならないか。外材を解禁した後に、どのように対応すべきだったか、詳しく当時の市場と政策を検討すれば、今後の農業の立ち回り方の参考になる気がする。つまり反面教師として林業は使えるのではないか

そして、これは林業を再生しようという、現在完成直前の「森林林業再生プラン」を考えるうえにも役立つだろう。

私が怖いと思うのは、TPPは関税撤廃ではなく、政府の調達や金融や人の移動の自由も含まれていることだ。政府調達が自由化されたら、公共事業に国産材を使いましょうね法も吹っ飛ぶだろうね。

ところで気になる点を二つ。

TPPがない今でも、日本の農業は崩壊への道を歩んでいる。
とくに山間部の水田でできる米は、ほとんど自給用である。販売に回されるのはごく一部だ。米もスーパーで買ってきた方が安いと言いつつ、棚田を耕しているのが現状だろう。
彼らは、さらにスーパーの米が安くなれば、耕作を止めるだろうか。おそらく、そんなことはない。耕作を断念するのは、後継者がいないとか、高齢で身体がきつくなったときではなかろうか。つまり、現在進行中。

とはいえ、私はこうしたグローバル化とか自由貿易体制は、正しいかどうか、ではなく、歴史の流れとして否応なく進むものと思っている。いかに裏でアメリカが陰謀を巡らせていると主張して反対しようが抵抗しようが、じりじりと進む。この流れに棹さしても、止まるまい。たまに逆流させても、すぐ元にもどる。TPPをつぶしても、また別の提案で出てくるだけだ。

まあ、この点については、もっともっと考えないといけない。

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コメント

 僕は4HAばかりの稲作を営む兼業農家なのですが、何事も反対ばかりの農業団体にはうんざりしています。
農業の就労人口の平均年齢がもうすぐ70歳に届こうとしている事はいかに農業が魅力無く若者に写っているからだと思います、その原因を作ったのは言うまでも無く全農をはじめとする農業団体にほかなりません。

ちなみに僕はTPP賛成で、農協には一粒も米を出荷しておりません。
友人の花卉農家が戦略的農業で頑張っているのを見ると楽しくなってきますし、どの産業もモチベーションが生まれない事は悲劇です。

今のままの農業団体保護の為に反対を続けると将来の日本の農業(稲作)は御荷物産業に成り下がると思います。
TPP加盟は将来の農業の担い手を育てる最後のチャンスではないでしょうか!?

4haなら、日本ではそこそこの規模ですね。
花卉農家は、日本農業の中ではもっともアグレッシブで、ビジネスを行っている分野でしょう。そこで身につけたビジネスを食料生産にも活かしてほしい。

全農は、なんでも反対することで補助金を増やすことを狙っているのでしょう(笑)。

TPPには私は大反対ですが、既存の業界団体と同じことを大きな声で言うのも何だかなあ、という気持ちも少しあります。それでも言わないといけないので言っております。

>私はこうしたグローバル化とか自由貿易体制は、正しいかどうか、ではなく、歴史の流れとして否応なく進むものと思っている。

そうだろうなと思うのですが、だからこそ反対してひっくり返せれば楽しいです。うまく行くかな。

ひっくり返してもひっくり返しても、モグラタタキのように出てくるでしょうね。

でも、これは減速社会に入った日本の課題です。日本は減速しているのに、世界は加速している。その中でいかに両者を整合させ立ち回るかは、重要な論点です。

(TPPに反対です)(中野です)
農家のみかたでは、ありません
今ニュースでノーベル賞受賞式に中国は、日本に対して出席するなと言っている(上から目線である)今こんな事言われている位だから大干ばつなど食料買占め・食料封鎖されたら日本は、間違いなく(出席しませんと言いなり)情けない国になってしまいます
(食糧封鎖によって他国にすぐぺこぺこする情けない国になってしまう) 自国のプライドを捨てない為に自給は必要


(TPPに反対です)
<TPPに加盟しても結果は、同じ>
仮にTPPに加盟しても(今後アジアの製品の質が良くなり・賃金差が今のままであれば
TPPに加盟しても負ける)輸出業は、衰退は必定 最悪なのは、日本人が(関税の無くなった安い海外の自動車・家電商品をたくさん買うようになったらどうでしょう?)踏んだり蹴ったりです(事実有りうるのですネット人間がすごく多いのです)自分さえ良ければ他人がどうなろうと関係ないとこういう人が多いのです(つまり輸入品がいまよりもさらに安くなる+輸入品がさらに売れるにつながってきます)


(TPPに反対です)
<必ず来る国債破綻>
 必ずくる国債破綻を1番に頭に入れて下さい
 TPPをやって3年位は、農家などに補助金をバラまいてうまく
行っている様に見えても国債破綻(財政破綻)して補助金を0円になったらどうなるでしょう?
なってからでは、遅いのです(孤立してもTPPに加盟したらだめです)

化石燃料をたくさん使って食料の大移動が正しいのですか?
(皆様の意見反対意見下さい)(中野です)
.


国家とは、20年先・100年先を見た戦略をとらないといけません
(今の政治家は、2年後の選挙しか見えない人が多いのです)
非常に残念です 中野です

TPPに関するユーチューブがあります

ttp://www.youtube.com/watch?v=XD-nv0sfbxQ

すごくためになります

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