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森と林業の本

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2010/12/30

樹脂箸と紙コップ~残念な国

年の瀬も押し迫り、買い物へ近くのショッピングセンターに出かけた。

そこで昼食がわりにフードコートで注文したのが、お好み焼き。

「お箸はいりますか」と問われて、はいと応えると、出てきたのは樹脂箸であった。これは、ちょっと虚を衝かれた。ここで割り箸を持参していない。うなりつつ、席に付こうとして、水をもらおうと思うと、そこで使われているのは紙コップだった……。

なんともチグハグである。割り箸を樹脂箸に代えた理由は、少なくても表向きは割り箸は使い捨てだからもったいないとか、ゴミを増やすから、などであろう。が、そこで紙コップを使うとは……。

この1年、こうしたチグハグさを感じることが幾度もあった。

地域振興を掲げて取り組んだ事業なのに、いつしか自分たちの利益を最優先にして、同じような事業を旗揚げする動きに運営ノウハウを出し惜しんだり、異見を述べる仲間を排斥するケースがあった。

世の中に訴えたいことがあって始めたことなのに、自分が本家だという意識を振りかざし、同調して動き出した人々を押し止める(心の)小さい人にも出会った。

環境や地域を守るための活動している人が、自説の一部の間違いを指摘されると、逆ギレして環境・地域よりもプライドを守ることに熱心になる図もある。

ある目的で作り上げた印刷物を、自己満足のためにいじり回し、それでは手にとる人が減ってしまうと指摘したら「売れなくていい、読まれなくていい」とのたまう発行者もいた。

地球温暖化防止のためにバイオマスエネルギーを、と言いながら、海外から木質ペレットを輸入するエネルギー企業も増えている。

そして民主党政権も、林業再生を通して山村地域復興を掲げて森林林業再生プランを作ったが、内容は産業としての林業の活性化はめざしているものの、地域振興の視点はどこにも見当たらない。

残念な人」という言葉が少し流行ったが、その意味するところは、才能もある、努力もしている、でもどこかピントがズレていたり方向性が間違っているため報われない、それどころか周りを困らせている人のことらしい。そのような残念なことが社会に蔓延している気がする。

このままでは、日本全体が「残念な国」になるかもしれない。

来年は、もう少し物事や行動を俯瞰する視点を強めようと思う。世の中全体を見回し、時間軸で考えないと、自らの立ち位置を見失い穴に落ちてしまいかねない。
だから私も目先の林業から少し距離をおこうと思っている。さもないと、本当の「森林」を論じられない気がするからだ。それが目標。

それから、心地よくなりたくてお酒を飲んだのに、二日酔いに苦しむことのないように。

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コメント

俯瞰する視点・・・大切ですよね。
どこに身をおいていても。

ですが、最後の2行は、もっとも大切な目標かもー。
ぜひ、達成してくださいませね。

はい、最後の2行は。

でも、俯瞰するのって意外と簡単かも。ほかの分野に耽溺すると、自然と浮き上がる。

いつも、mixiの足跡つけてばっかりのあやしいおばちゃんです

私もとても残念な人で、手作りのよさにあこがれつつ、仕事帰りの遅さに言い訳して、お惣菜のパックを、ごみとしてどんどん出してしまっています。思いと、行動を一致させるのは、難しいですね。

来年のテーマは、思いと行動の一致にしたいと思います

自分で自分のことを「残念な人」ということは、しっかり自分を客観的にみていらっしゃるのだから、「残念」ではないと思いますよ(^o^)。
「残念な人」は、きっと来年も今年のようにやればいいんだ、と思っているんでしょうね。

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