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森と林業の本

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2010/12/17

農地は余っている、林地は?

先進国が途上国の農地を買いあさっている……そんなニュースがよく紙面を飾っている。その対策会議も開かれているようだ。

だが、どうも違和感がある。なぜ、先進国が自国以外まで農地を求めなくてはならないのだ? 食料危機に供えているとも言われるが……。

実は、世界の農地は余っている、という説がある。世界に今ある農地は約15億ヘクタールだが、そのうち休耕地が3億ヘクタールだというのだ。日本の休耕地は約40万ヘクタールだから、その750倍の農地が耕作されずに打ち捨てられているらしい。

その休耕地は先進国も途上国にもある。その原因は、農産物が余っているから。だから耕作の不利な農地は捨てられるのだ。

なお、穀物生産量は22億トン。ところが、食用は半分にすぎない。つまり残りは飼料用だ。本当に食料危機なら、これらを人間に回せば済む。
それどころか耕地の6割で穀物を生産すれば、60億トンは可能とされている。すると人間も家畜も飢えることはない計算になる。

結局、現在の農地の奪い合いは、「条件のよい農地」を奪い合っているだけにすぎない。
それは食料を投資商品と考えるから、コストと引き合う農地を求めるのだ。食べるものを得る場として自分に引きつけて考えると、儲からなくても自分の農地は耕す。そこで幾ばくかの食料を生産する。

さて、外資が日本の森を買いあさっている、と騒ぐなら、日本に必要な森林面積はどれくらいかも計算した上で問題の要点を示してほしい。そして木材生産の観点から、森林はどれほど必要なのか計算されているのだろうか。
森林は、本当に減っているのか。本当に危機的に減少しているのか私は疑っている。日本の場合は蓄積が増えているし、世界的にも言われているほど日々森林が消えているのか妖しく思う。

木材は食料ほど明確な使い道を示せないから、樹種や生長量、製材歩留り、廃材商品化など不確定な要素はあるが、ちゃんと出して、木材生産林は足りている、あるいは確実に足りず、原生林という貯金を下ろしているのか。将来、木材不足になるのだろうか。数字で示してほしい。さもないと木材自給率の意味もはっきりしなくなる。

もちろん森林全体となると、生物多様性やら森林保養やら景観やら、さまざまな利用が見込めるから、地球上に必要な森林面積を出すのは難しいが、少なくても人工林面積ぐらいは導いておいてほしい。そのうえで人類の木材利用可能量を割り出し、世界の林業の在り方を示してはどうだろうか。

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コメント

おっと・・・いきなり宿題出された感じですねー
こないだの講演会の、4人目の演者の担当ですねー

地球温暖化が絡むと、「とにかく森林が多い方がよい」ことになってしまうのですが、「用途別必要量」という視点はいいですね

・・・でも、世界の穀物生産可能量などと同じで、パラメーター一つでどうにでもなる数字、政治的な意図から操作できるので、私たち御用学者に実効性のある数字を出せるかなー \(-_-)

ただ、人工林が過剰でも、長期間放っておけば原生林っぽくなりますから、「何も手を加えずに用途を転用できる」ところが森林の良いところですよね。

森林や農地の公益的機能をお金に換算すると◎◎兆円、なんて摩訶不思議な数字を出しているんだから、できると思いますよ(^o^)。

地球温暖化だって、これを止めるために必要な森林面積を計算してみたら面白くないかなあ。地球上の陸地を全部覆っても足りなかったりして。

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