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森と林業と田舎の本

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2010/12/22

森づくりは芸術か?

以前、もっとも高度な芸術は何か、というドーデモよいことを考えたことがある。

絶対に答は出ないし、また好き勝手な思い入れも入る、異論反論が続出する命題である。

が、あえて考える。

たとえば音楽と絵画を比べる。これは聴覚と視覚の芸術だが、視覚の方が情報量が多いから上とする。(ほらほら、早くも反論したい人、多いでしょ。)

では絵画と彫刻は。彫刻の方が立体的だから上だ。(おいおい、というツッコミあり。)

彫刻と演劇は? う~ん、演劇の方が動くのだから上。(またブツクサいう人、いるでしょ。)

演劇と映画は? 生の方が訴えるものがありそうだけど、映画は、音楽や肉眼にはない視覚効果も加えられる要素が多い。舞台だけの演劇よりシチュエーションも広くなる。

やっぱり、実物が動く演劇にする(^o^)。  ←文句いうな。

……という風に考えていくと、建築という分野に行き着く。これは立体的であり、視覚要素も聴覚、触覚、とみんな入るのではないか? その中には住んだり活動する人も含まれるのだ。そこに機能美も生まれるだろう。

では、建築こそが、総合芸術としてもっとも高度なのか。それも発展すると、土木の方が壮大 な芸術かもしれない。巨大なモニュメントとしてのダムとか。海を干上がらせる干拓とか。沙漠緑化も。自然界に人類の力を刻んでみせるのだ。(ほれほれ。カッカ頭に血を昇らせた人もいるかな。(⌒ー⌒)

だったら、森づくりはどうだろう。自然界を取り込んだ芸術である。景観の創造である。
しかも完成まで時間がかかる。いや、いつが完成かわからない。
時として人間の意図を超越した発展を遂げる。ときに期待を裏切る。しかもデカい。視覚も聴覚も嗅覚も触覚も、味覚さえ含むぞ。もしかしてパワースポットとかの第六感だって含んでしまうかもしれない。

ま、ここで天然林と人工林のどちらが芸術なんだ、とかまたイチャモン付ける人もいるだろうが、人工林を芸術とするなら「林業芸術論」が成り立つかもしれない。なんだか実際に明治の頃、論争があったらしいけど。

いっそのこと、森林だけでなく多様な景観、多様な生態系そのものを取り込んだ「里山」こそ、芸術だあ~! と叫んでしまうのもいいかもしれない。すると、まちづくりまでが芸術になってしまう。

が、意図的でないものまで芸術にしてしまうと、最後は宇宙まで行ってしまうから、これくらいにしよう。

森林の美的価値を論じるなら、ここまで行ってしまわないかね。

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コメント

何をおっしゃいますか。

一番上には、谷山浩子さまです。(キッパリ!)

谷山浩子! ははは~m(__)m土下座。

あの人は、神です!

40代以上じゃないとわからない芸術論!

「猫の森」の女神ですから、やっぱり森づくりこそ芸術だぁ~

知らない人にはまったく???なコメントでしょうね(^^;)。

昨夜は、延々と聞いてしまった。「猫の森」だけでなく、「まっくら森」や「森へおいで」など、森の登場するゲイジュツが多い女神です。

はい、私も???な一人です。が、私の雇い主も谷山女史のファンなので、CDを聴いてみたいと思います。ところで、“最も美しい森林は最も実り多き森林である”という言葉を、速水亨 氏の講演で拝聴しましたが、出展をご存知ありませんか?

ほほお。あのボスが……。

「もっとも美しい森は、またもっとも収穫多き森である」。
森林美学で「恒続林思想」を唱えたドイツのアルフレート・メーラーですね。速水氏も、この言葉に魅了されているようです。

中村君の現在の雇用主と言えば私ですが、私は残念ながら今も昔も谷山ファンではありません。もちろん嫌いではないのですが。従って、今回のコメント欄も大体の流れしか理解できません。

谷山ファンと世間にカミングアウトしてもさほど恥ずかしいことではないと思います。「私はプログレファンだ」と言うのと同様でしょうか。

ついでに言うなら、現在では「鉄っちゃん」とカミングアウトしても、それほど恥ではないと思うのですが、私が現役だった25年前はそうでもなかったと思います。少なくとも、女性の鉄っちゃんは見ることはできませんでした。存在はしていただろうと思いますが。

谷山浩子って、ハマルと依存症になるんですよ(^^;)。

私は学生時代にどっぷり浸かったんですが、ようやく断浩子に成功していたのに、熊(♀)さんのおかけで、突如フラッシュバックが……。
まるで断酒をしたアル中が、奈良漬け食べて元にもどったようです(笑)。今日も何時間も聞いてしまいました。今も……。

でも、鉄ちゃんは嫌い(⌒ー⌒)。

そうですか、アルフレート・メーラーですね。ありがとうございます。
余談ですが、バルト と フォルスト の違いも“あのボス”から教えて頂きました。

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