無料ブログはココログ

本の紹介

« TPPで、林業を先進事例に | トップページ | デイケアサービスの思い出資源 »

2010/12/07

WiLL新年特大号の「外資が日本の森林を」記事

実は、月刊ウィル(WiLL)新年特大号を買って読んでいる。

実は、と付けたのは、こんなソープ・ナショナリズムの右翼雑誌読んでるの? と思われると恥ずかしいからだ(笑)。

が、この号の特集は「中国の日本侵略を許すな」なのだが、そこに3本の「外資が日本の森を買っている」関係の記事があるのだ。これを読みたくて買ったわけ。

そして、読んだ結果、なかなか面白かった、というのが感想だ。

まず有本香の「中国が北海道を買っている・全調査」という記事。
これは、なかなか掘り出し物であった。これまで出回っている「外資が日本の森を買う」という雑誌や新聞、そして書籍の記事は、どれも薄っぺらで箸にも棒にもかからなかったが、この記事は現地調査もしたうえで事実に則して論じているうえ、中国事情にも詳しい。

002

たしかに森林はたくさん買われているが、木材目的でも水目的でもあり得ないことを説明している。一方で、「自衛隊基地を臨む土地」を買ったという報道に関しても、8キロほど離れていて、監視とか攻撃には向いていないことを専門家のコメントとして紹介している。
むしろリゾート目的の可能性をうかがわせる例も紹介しているが、それさえも杜撰であるという。

そして、中国人は目的に向かってしたたかで貪欲な執着性を示す一方で、信じられないほど杜撰で戦略性に欠けることを指摘した。無勝手流に、思いついたら先を考えずに手を出すのだ。そして一か八か、リスクを取りつつ狙う。成り金趣味的というか、とりあえず、唾を付けとこう的な発想だ。

今回の森林買収も、そうした動きの一端であることを感じさせた。

もっとも感心したのは、最後の締めとして指摘している点だ。

この買収騒動が、ミニバブルを作り出しかねないことである。外資の脅威にさらされている土地を、公有化するなど言い出したら、外資は、安値で買い取った森林を高値で売り抜けるだろう……という推測だ。
超安値の物件を「宝」に見立てて投機ゲームを始めているのだと見えなくもない

実は、私の想像も、ここに落ち着いているのだ。ただし、そのゲームは中国人だけでなく、自分の土地を持て余している日本人所有者まで、恩恵を及ぼす。売るに売れなかった森林を、高値で売り抜けるチャンスなのだ。ブローカーが蠢き、許認可を持つ輩が漁夫の利?を得ようとする。ババを引くのは、投機ゲームの参加者であり、最後は国や自治体かもしれない。

さて、2本目は、北海道議会議員の小野寺まさる氏の記事。彼は、北海道の森林・土地が主に中国資本に買われていることを調査して告発した人だ。まあ、危機を煽っているのは想像どおりだが、事実関係の調査した内容的には悪くない。ただ、中国人の北海道合法的入植計画?には、引いた(笑)。

そして3本目が、高市早苗自民党代議士の「日本の水源林を守る議員勉強会」を発足させ、外国人の森林取得を制限する法律案2本を国会に出している。まあ、一連のソープ・ナショナリズムにもっとも踊っている議員の一人だろう。

実は高市議員は、私の住んでいる奈良2区選出(近畿比例区)なのだが、この記事も予想外に面白かった(~_~;)。

内容は、法律案を作るまでの苦労話みたいなもので、国会で法律つくるのに、こんな手続きやら動きをするもんなんだな、という点で感心した。とくに私案を出したら、法制局に見るも無残に打ち破られて玉砕した話は面白い。一つの法律を作る場合、さまざまな角度から検討して問題がないかチェックが入るのだ。外国人というだけで土地所有制限したら、どんな事態になるか、各種の条約も絡んできて、ことによると国際問題にさえなるそうだ。

ただ面白いのは、法案づくりの過程で、日本の地籍のいい加減さや、森林所有者への新たな義務づけまで浮上させたことだ。
たとえば法案では、森林の無許可開発とか植栽命令違反の罰金などを50万円以下から100万円以下に引き上げることにしている。この点は、ぜひ実現させてほしい。いや、もっと罰則高くてもいいんじゃないか、と思う。無届け伐採も、30万円以下を50万円以下に引き上げても、効果あるのだろうか? 300万円くらいにしてほしい。

森林所有問題って、本当は外国人の購入ではなく、日本人所有者の問題なんだよ。

感想を総括すると、WiLLって、なかなかよい雑誌かも\(^o^)/であった。

« TPPで、林業を先進事例に | トップページ | デイケアサービスの思い出資源 »

書評・反響」カテゴリの記事

コメント

田中様

山林に国民の関心を引かせるという目的には,このような記事は大変効果がありますね。

少なくとも,一般市民にとり山村振興はどこかよその世界にしか思われていないからです。

リアルな内容の記事がどんどん出てきて,ようやく国や自治体は重い腰を上げざるを得ないかもしれません。
売り抜けられたら良いですが,中国人にしてやられる日本人は、これからも出てきそうですね。

私も、最近はこの手の怪しげな記事でも、森林に国民の関心を向ける効用はあるかな、と思いかけています(笑)。

私は、中国人に高値で売り抜けたらいいと思っているのですが、どうも今の状況では、安値で買った中国人が自治体に高値で売り付ける可能性の方が高い気がしてきた。

いつも、乗せられて買ってしまっているような気がして
ちょっと悔しいような感じがしています。

はい、そうです。つい買ってしまいました。
まだ読んでませんが。

乗せられたな(⌒ー⌒)。

これで熊(♀)さんもカルト右翼の仲間入り。ほかにも面白い記事がちらほらあるよ。さあ、読んで。読んで。読んで……。

読みましたよー。斜めですが。
こういう本だったのね。WiLLってば。

うーん。実は知人の家の本棚にずらーっと
並んでいるのを見た(外側だけ)ことがある。

いろいろ納得・・・。

読んだな、読んだな、読んだな……。

こういう本って、どういう評価なんだろ(?_?)。
何を納得したんだ?

まあ、雑誌とはいえ、根本は書き手なんだよ。

ああ。こういう人がこういう本
読むんだなあ。っていう妙な納得です。
愛読者と内容の合い具合かな。

でも、なかなか面白くはあります。
興味深く読みました。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36391/50240852

この記事へのトラックバック一覧です: WiLL新年特大号の「外資が日本の森林を」記事:

« TPPで、林業を先進事例に | トップページ | デイケアサービスの思い出資源 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

森と林業と田舎