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2011/01/02

「就森」という進路

新年明けましておめでとうございます。

大晦日、元旦とブログを休んだ。このまま何日か休止してもよかったが、娘に「元旦こそ、挨拶で書き込む日やろ!」と言われ、書くことにした。

昨夜は、深夜映画を見ようかとリビングに居すわっていたら、娘がやってきて、ヒマしてるらしく「なんか、話しよう」とせっつかれる。

「じゃあ、進路の話」

と、今年高3生になる身には、イタイところを突っ込み嫌われる(~_~;)。

それでも、なんとなく私の高校生時代の進路を決めるまでと、大学入学してから、そして現在の仕事につながる話、ついでに高校時代に谷山浩子にハマった話、部活に、ほのかな恋心を持った同級生との顛末……までペラペラ話した。

そこで思い出したのが、昨秋の「就森」である。

森に関わる仕事に就きたいという人は、少しずつ増えているようだ。それは林業に限らず、条件的には決してよいとは言えず、さらに幾多の困難が見込まれる分野だろう。にもかかわらず、望む。

「就森」というからには、趣味の森林ボランティアとか、森林学を学ぶ学生とかは含まない。これらは「趣味森」だ。それなりに森の仕事で稼いでいることが前提である。それだけでは食っていけないにしても、多少は生活の足しになっていないと「就森」にならない。

と、そこで私の職業は、「就森」になるか? と考えた。森を執筆ネタにはしているが、どれほど森と直接関わっているか。 森の情報を扱うのは、森の仕事と言えるのか。

そう自問すると、境界線の上という気がする。境界線上の森林ジャーナリストである。食えるかどうかも境界線上だけど。

私の森を仕事にするようになったのは、いつからだろうか。
基本的に幼少の頃から森の近くに住み、森の中で遊ぶ環境にいたことがある。高校生の時には、山岳部に在籍したことも大きいだろう。山に登ることは、森に入ることだったから。それが大学の林学科に進むきっかけになったとも言える。これは、一歩「趣味森」から「就森」に近づいたが、まだ「就森」ではない。

結局、卒業後の進路に林業はなかった。当時の森林組合は林学徒にとって就職先としては別世界だったし、公務員の道はハナから拒否していたし。そこで場末のマスコミ業界にもぐり込んだが、町ネタばかりに飽き足らず、転職を繰り返し、その合間に海外の森に通っていた。これも、まだ「就森」ではない。どちらかと言えば「趣味森」。

結局、勤めている限りは森(野外)をテーマにした執筆活動は難しいと感じて独立し、少しずつ仕事の範疇を森に引き寄せた……というのが本当のところか。

とすると、私が本当の「就森」をしたのは、森に関する本『「森を守れ」は森を殺す!』を最初に出した1996年かもしれないなあ。でも、初著作『不思議の国のメラネシア』1986年)も、話はジャングルの中ばかりだけどね。

……と年頭に、自分の歩みを振り返ってみた。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

謹賀新年

森コロも好きだけど、読後感はメラネシアが印象的でした。やはり最初の本に、その人がかなりの部分が出るんじゃないでしょうかね。と、いいつつ、不肖ながら私も一冊上梓しました。といっても、共著だし、教科書的なものなので、たいした話じゃないですが。では。

ありがとうございます。「メラネシア」は、あまり褒められたことない(~_~;)。これが売れてたらトラベルライターになってたかも。

上辞したのなら、書名書いてくださいよ~。

今年もよろしくお願いいたします

「メラネシア」は、読み続けているときも
よかったです。
すっかり、メラネシアに行ってる気分で
読んでましたもん。

トラベルライターではなく、
森林ジャーナリストになったのは
森によばれたからに違いありません。

四半世紀すぎて、評価が高まる初著作(~_~;)。
嬉しいなあ。思い入れあるもん。でも、まだ売れ残ってるって。

きっとソロモンの森の精霊が「ここはお前の来るところじゃない」と言ったんだと思います。仕方なく森林ジャーナリスト。

田中淳夫様


あけましておめでとうございます!

21世紀に入り10年経過しました。
ようやく一般市民も、本気で環境問題に取組んできましたね。

諫早湾問題を早くから訴えていた、山下宏文さんの考え方や、自然農法で有名だった福岡正信さんなどの考え方が普通になって来ました。

その意味では、田中淳夫さんの「森を守るが森を殺す!」が出たのが1996年ですから、15年経過してようやく田中さんの主張も常識的な意見として受け入れられて来た感じがありますので、これからが田中さんの本番ですよ(笑)

新年早々、おめでとうございます!

「割り箸はもったいない?」で木材環境問題に目覚めたしゃべり杉爺さんより

私の大学や院の卒業時(バブル真っ盛り、田中さんより4、5年後)を考えてみると、林業に少しでも関係のあるのは公務員だけだったと思います。私としてはむらおこし業界人にはなりたかったけど、就森までは頭が至りませんでした。

現在の田中さんは、就森者でもあり、大林業界人でもあり、二つの輪の重なりの部分ではないかと思います。

本年もよろしくお願いします。

当時は、今以上に林学界と林業界が断絶していましたね。

私も、林業というよりは森林が大変なことになっているという意識が強かった。

今となっては、「大林業」提唱人とでも、肩書付けておきましょうか(笑)。

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