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2011/02/28

いま「林業」が必要な理由

理由シリーズか?

林業は、本当に必要なのか、だとしたら、それはなぜなのか。

チュニジア、エジプトと長期独裁政権が倒れ、今リビアも倒れようとしていることを思うと、長期に変化を拒むと末路は哀れなものだと感じさせられる。その点、日本は毎年首相が変わる。国民が、ああこの首相はダメと思った(世論調査)途端に退任を余儀なくさせられる。なんて、素晴らしい民主国家なのだろう。

ということはさておき。古くて、変革を拒みがちな林業の存在理由は何か、考えてみたい。

林業とは何かと問えば、現在では主に木材の産出である。そして存在理由とは、人間社会が木材を欲しているから、それを得るために林業は必要だということになる。

それはその通りであるが、前回も考察したとおり、木材に変わるマテリアルはいっぱいあって、必ずしも絶対必要とまでは言えない。木の優位性は揺らいでいるのだ。それだけをレゾンデートルにするのは危険かもしれない。

が、木材だけに絞る必要はない。林床の草が産物になることもあれば、きのこ類の栽培も行う。木材と言っても、薪から始まる木質エネルギーかもしれない。

つまり、林業とは森林から何らかの産物を採取する産業ということになるだろう。そして森から収穫することは、もしかして人類が誕生してからずっと行ってきたことではないだろうか。

と、ここで大きく飛躍して人類史を考えてみよう。

なぜなら、人類は森から生まれたとされているからだ。いや、正確にはサルは森から生まれた
学説によれば、立体的で、食物となる果実や葉がたっぷりあり、敵がほとんどいない森の出現は、原始的霊長類を高等霊長類へと進化させた。生息域を樹幹層全体に広げ、しかも立体視できる視覚能力を身につけさせ、それが知能の発達へと導いた。

ところが、約1000万年前から気候の変動によって森林の減退が始まった。生息域を狭められかけたサルは、そこで森林後の草原へ進出する。それが二足歩行を生み出し、狩りをするサル、群れを作るサルを登場させ……とうとう類人猿を生み出し、さらに人類(猿人)へと進化の駒を進めるのである。

だからサル→人類は、最初、森林とは食料の調達する場所だったわけで、これこそが林業の始まりだったかもしれない。やがて樹木(木材)から道具を作ることを覚え、草原で発達した猿人は、再び森林へと再進出する者も現れる。

そしていつの頃から「火」を覚えて、燃料としての木、そして燃料調達としての林業を育て始める……。

このように考察(こじつけ?)すると、人類最古の生業こそが林業ということになる。おそらく植物を栽培する農業より古い営みであることは間違いない。

もしかしたら、林業を守りたいと思う心は、人類の出現に関わる記憶のなせる技かもしれない……(スゴイ、大風呂敷だ)。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

すみません。
その当時のことはあまり覚えていませんねぇ。

読んでいたら、くるっと回って一回転な気分になりました。

「林業」は人類にとって、深くて長いお付き合いだったんですね☆

知らなかったというか、気がついてなかったから、新鮮な驚きです。

もっとたくさん持っていますよねー。
大きな風呂敷♪

もっと広げて見せてくださいませー。

 もしかしたら、エネルギー調達元を抑えることが出来た人が地域を統括していたのかもしれませんね。

 林業はしばらく前までは当たり前で重要な生活資源生産の生業だったんでしょうね。ここ数十年で大きく変化した。
 我々日本人は大きな生活パターンの変化に耐えられるか。林業が生業であり続けることが出来るのか。それが必要なのか。
 私は、必要だと思うわけですが、それは本能なのでしょうか。
DNAに刷り込まれているのでしょうか。
 それだったらいいですよねえ。

あの当時のことを忘れちゃった人もいるみたいですけど、人類の誕生と発生の過程なんだから、よく思い出してくださいね(^o^)。
きっと、甦ります、あの記憶が。

林業は、食料調達であり、燃料調達であり、道具の素材調達であり、寝床(住居)の舞台であったのです。

歴史は、種の記憶です。歴史を忘れることは、記憶を失うことです。(なんか、思想家か宗教家みたいだ。)

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