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2011/02/12

ヤドリギ?

ゲホゲホ風邪で寝込みながら、ブログをアップしなければという使命感に燃える健気なボク。

というわけではないのだが、今日は軽く。

Photo_2 

この写真は、道後公園のサクラの木に見かけたもの。

葉のない枝に、緑黄色の葉が目につくのは、ヤドリギだろうか。

サクラには、ウメノキゴケもびっしりと着いており、樹勢が衰えていることを感じる。実際、手を延ばして枝に触ろうとすると折れてしまった。

ウメノキゴケもヤドリギも、決して宿主を痛めつける性質のものではなく、むしろ共生している面もあると聞くが、やはり相手が弱ったところに着生するのは事実。このサクラも何らかの原因で弱っているのだろう。

吉野山のサクラにも、これと同じ症状が出ている。全国的にサクラは危ないのかもしれない。

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コメント

まだ小さいヤドリギですね。

こんなヤドリギの下には
かわいらしいコビトのカップルが
出没するに違いありません。

サクラは樹齢に関わらず
全国的に弱っているのかしら?

ウメノキゴケやヤドリギの繁殖する条件とは、どうなっているのだろう。それを押さえないと全国的展開かわからないですね。

種子はコビトが運ぶのか……?

 吉野山の地衣類関係で行きついてしまったので、少し古いですが、書き込みご容赦を。

 ウメノキゴケなど地衣類は、胞子、或いは栄養繁殖です。樹木が弱ると(寿命が近くなると)、樹皮表面付近の再生能力は落ちますから、必然的にデコボコが多くなり、地衣類の胞子や粉芽、地衣体断片など繁殖体が付着しやすくなると推察されています。弱った木に地衣類が多く見られるのはこうした理由です。
 ただし、最近の研究では地衣類は他の菌に対しての抗菌性があるようで、ウメノキゴケが着生した樹木では、ナラタケなどの樹木への侵入に一定の防御壁の役割を果たすことも分かってきています(秋田県立大のゼミ生の卒論による私信)。また、広義の「虫」への食害を受けにくいことから何らかの忌避物質を出していることも推察されています。

 ヤドリギが折れたのは、ズバリ、たまたま弱った枝に付いてしまったからではないでしょうか。
 ヤドリギは半寄生植物で、光合成を行って生きています。水分や無機塩類をホストから得ることはあるでしょうが、菌類のように極端に栄養を吸い取るようなことは考えにくい。むしろ、冬季には多くの野鳥がヤドリギの実を大切な食料としているように生態系の中で重要な役割を担っています。落葉樹に付いたヤドリギは冬季には特に目立つので、悪者にされているのではないでしょうか?栄養の収支についての論文を探してみましたが適当なものが見あたりませんでした。収支関係を明らかにすれば分かると思います。

 吉野山のサクラは明治時代の絵はがきなどを見ると、問題になっている場所は大抵、田んぼや畑ですから、適地で無いところに植えてほったらかしにしただけのことだと思います。

吉野山のサクラ枯れの原因は、まだわからないそうですが、調査では「適地でないところに植えたから」だという意見が出ていると聞きました。その点は、ご指摘のとおりかもしれません。

でもウメノキゴケに抗菌性とかアレロパシーの可能性があるというのは興味深いです。
ヤドリギも、逆に養分を母樹に回しているという話も聞きました。

自然界には、イメージを逆転させることが多い(^^;)。

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