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森と林業と動物の本

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2011/03/23

需要と供給は、なぜつながらない?

昨日、一昨日と、「文化の森シンポジウム」に「伏状台杉の巨木」を紹介した。

前者は、木造文化財の修理に使う大径木の木などがない問題を扱っている。その話を後者の伏状台杉の山主さんにした。すると、意外な返事。

「いや、結構太い木はある。ところが、その山を持っている人は、『太くても引き合いがないから、伐って市場に出そうかと思っている。待てば待つほど材価が落ちていくから』というんだ」

驚いて、その情報を伝えれば、欲しがる所はあるのでは、と問うと、

「もう知っているはずですよ。だって何年か前に京都府が毎木調査に来ましたから。全部の木に番号振って場所も記録したはずです。」

毎木調査って、ようするに1本1本太さや高さを記録したってこと?  だったら、どの山にどんな木があるかデータベースになっているはずじゃないか! それなのに、なぜ注文が来ないのか。片やなくて困っている、片やあるのに売れない、これはマッチングミスだ。

意外と大径木の需要は少ないのか? 

「役人は、2、3年で配置転換になるでしょう。だから調べたデータをどこかに眠らせているんじゃないですか。次の人に引き継ぎをちゃんとしていないとか、しても次の人がその分野に興味がなかったら忘れて放置するだろうから」

う~ん、とうなってしまった。

なんか、どこかで起きている物資不足と買い占め、供給不安の構図と似ている。全体としては十分な量があるのに、適切なマッチングができないため、足りない、売れないと騒いでいる事態と……。

もちろん、本当の理由はわからない。マッチングしたものの求める材の条件に合わなかったのかもしれないし、木を求める人が府庁に問い合わせなかったのかもしれない。いや、そもそもデータベース自体がないのかもしれない。(毎木調査の目的は、まったく別のことに使うためだったとか。)

とはいえ、結局、モノは需要と供給だけではダメなのだ。その両者をつなぐ情報を含む流通がないと。見えないこの部分を軽んじると、単にビジネスとして成立しないだけでなく、資源の無駄と環境への悪影響さえ生み出しかねない。
林業関係は、とくにこの部分が弱い気がする。

※ちなみに伏状台杉は、根元は太くても、すぐ枝分かれしているから太い材は取れない。また材質も皮入りしていたり、内部が空洞のことが多いそうだ。それでも、根元部分は半径3メートルくらいあるから、たまにそこからすごい木目の役物が取れたりする。その家にも、そんな立派なテーブルがあった。

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コメント

情報を求めているところを見つけるのがまた大変なのでは、
京都府が情報を持っているという情報を外にだすことが必要ですね。

行政自体はそんな営業的なことはなかなかしないでしょう。
構わずに民間の関係者がリークすればいいんですよ。

えーと、情報共有の課題に現在対応中です。
今しばらくお時間いただければ、解決策を提供します。お約束します。

行政に出来ないことを、私たちNPOがやります。

文化財の修復となれば、必ず役所が関わってくるはずで、知らないでは済まないのですがねえ。

サウンドウッズさん、よろしく頼みますよ。

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