無料ブログはココログ

本の紹介

« 地面の傾きは…… | トップページ | 「緑は癒し」の理由は? »

2011/03/29

植物で「萌え」る

農耕を始めて人類はヒト(文化的動物)になった、という説がある。自ら食料の増産に成功したことによって、人はほかの動物と決定的に違うようになった、というのである。言い換えると、農耕の発明により人類は飢えから解放されて、人口の増加を可能にして、さらに文化を発達させたという。

だが、それに反論がある。食料増産のために農耕を始めたのではなく、植物を育てたことが結果的に食料増につながり、人口を増加させてしまった……いわば原因と結果が反対だというのだ。

実際、狩猟採集民族の調査によると、彼らは飢えることはなく、森などで十分な食料を得ている。また働く時間(食料調達時間)も短くて済むという。切羽詰まって食料増産方法を模索する必要はなかったらしい。

では、なぜ植物を育てたのか。

それは、快感だから……。植物が芽吹き、育つのを目にするのが楽しかったから。また、生長に自分がなんらかの手(水やりとか、耕作とか、移植、種まき……)を加わっていることに快感を感じたというのだ。

ここからは哲学問答みたいだが、私はわりとこの説が気に入っている。そう、植物の生長を目にするのは、人の脳内にドーパミンを増やすような刺激につながっているような気がするのだ。原始人類にとって、植物の生長にほんのわずか手を貸すことからスタートした気がする。

自分が目をかけた植物がよく育つ、そして実をつけて、「収穫」につながれば、もっと快感は大きくなっただろう。

そこで工夫して、より育つ方法を考えた。最初は周りの草を引き抜くだけだったのが、光を当てるといいことに経験から気づく。さらに種子をまくと、そこから「自分の」植物が生えることに気がつき、実行する。まくのも地表に落とすだけではななく、土を耕した方がよいことを覚える……。水をやる必要があることや、肥料に相当するものが存在することに気づく。そのうち剪定とか、間引きのような技術まで生み出す……。

こうして人類は、農耕を覚えた。すると食料も増えた。さらに増産に励む……。人は、快感を得るために、農耕を拡大したのだ。

P5210019

そうして文化が発達しヒト社会に広がった……。
この説に、私は一票投じたい(^o^)。

さて、今では農耕は農業という産業・仕事になり、食料増産に欠かせない。いや、派生して花を栽培したり、庭づくりをして景観を楽しんだりもする。さらには森づくりを求めるまでになった。だが、それらも根幹は快感を得るための植物の世話なのではないか。妙に理由付けしなくてもよい。植物と戯れるのが好きなのだ。

だが、意外とそのことを忘れてしまった人が多い。

今一度、植物を見て、触って、快感を取り戻さないか。
植物の萌えだす様子を体感するのは、文字通り「萌え」である。それは今風には「癒し」にもつながる。植物には、人類の心を癒し、快感を与える力を備えている。

時は春である。まさに木々が萌え、草が芽吹く季節となる。すでに各地で萌えが始まっている。少し遅れて東北にも春がやって来るだろう。
野に出て、植物の芽吹きを見つけよう。小さな草でもいい。コンクリートの狭間でもいい。葉のない木に徐々に膨らんだ芽でもよい。……きっと、気持ちよいと思うよ。それだけでいい。

P4160008

« 地面の傾きは…… | トップページ | 「緑は癒し」の理由は? »

森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

 確かに、山に行ってフキノトウを見つけるととてもうれしくなります。しかも食べられる(ちなみに、自分の山か、その山の所有者には採るよと言ってあります)。なおうれしい!

 もうじき、タラノ芽も出ます。山にいかなきゃ、行きたいとと思う季節ですね。
 施業の補助金の検査も好きです。伐採しているのに、活き活きとした感じを受けます。間伐後、1年か2年した山もいい感じがします。
 気のせいではないと思います。木の精かもしれません。

そうですよね、周りに緑や花々がなかったら寂しすぎます。

ヒトは「快」を求めるために、様々な工夫をしてココまできたんですね。

その中でも植物に触れることから得られるドーパミン量は半端ではないですよね。

私も一票投じます、寒さからそろそろ解放される今日この頃、今の気分にぴったりなお話でした^^

農業や林業、そして自然保全を論じると、理屈づけで難しくなりすぎるような気がします。

もっと、「美しいから!」「楽しいから!」ということを行動の原点にできないか、と思うんですけどね。美しさ、楽しさは「快感」であり、悲しさ、辛さは「不快」であると。
きっと植物に触れると、ドーパミンが出るのですよ。

ただ、辛さ、痛さを快感に変えるMチックな脳内物質も存在しますけどね(~_~;)。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36391/51250727

この記事へのトラックバック一覧です: 植物で「萌え」る:

« 地面の傾きは…… | トップページ | 「緑は癒し」の理由は? »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

森と林業と田舎