銘木と銘酒の町フォーラム(下)
さて、このフォーラムでは、土倉庄三郎のことも語られた。
「父が、庄三郎の息子とほぼ同じ年で、可愛がってもらっていた」住職(NPO法人芳水塾理事長)の話を聞いて、まだまだ拾っていない庄三郎のエピソードがあることを実感。もうすぐ、出版予定の本が私の手を離れるから、今度は土倉翁に全力を傾注しよう、と決意。
そして、私が感心したのは、会場に展示されていた写真類である。
大和上市(吉野町)は、かつて吉野川を流していた筏の中継点であり、加工所もあった。その写真がすごいのだ。
ここに紹介するのは、展示写真のスナップを拡大したものである。
これは、樽丸の材料である。かつて、ここが樽や桶の材料の一大生産地であったことが迫力を持って伝わる。
そして、その横を歩く男たちに注目してほしい。彼らは木馬を背負っているのではないか。足元は木馬道か。
この筏流しもびっくり。シルエットになっているが、どうも女性らしいのだ。 女性も、筏に乗っていたのか。
しかも、筏の上に積んでいるのは、おそらく樽丸だろう。筏そのものは丸太の運搬だが、その上も輸送手段だった。
なんと、子供も筏に乗っていた(笑)。
いや、遊んでいるのだろうけど、当時は大人の労働を目にして子供たちは育ったんだろうな。
それにしても、筏の丸太の太いこと。筏も幅が広いし、長いように感じる。
このところ、京都の大堰川(山国林業)の筏流しなどを知る機会が多いのだが、あちらの筏は小さい。川の水量が少ないこともあるが、出荷する木の太さが違うのだ。また丸太のつなぎ方も違っている。
一口に、林業とか筏流しとはどんなものだ、と言っても基本的な条件や技術が地域ごとに全部違っている。
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