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本の紹介

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2011/04/16

『森林異変』発刊!

『森林異変』(略称・『森ヘン』)が、発売された。

といっても、私はまだ書店で確認していないが(生駒の書店はなあ……)。ネット書店では注文を受け付け始めたようだ。
そして私の所にも、とりあえず注文した50冊が届く。これで、私も本格的に動ける。

まずは取材などでお世話になった人に贈らねばならぬ。数えると、結構な数になる。
もし複数冊をご希望なら、私の所から直接送ってもいいが、送料も時間もかかるので、できればサイドバーをクリックしてください。3冊以上だったら、送料無料で送れるかな。その代わりにサインつきにしよう(^○^)。

今だから記すが、今回はなかなかの難産だった。

最初、出版社側からまた森林関係の新たな動きをウォッチしませんかと打診があったとき、私は渋ったのだ。なぜなら、今の林業界は動きが早すぎるから。

当時、目についていたのは木材自給率の上昇とか、集約化施業とか新生産システムなどの新しい施策だった。しかし、始まったばかりで、今後どう展開するのか読みにくかった。
書籍は、私の場合、取材・執筆に半年近くかかる。そこから編集を通して刊行されるまでの時間を考えると、取材した内容が古びる心配をしていた。それほど、展開が早かったのだ。

私は林業界の変化を「森の時間、樹木の時間から、人の時間へ」と口にしていたが、ゆっくり進むジョギングのような林業界の動きが、いきなり全力疾走を始めたイメージがある。

私の書籍執筆に関するポリシーとしては、「10年後も新鮮に読める本」である。
とくに『森林からのニッポン再生』では、それを意識して、すぐに変わりそうな話題はなるべく避けて、森林・林業・山村の「基本のキ」を押さえ、そこから導かれる普遍的な意味を描くことに最大の力を注いだくらいだ。

それだけではない。内容が業界的で面白くないのだ。林業政策の変化の話とか、森林組合がどうたらとか、木材加工や建築の分野は、あまり一般読者の興味を引かない。ただでさえ狭い(^^;)私の読者層がさらに薄くなる。

最近、私は林業界ライター的になりかけていることを自戒していたので、あまり業界ネタは扱いたくない。だから、私は編集者に説明した上で「そんな話、売れんでしょう」と本を出すことを諦めるよう説得したほどだ。

それが心変わりしたのは、「前回は10年不変の本を書いたのだから、今度は『今』を切り取る仕事をしてもいいんじゃない?というへそ曲がり精神からだった(笑)。

常々、日本の政局や経済界の裏側をレポートしているようなジャーナリストを見て、「その時期だけ興味持つ人は多いだろうから本も売れるだろうけど、3年前の総理大臣の名前もすぐに出てこない時代なんだから、あっと言う間にその本も忘れられるよな」と斜交いに見ていた。そんな本書きたくないや……。

だが、その手の本も、忘れられていく現代政治の動きを切り取り記録することで、将来的な政治史を描く資料にもなるのかもしれないと、またもやへそ曲がりに考えた(^^;)。そして、私も「現代の林業界の動きを記録しつつ、昔から今までを総括してもよいのではないかと心変わりしたのである。

問題は、面白く書けるか、だ。さもないと、「今」も売れない(^^;)。一般読者が興味を持つ視点を押さえねばならない。

最初は、『だれが日本の「森」を殺すのか』の路線を考えたが、この本は木材・建築業界に偏っていた。一方で、これまで描いてきた林業は、森林・山村側に寄り添っている。どちらかと言えば森づくりから伐採までだ。

すると、抜け落ちていたのは伐採後から製材までの間だと気がついた。それこそ、新生産システムを含む、今大きく変動している分野だ。木材流通というもっとも地味な世界。よし、ここを中心に置こう。

そこを、いかに一般読者に通じる言葉で描けるかが、腕の見せ所だ。かくして悪戦苦闘の末に書き上げたのである。正直、最初のうちに書いた原稿のかなりの部分は捨てた。

さあ、その試みが成功しているかどうかは、読者の皆さんの判断を仰がないといけない。

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コメント

なんと。
へそ曲がりと、心変わりと、悪戦苦闘を経て
世に出た本なのですね。

心して読みます。
(いや、多分ふつうに読みます)

フツーに読んでください(^○^)。

でも、早く読んでね。変化の速度は早いからねえ。さきほど森林法も改正されて、すでに執筆の時から違いが現れている。

先ほど、帰りに書店にて発見&捕獲完了しました!(^^)
じっくり読んでいこうと思っています~(^^)

「捕獲」しましたか~!

実は、私も本屋で発見。ただし、1冊だけ……。

実は、その店の「森ヘン」、買い占めました!!
・・・いや、発見時、一冊だけでしたが(爆)
でも、なんにせよ、一軒の本屋で「即完売」というのは、
どうなんでしょう?書店から版元へ「いい印象」には
なるのでしょうか?(^^;)
(一応、地域一番の書店ネットワークの大き目の支店でした。
傘下数40店舗超えの書店の一店です)

新刊なのに平積みにならないのは、寂しいことです……(-.-)。

春を迎え、本来は山歩き森歩きのシーズンで、毎年この時期はそうした自然系の本が並ぶのです。おそらく編集子も、それを見込んでの刊行だったのでしょう。
が、今春は、そんな気分も飛んでしまいましたからねえ……。

本日貴重な一冊が届きました。
早速、付箋紙のページへ・・・

「モリヘン」は「ジミヘン」みたいで、
意外とかっこいいと思います。

地味~に売っていきます(^^;)。

今年は、書店も森林フェアしないかもなあ。

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