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2011/05/17

荻氏講演・小丸太と空気売り

土曜日にあった荻大陸・成美大学教授の「国産材が進むべき道」講演。

いくつもポイントがあるのだが、まず過去の部分。

ここでは戦後の木材バブル時に木材産業が行った阿漕なビジネスが紹介される。いわゆる部切れ材、空気売りなどである。これは拙著『森林異変』の第一章でも紹介した点だが、ようするに製材品の寸法などが出鱈目であることを指す。

その証拠として上げられるのが、このデータだ。

Photo_2
大分県の日田の製材工場における歩留りを示しているが、軒並み100%を越えている。製材して製材前より材積が増えるなんて……。

結局、寸法を騙して「空気」を売っているから、歩留り100%以上になるのだ。

Photo
その結果?として、価格は柱材などより、細い小丸太(直径3~9センチ『の方が高くなる。製材したら空気を膨らませて材積を増やせる部分が多いから、儲かるためだ。

……ということを示していた。

この表は、私も『森ヘン』で紹介したものである。その原典は、荻氏の『国産材はなぜ売れなかったのか』だから、当然だ。

ただ、実は講演会が終えてから小径木を加工している業者の人と一緒に飲食したのだが、そこでちょっと違った意見を聞いた。

というのは、杭にするような小丸太は、材積で購入するのではなく、本数単位だというのだ。細い丸太を扱うのは、手間がかかるので、材積では計算しない。また角材にするのではなく、杭は丸太のまま先を尖らす。
たとえば直径9センチの小丸太を1本50円というように。これを1立方メートルに換算するから、えらく高くなるのだ。

だから、単純にごまかしのための「空気売り」ではなく、販売方法が違うことから生まれた価格の逆転だという。だから今でも、小丸太は比較的材積換算では高いらしい。

う~ん、これは目からウロコだ。もちろん、それにしたって小丸太が柱材用や中目丸太より2倍近く高いというのはオカシイと思うが、ちょっと補足説明がいるな。

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コメント

郡上の市場では、たいてい9センチ以下の小径木は一本売りです。
平均300円/本。(1/(0.09×0.09×4))*300=9260(円/立米)

6センチ、4mも300円の場合もあるので、そうなると
立米単価2万円超えますね。

おお、1本300円ですか。結構、するものですね。
ただ材積は、やはり直径の二乗に長さで計算か。ここに「空気」が入ることになる。
つまり、今でも小丸太は柱用丸太より高いことになります。


4メートルと長いから3本に分けると、1本100円か。これを杭にすると……なかなかよい商売になるかも(^-^)。杭需要が十分にあるのなら、小丸太は有利な商品かもしれません。

地元では、小径丸太のことを「ポンタン」と呼びます。一本(ポン)単価(タン)で売るからだと思われます。
やはり、200~300円ってとこですね。
材積計算はこちらももちろん、『直径2乗方式』ですよ。
地元の大先輩たちは、「ポンタン」を山に捨ててきます。僕にも、そのほうがいいよ、とアドバイスくれます。でも僕は、一緒に出してしまいますが・・・

”捨てる”理由は、”売れない(売れても赤字)”ということでしょうか?そして、doppoさんの”出す”というのは、”売れる(赤字にはならない=くれる)”ということでしょうか?

小径木でも出すようになった理由には、プロセッサの導入もあるでしょうね。
これまでの手造材だと、6センチの4m材なんて手間考えると枝をうつ気にもならない。

プロセッサの導入で枝払いが楽になったという説は、なかなかうなずけますね。ほかの材と一緒にすれば、儲けは薄くとも出すコストはコミになるし。

林業家の中には、昔の大儲けした時代の夢を追って、小さくコツコツ利益を上げることを面倒がる人がいますね。
ドンと大木出すのが自慢で、小丸太は面倒だとか……。そこから変えていかないといけない。

つうくんさんのおっしゃる通りです。
僕はなるべく全幹で集材し、ハーベスタで造材するシステムを採用しています。
ですから、「ポンタン」だけでは赤字でしょうが、元玉と混ぜて運搬すれば手間はほとんど変わらず、出材立米数は伸びることになります。
最近は、元玉の曲がり部分を2メートル(ケンタ)で採材し、ウラの方は10センチ前後の4メートルで造材し終われるようにしています。そうすると、林内に残るのは枝葉とほんとの先っちょだけになり、現場がすっきりした感じになります。
ただ、元の曲がりとウラの小径部分を山に捨てた場合との比較を精査したわけではありませんのであしからず・・・

「木材の価値の9割は、造材で決まる」
荻氏の言葉です。

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