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2011/05/28

震災瓦礫をバイオコークスに?

我が母校、静岡大学が、震災で出た瓦礫を燃料にする技術を開発した、と発表している。

津波により海水に浸り、塩分を含んだ建築廃材や畳、それにプラスチックなどの瓦礫を、石炭並みの発熱量を持つ粉末燃料に変換する技術を開発したというのだ。それによって、悪臭も消えるし、粉末なので保管もできる燃料となる。

http://www.at-s.com/news/detail/100031574.html

これって、もしかしてバイオコークス

今、バイオコークスが注目されている。これはバイオマス(木質のほか、草や食品残差まで)を高温・高圧を加えることによって、石炭コークスのような燃料にしたものだ。

石炭コークスは、製鉄などに欠かせない燃料だが、それの代替にしようという構想である。バイオ由来ならCO2もださないことになるし、需要は確実にあるし、ゴミを減らせるし……と夢のような話になっている。

ところで、このバイオコークス技術を開発したのは、実は近畿大学理工学部。生駒山の大阪側にある。実験プラントは北海道の下川町に作ったらしい。

そして、日本で初のバイオコークス製造工場は、高槻市の大阪府森林組合が建設した。

さらに生駒山の木をバイオコークスの材料にしようという計画も進んでいて……。

なんか、私に関わりのあるところでバイオコークスが動いているのだ。

まあ、正直私には、製造過程で使う高温高圧のエネルギーは、バイオコークスの熱量を上回るの? とか、価格が石炭よりも高ければ使ってもらえないだろうし、プラントを起動するには、原料を安定供給しなければならないけど、それが可能なの? そのコストは? などと疑問はいっぱいなのだが、ともあれ注目しよう。

震災瓦礫の片づけだと言えば、コスト度外視でやるかもしれないしなあ。そうしたら、大阪のバイオコークスはどうするのだろう……。

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コメント

確かにこの手の生産物の利用は常に「安定供給」との戦いですね。でも少なくとも海外から燃やすためだけにバージンな木材を輸入するよしか絶対に良いですヨ。

名古屋のお言葉書家・名畑雅彦さんの小さな色紙
「先の先まで心配するから今やることに手がつかん。」
当工房の三帖の事務所に立てかけてあります。

静岡大学も近畿大学も以前からの研究~開発。
行き詰まりそうな報道が渦巻くなかでのこの情報は、
一石二鳥が可能。どちらも頼もしいです。
ありがとうございます。

将来を見据える、と、杞憂という言葉の間はどこにあるでしょう(笑)。

でも、ある程度の希望(もしくは心配)があるなら、動き出すべきだと思います。「科学」では、確実な答を出してから動くのだろうけど、「政策」では、動かず、じっとしていることが無為無策(もしくは危険)なこともある。

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