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2011/05/23

雑木の床板~資源不足と未利用資源

話を北海道にもどすが、ある会場とのトークで、木工家が質問した。

家具づくりに使うミズナラなど広葉樹材がなくなってきている。今から植えて育てても、使えるようになるまで300年はかかる……。どうすればいいか。

なるほど、建築材のスギやヒノキ、カラマツなどは余っていて、もっと国産材を使おうよ、と木づかい運動も起こされているのだが、木工用の多くは広葉樹材(ミズナラやケヤキなど)で、天然モノが大半を占める。これが乱伐で足りなくなってきているのは事実だ。

そして、これらの木は生長が遅いし、また使えるようになるには大木にならないと難しいので、植えても300年はかかるだろう。では、打つ手はないのか?

しかし、私には広葉樹材があふれているように思うのである。というのは、主に本州以南だが、雑木林でコナラやクヌギが大木となって眠っているからだ。根回り2メートルを越えるようなものも珍しくない。ところが、それらは材として利用されることなく、寿命が来て立ち枯れるか、最近はカシノナガキクイムシの餌食になっている。

コナラの材は、決して悪くない。これは取材もしたが、ミズナラと間違える人もいる……というより、ミズナラだと騙して出荷することもあったそうだ。もちろん、それなりのクセはあって、完全にミズナラと同じように使えないだろうが、逆にコナラの特性を活かした木工も可能だろう。

つまり、足りない資源を憂えるよりも、未利用資源を活かすことを考えた方が現実的だ。

……というような回答をした。

ところが、翌日の集会で知り合った物林株式会社の人と話していると、この会社、なんと雑木でフローリング材を生産・出荷しているそうだ。技術的にはできるはず、と私は力説していたが、すでに生産・販売しているとは知らなかった。

その名も、里山フローリング

樹種には、クルミ、ナラ、ハン、セン、それにシラカバも多いそうだ。これまで割り箸以外に使えないと言っていたシラカバ材が、しっかりボードになっているのだ。しかも材木産地証明書を添付するという。

もちろん、雑木を使うから色はバラバラだったり節も多いらしい。が、それを気にしない施主もいるし、そもそもカーペットなどを床に張ることも多いから見えなかったりする。

未利用資源を資源化する。この視点は、地味ながら進んでいるようだ。

この視点、もっと広く応用できないか。木材だけでなく、モノだけでなく。

それから、物林という会社、ちょっと面白い。その沿革からして。ちょびっと、土倉庄三郎と絡んでいるし(^o^)。

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コメント

道産のミズナラはかつては欧州へ輸出してましたよね。
雑木はたしかに良さそうですが、問題は備蓄(安定供給)量。
林業に詳しい人には解からないでしょうが、森林ジャーナリストならご存知かも?

国産材、少なくとも自分の生きている間は一番安定して入荷可能な材なのですが、銘建工業さんにとっては安定供給が無い。

そう、ミズナラは欧州に家具材として輸出していたんですが、その中にコナラが混ざっていたそうですよ(^o^)。

雑木の潜在供給量は、十分あると思います。家具・内装材などに使う量はそれほど多くないし。ただ安定供給のルートを作れるかどうかは課題でしょうね。
所有者が小規模分散だし、伐採搬出の手間をかける業者がいるか、そして取引の市場……。でも、小規模に広げて価値を認識させていけば、きっと可能だと思います。
銘建工業?は???だけど。

そう、グレードの高い良材は確実に枯渇へ向かっています。
しかし、手に入る材で作れる物、工法を考えていくことも大切。
二度と手に入らない銘木を追い求めて、
高度な技術で美術工芸品的なモノづくりを
継承して行くことも大切ですが。

もっと杉や桧を利用しないとね。

 少し前に10年前の風倒木処理の書類が出てきまして、ミズナラを販売したものでしたが、今担当している私からすると信じられない価格で取引されていました。
 衝撃を受けました。

未利用資源の価値を知らないと、いかなる素材も二束三文の値段になってしまいます。逆に知っていたら、安く買い取って、高く転売することも……(⌒ー⌒)。
その意味からは、ビジネスチャンスですね。

拡大造林地から出てくる材を「あいちの木で家をつくる会」は本年度からの三本柱の一つとして「新しい資源」「未利用資源」と位置づけて利用方法を模索します。

あと、本題の問題の一つですが、ドングリの生る巨木を伐採・・・
目くじら立てるお方が居そうです・・・

雑木林にも少子高齢化問題が進んでいるのだよ、と、
ドングリのなる巨木を残しておくことで森全体の生態系にどんな影響が出るか……と説明しても、通じないでしょうね(^^;)。

伐った後の森が、どれほど美しくなるか、実践あるのみでしょうか。

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