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森と林業と田舎の本

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2011/05/25

私が森林ジャーナリストになった理由

来月の講演予定地から案内原稿が送られてきて、そこに私のプロフィールが載せられた。

が、「1957年 東京生まれ。 1979年 日本大学法学部卒業。(株)紙パルプ会館に入社。 2007年(株)紙パルプ会館常務取締役に就任。」というのは、どう見ても私じゃない。

そう、銀座のミツバチプロジェクトの人である。私が法学部卒業だとねえ。でも紙パルプというのは、そこはかとなく林業につながりがあるような気もする……(^^;)。

同姓同名だと、こうした混乱も起きるだなあ(~_~;)。

実は昨夜、某研究機関の某氏と打ち合わせと称する飲み会、もとい、飲み会を兼ねた打ち合わせを行った。そこで、なぜ私が森林ジャーナリストになったのか、と問われた。林学科出身なら、研究職は考えなかったのか、と。

いや、考えましたよ。とりあえず林学をやっていても、就職口としての林業はほとんど閉ざされている(当時は、閉ざされていた)。となると、公務員としての林業職か、研究部門は数少ない選択肢。公務員としての研究職なら、文句ない。とくに当時は、石油ショック以後の大不況で、民間企業はほぼ無理だ。

事実、同級生の多くは、そのコースを選んでいる。

が、私はそのコースを選ばなかった。その理由は、モラトリアムのように大学院に進むのがイヤだったこと。また進むには頭の中がついてこなかったこと。すでに留年していたこと……などがある。が、同時に狭い分野を深く極める研究分野に自分が向いていないことをなんとなく悟っていた気がする。

そこで、いきなり方向転換して、マスコミをめざす。

アチコチ飛び回って調査するイメージに憧れた面もある。大学時代に行ったボルネオ探検を「蛍雪時代」に記事して載りお金をもらった記憶も、これが仕事になるんだと感じたきっかけでもある。ある意味、探検の延長としてのマスコミであった。

とはいえ、ようやくもぐり込んだ世界では、企業記事や店記事なんぞを書くのが精一杯で、あまり楽しくはなかった。その後、バブルに踊る業界に見切りをつけてフリーになり、手がける分野としてトラベルものや、アウトドアものに絞り込んでいく。

そこでわかってきた自分の実力がある。

幅広いテーマを扱う記者には向いていないみたい。
同時に、自分の取材力にも疑問符がついてくる。
とうやら、瞬発的に現場を走り回るような記者は向いていないみたい。
実は、人見知りするんです(^^;)。他人と向き合ってズカズカと話聞くの苦手かも。
むしろ文献あさったり、データとにらめっこして考える孤独な作業も楽しいなあ、と。

研究よりは、そこそこ範囲が広く、
雑文ライターよりは範囲が絞られていて、
あんまり体力勝負・度胸勝負の取材はせずに、
沈思黙考のひきこもり生活にも憧れて、
でも、野外に出るのは好き。一人で森を歩いてセラピー(笑)になる仕事。

その中途半端な選択が、森林ジャーナリストだったのかもしれないなあ。

と、妙に回顧じみたのであった。

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コメント

森林ジャーナリスト誕生秘話その1ですねー。
(勝手に「その1」をつけてみる)

森を一人で歩いて遭難しかける日常が
必要なのですね。(あ。違うし)

道なき道を歩いていたら
道になっていた。。ふふふ。
「その2」を期待。

(あれ、寝たんじゃなかったの?)

いや、その、今回はネタではなく、昨夜の酒席話をなんとなく反芻していただけなんだけど……。

でも、まあ、今日書いた原稿は、「山を歩いて遭難するのが楽しい」てな書き出しだったんだが(笑)。

「その2」かあ。またプロフィール間違われたらね(^^;)。

人に歴史あり!ですね。

木材コーディネーター養成講座ならぬ、森林ジャーナリスト養成講座を開くと、受講生が集まると思います。

あなたも森林ジャーナリストになれる! と募集して、聴講料で稼ぐか……。

でも、もし森林ジャーナリストが増えたら「日本唯一にして、日本一の森林ジャーナリストです」と自己紹介できなくなるなあ。

家元制にして、お免状で稼ぐという手も。

そのうち元祖と本家で争いが始まる(笑)。

その前に生徒がいるのかねえ。
私が森林ジャーナリストを名乗り始めて10年くらいはたつと思うけど、いまだに次が現れないのは、ようするに需要が一人分しかないからではないかと。

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