コンテナ苗
ちょっと、今日は(今日も?)飲んでいるので、しっかり考えて書けないのだが……。
荻氏の講演会で気になったこと。゛
木材価格が上がらない以上、コスト削減に励まないといけないのだが、伐採や搬出に関しては集約化と機械化によって試みが続けられている。ただ、十分な効果が出ているとは言えないのが現実だろう。
そこで、もう一つのコスト、育林コストが上がってくる。とく再造林を考えると重要だ。
荻先生が紹介したのは、コンテナ苗だ。すでに森林総研で開発されたのに、日本では採用されず、東南アジアで活躍しているということだが……。
私も小耳には挟んでいるが、よくわからない。コンテナ……というほど大袈裟ではなく、ようするにポット苗の小さなものと思えばいいのだろう。
なるほど、これらなら活着率は高まるだろうな、とは思った。しかし、どのように植えつけコスト削減になるのかわからない。植えてからの世話(下刈りや、徐伐など)が少なく済むのか。それもわからない。枯れにくいから補植は少なくて済むだろうな、とは思う。ただし、獣害にあえば絶滅だが。
まさに田植機のような機械で山肌に植林するわけではあるまい。
このコンテナ苗が、コスト削減になるわけを、誰か教えてくれ。
私も、お酒が抜けたら、考えるからさあ~。
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ま、植え付けはいわゆる「ひと鍬植え」でできるので、工程は上がりますが、それよりも、真夏でも活着するので(昨年の私たちの試験では8月上旬植栽でも100%活着)、植栽労務の時期的集中が避けられるというメリットのほうが大きいでしょうね。
ただし、土もつけて運ばなければならないということになるので、車から植栽場所までの小運搬の工程は落ちます。
高密路網での低コスト搬出をした跡地でなら作業路から近く、小運搬のハンディは克服できるでしょう。
投稿: nagai | 2011/05/19 05:22
田中様
コンテナ苗がコスト削減につながるかわかりませんが、コンテナ苗を使わない話は、聞いたことがあります。
その方は、苗を入れるポットに問題があると話していました。
容積の小さなポットは、根が育ちだすと容器の当たって回転してしまうそうです。
「三つ子の魂」ってやつですね。
その苗を植えて育っても、根が回転する癖がでて、地中では、十分に根が広がらないで倒れ易くなるそうです。
伐根には、コスト削減になりますけど・・・
投稿: 海杉 | 2011/05/19 07:21
ようやく酔いは覚めたのだけど、ちょっと野暮用ができて、まだ頭が働いていません(~_~;)。
やはり植える手間コストが削減できるというより、活着率の高さがポイントかもしれませんね。
でも、根の問題はどうなっているのだろう。おそらく研究は行われているはずだけど……。
投稿: 田中淳夫 | 2011/05/19 23:28
田中様
コンテナ苗の根の話ですが、私の地元で田中様が取材した人と言えば、お判りになると思います。伐根した木をきれいに洗って吊るして展示してあり、渦を巻いた根を見せていただきました。
担当の方もこれから研究しなければ・・・と言っていた記憶があります。あまり進んでいないのではないでしょか?
投稿: 海杉 | 2011/05/20 07:49
コンテナ苗はポット苗とは全く別のものです。
とりあえず
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/zoki/planting/seedlings-j.html
をご覧ください。
根の旋回はコンテナ内面のリブで防止されます。
また、培地は土壌ではなく籾殻やココナツハスクなどを用いるのが適切です。
投稿: | 2011/05/20 10:56
ご指摘の森林総研のHPは読んでいます。
ただコスト削減の理由はよくわからなかったのです。
ツイッターの方では、筒状の植栽道具を使うことで、非常に簡便に植えられるから…という回答が寄せられているのですが。
ともあれ、もし低コストで大量植栽が可能なのならば、今後来るであろう(来なければならない)大再造林時代に対応できるのですが。獣害を防ぐ方法G考え出さないといけませんが。
投稿: 田中淳夫 | 2011/05/20 16:14
遅いコメントで申し訳ありません。
実際に東南アジアでコンテナ苗による植林を進めた経験等から申し上げれば、コンテナ苗の利点の第一は優良な根系による高い活着率と良好な成長にあり、コスト削減は二の次でした。
とはいうものの、コスト面でも次のような利点はあります。
○ 植え付け労力の大幅軽減。1人1日1000本は楽にいけます。ただし、コンテナ苗の運搬はちと手間がかかるので、林地横まで車道(フォワーダ道でも可)がないとダメです。なお「筒状の植栽道具」は北欧等の小さなコンテナ苗(コンテナ容量が60~90ccとヤクルト並)なら使えますが、スギ・ヒノキは無理でしょう。
○ 良好な成長による下刈り労力の軽減。日本ではよくわかりませんが、例えば4年で下刈りが終わるとか、そういうことが期待できます。
○ 裸苗と違い根系が活きた状態で植え付けできるので、植え付け時期を選ばないという利点。労力の絶対量が減るのではなく、一年を通じた労力投入のスケジューリングの中である程度の泳ぎが可能となります。とはいうものの、日本の積雪地では倒伏があるので秋植えは止めた方がよさそうです。どちらかといえば春~夏にかけて植える方が適切と思います。
投稿: | 2011/05/31 10:11
やはり直接開発・実践された方でしたか。
たしかにコスト削減を重視するべき苗ではないと感じます。
しかし一人1000本/日ですか。ちょっとすごいなあ。植えるのは鍬を使うのでしょうか。吉野の一鍬植えもよりも早い。
下刈りが軽減されるほど生長がよいというのはどうかな。
獣害対策に有効なツリーシェルターも、本来は生長促進だったことと似ている気が……。
投稿: 田中淳夫 | 2011/06/01 00:17