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2011/06/05

世界環境デーだって

6月5日は、「世界環境デー」なのだそうだ。

おかげで各新聞が、いろいろと特集記事やら全面広告を展開している。
いずれも震災・原発事故に関連させたり、国際森林年であることを意識して森に関することを取り上げているものが多いように感じる。

それ自体は結構なことなのだが、朝日新聞の記事にはひと言。

「未来のために今できること」というタイトルの元、〔森林守る〕コーナーに3本の記事。

一つは「間伐材が世界を救う」。

ここでは、世界中で森林が減っているのだから、間伐材を使うことで森林伐採を減らそうという趣旨のことを記している。
が、ここで「日本も輸入大国の一つ」で、「国内で必要な木材の4分の3を海外に頼っている」として、その理由をまたもや「輸入が確安なため」「安い輸入材」を国産材を使わない理由にしているのだ。あきあきする(ーー;)。

本当に輸入材が安いか、裏を取りたまえ。確安(格安ではなく,この漢字使うの?)の根拠を示してほしい。しかも、そのために「林業に携わる人が減って手が入らない山がほとんど」というのもオカシイ。手が入っていない山は「ほとんど」という割合か? 半分行くか行かないかだと思うが。いや放置して荒れてしまうのは、さらに少ないはず。

しかも、「燃料などの用途の拡大がカギを握っている」というのもなあ。

そもそもこの記事では、間伐材は使わず切り捨てるものと位置づけていて、それをなんとかしようという論調だけど、本来間伐材とは使うものでしょうが。

二つ目の「おいしい水は健康な森から」。

早稲田大学の教授の言葉として「地中に広がる木の根が土を柔らかくし、水がたまりやすくなるんだ」という言葉は少し??だ。
根が枯れて腐食したら空洞ができて、土は柔らかくなるだろうけど。根から吸収する水のことは考えていないかな? 
本当に本人の言葉どおりなのだろうか。

そして三つ目。「地元スギで仮設住宅」。

これは言うまでもなく、岩手県住田町の話である。が、ちょっと問題なのは、
「93棟の建設費など約3億円は、森の再生プロジェクトを手がけている社団法人「モア・ツゥリーズ」(東京)が出した。」と過去形にしていることだ。

一般社団法人more treesをこんな表記にするのかどうかはともかく、ポンと3億円出したように書いてはいけないでしょう。3億円めざして現在寄付を集めている最中なのだから。ちなみに本日までに集まったのは2092万円あまり。まだまだ目標には遠いのだ。これでは、お金持ちの団体に見えて寄付が集まらなくなるよ。

いずれにしても、詰めの甘い記事3連発であった。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

田中さん、こんにちは。

more treesの水谷です。
3つ目の記事の「当事者」として、御礼申し上げます m(-_-)m

ホントに、我々も草の根で集めている真っ最中ですので、まさにご指摘いただいてありがとうございます!

決してポンと3億円だせるほどの裕福な団体でないのですが、どうもそのように映ってしまうんでしょうかね。。。
実際はかなり地をはいつくばってドブ板営業したりしてるんですけどね(^^;)

マスコミにもきちんと理解してもらいながら書いてもらえるように努力します(汗)

P.S. ソトコトのQ&A、分かりやすかったです

水谷さん自らお出ましになりましたか(笑)。
記者は、どのようなスタンスで取材したんですかね。記事広告だからと軽く考えていたのか?

more treesの理事長が有名人だから、お金持ちに見えてしまうのでしょうかねえ。
ともあれ目標に達するよう頑張ってください。何か注目される仕掛けが必要かもしれない。

山口帰りのあがたしです.新神戸~西明石間あたりで車窓の植生ががらりと変わるのはいつ見ても面白いですね.

>早稲田大学の教授の言葉として「地中に広が
>る木の根が土を柔らかくし、水がたまりやすく
>なるんだ」という言葉は少し??だ。

新聞をとっていないのでわかりませんが,かぎかっこ内は原文通りでしょうか?だとしたら少しどころかかなり「??」ですね.森林水文学の専門でない人に聞いたのでしょう(まさかあの人やあの人じゃないよな…と固有名詞を出して不安に思っているところではあるけど).すくなくとも「パイプ」の概念を知っていればいくらなんでも「木の根」に限定しやしないでしょう.

むしろ,足尾を例に出して森がなければどんなにひどい土壌流出になるかを「トータルとしての樹木の働き」として訴えたり,恩田さん(筑波大)の研究を引き合いに出して鬱閉ヒノキ林の土壌劣化を持ち出したりするもんなんですけどねぇ.

>本当に本人の言葉どおりなのだろうか。

いや,まったくそう思います.田中さんの本文を読むと記者・デスクの能力に疑いを感じざるをえないですけどね.

このブログを拝見して昨日の朝日紙面(未来のために~・・・」を確認した次第で・・・
でも先にここを読んでて良かったです。素人の自分から見ても、確かに「物言い」に近い内容が満載ですね。
全面広告でしたら広告主に物言い・・・?

ところで、友人からのメールで知ったのは、こちらは「中日新聞」の同日付の「Viva地球!」と題された見開き2ページに渡る広告。
(企画・製作 中日新聞広告局とありますので広告でしょう)
虫眼鏡でないと確認出来ないくらい小さく「6月5日は世界環境デー」・・・でバーンと大きくサブタイトル【2011・国際森林年】とありました。

こちらは、個人的にうれしい内容が満載でした。地方紙なのが残念。

2つ目の記事のコメントは、記事から正確に引用しています。が、教授(一応、専門は森林生態学)の言葉を正確に写したとは思いにくいので、匿名にしておきます(~_~;)。

ただ記事は、書名原稿なんですね。2人の名前が並んでいる。誰がどの記事を書いたかどうかはわからないけど、外注ではなく内部の記者が書いたようです。記事広告だからと、手を抜いたかな、それとも最初からこのレベル……(~_~;)。

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