日欧のEPA協議
最近の政治……というより政局には嫌悪感を抱くのだが、6月といえば、TPPに対する意見をとりまとめる期限ではなかったっけ、と気づいた。
震災の「おかげ」で、この議論は吹っ飛んでしまい、ほぼ放置状態のようだが、その代わりに? EUとEPAの事前交渉協議が始まっている。このこと、ほとんど注目浴びていないねえ。
そもそもEPAのことを知っているのだろうか。EPAの訳語は、経済連携協定だそう。
もっとも、その前にFTA(自由貿易協定)がある。これは「特定の2カ国もしくは地域・複数国間で関税撤廃や数量制限などの貿易障壁を取り除く協定」と言えるだろう。
そのFTAに人の移動、知的財産権の保護、投資、競争政策などの分野を加えて幅広くしたのが、EPAと思えばいい。
TPPは、環太平洋経済連携協定。こちらは環太平洋という地域限定(9か国)のEPAと考えるとわかりやすいと思うが、すべての関税撤廃を掲げている。そして「例外を認めない」という色彩が強いと思う。しかもアメリカ入りの複数国間だから、全面開放に近い。
日欧のEPA交渉は、日本が望んで持ちかけたことだ。EUは乗り気でなかった、とも言われる。主な議題も、工業、サービス業や投資関連に なるのではないか。
だが、ヨーロッパもなかなかの農業国家が揃っているのだし、食品関連業は大きい。なぜ日本の農業団体は、TPPのような猛烈な反対運動を起こさないのだろう。
まあ、全然EPAについてわかっていないのかもしれない(~_~;)。
以前、FTA<EPA<TPP という図式を披露したことがあるが、案外、政府はTPPがうまくいかないならEPAで、と思いかけているのかもしれない。
まあ、私は各国別で例外規定も設けやすいFTA、EPAの方が日本に向いていると思っていたので、反対はしないけどさ。TPP<拡大WTO にならない前に実を取るべきだ。
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「トモダチ作戦」には心から感謝しますが、
実質日米の2国間貿易に関する協定ともいう
TPPは別問題ですよね。
投稿: スポット | 2011/06/02 09:51
TPPは筋が悪い(~_~;)。
もともとアジア(東太平洋)の協定だったのにアメリカが割り込んだ感じ。
投稿: 田中淳夫 | 2011/06/02 10:33