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2011/07/07

木材自給率、頭打ち?

昨年度の木材需要動向が発表された。

それによると、毎年伸び続けてきた木材自給率が、ついに頭打ち。1,8ポイント下げて、26.0%となった。

平成12年に、18,2%からいきなり20,0%に跳ね上がったことから始まった、木材自給率の回復は、昨年の27,8%という高い数値から、一転落ち込んだ。

もっとも中身を見ると、総需要量は7025万3000立方メートルと、前年比で11.1%も増加している。国内生産量も1823万6000立方メートルと、こちらも前年に比べて3.7%の増だ。
一方、木材輸入量は、5201万8000立方メートル。前年に比べ14.0%の増である。つまり、国産材より輸入量の方が多かった。

また経済動向からみると、すべてにおいて拡大基調なのだ。

製材用材の総需要量は、7.9%増加
パルプ・チップ用材の総需要量は、11.5%増加
合板用材の総需要量は、17.1%増加
その他用材の総需要量は、17.4%増加

なんか、景気が回復しているように思えてしまう。

自給率が落ちたのは、国内生産量を上回るほど輸入量が増加したからにほかならない。木造住宅の新設着工戸数や、紙の生産量が増加したからである。景気の悪さを感じていたが、数字は違う。

なぜ輸入量が増えたかと考えると、やはり円高が進んで価格が下落したことが大きいと思う。加えて国産材の増産体制が間に合わなかったのではないか。

実は、昨年は今年と正反対のことが起きていた。リーマン・ショック後の需要落ち込みに対して、外材はより大きく急減した(対前年比18.9%減)のに、国産材の落ち幅は少なかった(同6.1%減)。それは大口需要先の契約の形式とか、国産材指向などのおかげだろう。
結局、数字のトリックによって自給率が3,8%も急伸して、27,8%になった。

ところが今年は逆転して、国産材生産量は増えたものの、木材自給率は下がったのである。

こうして見ると、木材自給率50%という森林林業再生プランの目標も怪しげなものに見えてくる。

ちなみに来年は……震災の影響で国産材の生産量がどうなるかがカギだろうね。

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コメント

>ちなみに来年は……震災の影響で国産材の生産量がどうなるかがカギだろうね。

田中さんならご存知のとおり,あがたしはスポーツクライミングの大会役員をやっています.この競技は選手が登る壁が当然ながら必要なのですが,贅沢な場合はFRP,普通の場合はコンパネで作ります.

その壁を作る業者から聞いた話ですが,3.11直後に市場からコンパネが姿を消したことです.どこかの業者が仮設住宅用に大量に買い占めたとのことでした.

伝聞なので信ぴょう性はわかりませんが,そういうこともあるのかなと思いました.

ところでああいうコンパネ,国産材なんでしょうか輸入材なんでしょうか.

コンパネはわかりませんが、合板の3~4割は国産になったんじゃなかったかな。たつてはほぼゼロだったことを思うと、たいした進捗です。

震災後、大型発注が相次いだようですが、見込み発注も多くて、後キャンセルされることもあったそう。それでも、工場の稼働率を上げて、震災前と同じ生産水準を保ったそうです。

ただ製材、合板ともに、せっかく国内に向いていた目が、また海外に行ってしまうと自給率は落ちそうに思う。

合板は、買い占めもあったかもしれませんが、国の指示により出荷制限されました。仮設工事が進まず港には長い間、山積みされていたそうです。

そうした事情もありましたか。
なかなか需給は難しい。

この件については、改めて。

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