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2011/07/17

よい森、よい道とは何か

中原林業を率いるのは、代表取締役の中原丈夫さん。

この人の個性は光っていて、おかげで寄りつかない人も多い。私も怒鳴られるかな、と思っていたが、いえ、非常に相性がよかった(^o^)。毒舌?のようでいて、決して間違っていないのである。ま、この手の口の悪さは、私にはこたえないのである。馬耳東風として聞き流す。あ、私がもし毒舌吐いたときも聞き流してね。

で、森を案内していただきいろいろ話を聞いたのだが、そこで幾度か問われた。

まず「よい森とは何か」。

そして「よい作業道とは何か」。

一種の禅問答のようでもあるが、答は、どちらも似ていた。

よい森とは、一目見て不自然でない森。見て気持ちよくなる森」。
よい作業道は、走ってみてストレスを感じない道」。

たとえば、森を見て、林内が暗かったり各木の太さや配置がアンバランスだったり、林床に緑がないと不自然に感じる。そんな森は、生物的にもよい状態ではないそうだ。

道も、走っていて不安に感じるような路面だったり、通りづらい幅やカーブ線だとダメ。気持ちよく走れる道ほどよい。

この話を聞いて、ピンと来た。これって、私の唱える「美しい森」論と同じではないのか。美しく感じる森は環境的にも優秀で、生長量もよいとするテーゼだ。全然科学的じゃないが、経験値として、そうなのだ。

この点、私は人間の感覚を信じているところがある。その森の健全度を、数値や理屈ではなく、人間の感覚器官が一瞬にして感知し、判断を下せる(それを「美しい」と感じる)ような気がする。

もっとも、そんな話をしていると、同行者は「私には、それがない」と言い出した。いくら見ても、感覚的に美しいかどうか、よい森かどうかを捉えることができないというのだ。

まあ、そんな人もいるかもね(^^;)。あまり森林に接していない人は、森林の「美」を瞬時に判断できないのかもしれない。

もっとも、同行者だって林業の専門家なのだ。それも私以上に専門家である。森の美しさを感じ取るのは、ある種の才能かもしれないが、きっとそれは訓練によって身につくと思う。

ここが科学になりづらいところか。

中原さんも、その点をアナログの感覚と表現していた。

と同時に、「他人に伝えるには、デジタル化しないといけない」ともいう。

それだよ、それ。私もそれを考えていたのだよ。

アナログ的な感覚を磨くのは、理屈ではない訓練かもしれないが、アナログの中にもすくい取れる根幹の要素があって、そこはデジタル化することができる。そして、理解を早めることができるのではないか。

そこに科学につなげる萌芽を感じるのである。

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コメント

 あまり書くとぼろが出てしまうのですが。
 森林認証でも、認証機関から伝統的施業方法の実証をしなさい、感覚だけではなく数値で示しなさいといわれています(ということは、まだそれができていないということなんですが(汗)。
 いい森林とは経験則でどういう施業をしてくるとどうなってくる、その地域性や技術がどうなんだ、それがその植物群や動物群に及ぼす影響も・・・ということなのでしょう。
 
 非常に苦慮していますが、施業方法を引き継いでいく上で、伝承していく上で、伝える部分と承る部分、後継者が承りやすくする1つの手段ですよね。
 他の人が理解する目安にもなりますよね。

 他の人が見て美しいと感じる、気持ちよさ心地よさを感じる森はとにかく、すばらしい。
 少しばかり手入れが遅れてしまった、人工単層林であっても、手入れをして3、4年経てば、見違えてくる。土壌がよくて、斜面の向きがよければもっと早いかもしれない。樹高も少しは伸びている気もするし。
 人工単層林には陽光も大切だけど、風も大切なのかもしれません。なんか山のにおいが違うような気がする。
 
 数値化。
 ビールを2本以上飲みたくなる森。
 2本以上飲んで、もう1本飲みたくなる森。
 あたりかなあ。

アナログを、すべてデジタル化するのは不可能でしょうね。

でも、一部をすることで、学ぶ速度が変わる。いわば数学の問題を溶くときの公式を暗記するような感じでしょうか。
本当は、公式が生まれる過程も解いて見せるべきですが、時間がかかるから、丸暗記するような。。。(笑)。

つまり、どちらもないと現実的でない。
「私が見て美しいと感じるのがよい森だ」と言われても困る。やはり、「ほれ、林床まで光が入って下層植生が発達しているだろ。それに幹がまっすぐ伸びて、それがみんな同じ太さだ。間隔もだいたい近い。だから美しく感じるんだ」ぐらいの解説は必要だと思いますよ。

ビールが飲める本数という数値化は???だけど。

「美しい」という言い方は耳目を引きやすいとは思いますが、「調和がとれた」とか「バランスがとれた」という言い方はどうでしょうか。この方が、いろいろな要素を勘案した基準を設けた上で、何らかの要素が突出/不足していることをデジタル化して明らかにすれば、調和やバランスの度合いが表しやすいような気もするのです。

そうなんですね。別の項目でも書きましたが、「美しい森」という言葉は誤解を招きやすい。
では、何と言い換えるかが難しい。林業施業法は「小規模大林業」という言い方も登場したけど、森そのものの景観を指すよい言葉がみつかりません。

「調和のとれた」「バランスのとれた」ですか。意味としては伝わりやすいけど、インパクトやオシャレさがほしいなあ。

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