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2011/08/27

多様な林業を知れば考える

本日は、広島からお客様。それもお嬢様(笑)。この業界なら知る人の多い、中島彩さん林業女子にして、就森女子だ。そして、生駒山上遊園地の元ピンクレンジャーだ。

里帰りの途中に寄ってくれた。

もっとも生駒に来た目的は、私!ではなくて、スリランカ料理店「ラッキーガーデン」のカレーである( ̄ー ̄)。彼女、カレー・マニアらしい。

幸い、昼間は天候もよくて、生駒谷に奈良盆地を見渡すロケーションの中でスリランカ料理を堪能してくれたようだ。

その後、ヒツジやらヤギならと戯れたり、ラッキーガーデンを楽しむ。

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 なぜか、ラッキーガーデンで増殖中のバナナの木の前で。このバナナの葉は、料理にも使われている。

ところが、目の前の矢田丘陵の風景を見て、「あの山、人工林に変えたら林業やりやすくていいのに」。生駒の自然保護関係者が聞いたら、目をむくようなことをサラリという(笑)。
さらに、基本的に雑木山である生駒の中で、めざとく人工林を見つけ、「お、スギとヒノキの混交ですね」とさらり。山を見ると、どの程度の材積で、どのように伐って出すか考えてしまうとか……。ちょうど今、伐出担当で、いかに効率よく伐って高く売れるよう造材するかばかり考えて計算しているそうで、もう職業病である。

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生駒山にもある、人工林。でも里山の風景より、人工林に目を向けるのは、やっぱりビョーキだと思うよ……。

 

だから会話も色っぽくなるわけはなく、林業のことばかり(笑)。グラップルの操縦とか軽トラの運転の楽しさとか。。。そして、「毎日、木を伐って、玉伐りして、トラックに積み込んで……と同じ作業をやっているのに、なぜこんなに楽しいのだろうと思う」とまで言った。どこかに工夫の余地があって、それをこなすのが楽しみなのだそうだ。完全に現場の人である。

ついでに太くなった、二の腕まで見せてくれた(^o^)。いや、もう私もかないません。

ただ話していて思ったのは、林業の多様さであり、森林の奥深さである。間伐一つとっても、やり方が違う、目的が違う、そもそもの発想が違う。
樹木も、想定外の生長ぶりを見せる。荒れ果てた無間伐地にも、まっすぐな木がすくすく育つ。直径1メートルはある大木が、くっつくように並んで生える。間伐って、本当に必要なのと思わせる現場がある。
私のような耳年増には、現場の話は大いに参考になった。

日本の林業は、まさに地域ごとに別物になっている。さらに手がける人が、自分の創意工夫でノウハウを築き、どんどん変化している。

そこで、ふと思った。林業界の改革のためには、新しい方法を教えるのではなく、自分で考え出すチャンスを与える方が近道なのではないか、ということだ。
森林林業再生プランのように、新しい施業方法を中央が用意して、さあ集約化しなさい、作業道入れなさい、機械化で生産効率アップだ! とあてがうのではなく、さまざまな林業地を見せたり、理論を聞かせて、自分で自分の手がける林地にはどれが向いているかを考えさせるのだ。

国は、「林業家は、考えるのが苦手、教えて叱咤しなくては動かない」という前提で施策を考えているようだが、それは愚民政策だ。そもそも考える機会を奪っていたことに原因があるのだ。

トップは、これが一番よい方法だから、みんな覚えなさい、という態度ではいけない。現場の創意工夫を奪いかねない。

考えさせるためには、全国にいろいろある多様な林業を現場の人に見せることから始めるべきだ。それも、相反するものを視察させる。

たとえば作業道なら、大橋式と四万十式のほか、私の知っている中には「幅6メートル、盛り土はせずに全部切り落としでつくる」作業道とか、一度使ったら放棄する作業道もある。それらを全部見せ、各方法のメリットデメリットまで教える講座に参加させて、自らの林地にはどれがよいか考えさせる。

同じく、造材の千差万別のやり方を、各地の「名人」に語らせてもよい。
さらに植林法、下刈り法、枝打ち法……と幾種類ものやり方を教える。そうすれば、自ら一番自分のところに向いた方法を選ぶはずだ。

ただし、無思考の「これまでどおり」という選択肢は排除しなければならない

だから現場作業員が、各地の視察にどんどん送るべきだ。決して慰安旅行ではなく、東にシンポジウムあれば参加させ、西に講座があれば申し込ませる。

そうしたら、頑迷な林業家も、目の前の仕事だけでなく、グローバルな視点で林業を考え、創意工夫でよりよい施業方法を身につけるのではないかな。

だから、彩ちゃん。11月に奈良で開かれる全国育樹祭のシンポジウム、参加しなさい(笑)。

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コメント

中島さん、元ピンクレンジャーとは知りませんでした!(笑)
日本の林業の多様性というのは、その通りですね。それをお上は、数字だけで見て一元化させ、それを効率的(合理的)なプランとして押しつけているところに大きな問題があるのかもしれません。

ああ、彼女の極秘任務をばらしてしまった……人知れず、世界を守っていたのに。。。

もはや研修自体が必要ないのかもしれません。ただ、視察して考えさせる時間を与える。
森林林業再生プランは、理念と実行部分が見事に乖離していると思えますが、「考える」方が、近道ではないでしょうかね。

1週間で5回飛行機に乗って10カ所を見学する実習をすればいいんじゃないですか?
20人位の定員の半分は社会人向けにして、公開講座として有料(希望多数対策として職場の推薦状や自薦の作文を書かせる)にすれば、学生も含めて参加者全員がとても刺激を受けると思いますけど
そんな実習をアレンジ出来る大学教員がいないでしょうけれど

林野庁も、そんな講座を開けばいいんですね。

視察後、参加者全員に、地元の山林に合う施業法を分析・検討したレポートを出させる。そして、そのとおり実行する森林組合なり事業体には補助金を出す。やらないところには出さない。
……くらいはしないと、真剣味がないな。

学校の宿題で林業の工夫について調べていたのですが、ものすごく参考になりました!

学校の宿題ですか(@_@)。お役に立てたのなら幸いです。

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