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森と林業の本

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2011/08/24

いつ完成? 山国林業の解説書

ようやく受け取った、「大堰川の筏をめぐる民俗技術」DVD。

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これは、昨年度私が取り組んだ仕事である。

大堰川とは、一般的には保津川という名で知られる京都の川だ。京都北部の丹波地方より流れ出ている。

このうちの京北地方を「山国」と呼ぶのだが、ここは日本でもっとも古い林業地帯である。この地域から出した原木は、大堰川を筏で流したのだが、その伝統的林業技術を記録する仕事だった。

この林業地帯の歴史については、多少、このブログでも紹介したことはあるが、古いだけでなく持続的に現在まで続いていることに特徴がある。なかなか興味深く、また私も木馬体験ができたし、なかなか内容は面白かった。

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これが、DVDの内容。結構、みっちりある。貴重な映像も多い。

この事業は、文化庁の「ふるさと文化再興事業」というのだが、窓口は京都府亀岡市で、私もその一員となったわけである。もちろん、私がDVDのような動画を担当するわけはなく、DVDとともに刊行する解説書の執筆が仕事だ。
さらに言えば、私の担当したのは筏流しではなく、植林-育林-伐採-搬出まで、「山の仕事」部分である。ただ取材過程では、伐採から木馬を使った運搬まで実演現場にいたから、映像にも映っているはずだ(まだ見ていない(^^;)。恥ずかしいし)。

見た人によると、私が木馬を引っ張ろうとして動かない様子が映っていたという……。

この仕事はトラブル?続きで、かなりイヤな思いもしたが、とにもかくにも昨年度で終わる。国の事業なんだから、年度単位なのである。私が執筆した原稿も、3月中に納めている。

内容は、少なくても私の執筆したところは、なかなかの出来だと自負している。イラストも入って、わかりやすく過去の技術を示したし、現在の状況も紹介している。

ところが、なかなか完成しないのだ(?_?)。通常は、印刷期間を含めても4月中旬にはDVDともども解説書も刊行されなくてはならないのに。

今回、ようやくDVDが届いたのだが、解説書はまだだ。初校も出ていないのだから、多分当分無理だろう。だいたい執筆時は全32ページだったのが、なぜか70ページになっているらしい。(私は執筆量を増やしていない。)
この手の事業には専門家による審議会もあって、内容をチェックされるのだが、それをパスしてからページ数が2倍以上になるというのは何なのだろう。増えた分の経費は誰が払うのかなあ。

助成金を出した文化庁も、期限までに事業の完成品が提出されていなくても平気なんだな。チェックもしないのか。まあ税金ばらまくのが仕事で、完成したかとうかなんかどうでもよいのかもしれん(*^.^*)。窓口は、国の金使って遊んだのか。

だいたいDVDそのものが、どこに保管されて、公開されるかも不明確。多分、各地の教育委員会?とか図書館、博物館に寄贈されて、そのまま眠ってしまうのだろう。

もし、DVDを見たいと思う人がいたら、亀岡市に問い合わせてください(~_~;)。ついでに「解説書はないんでしょうか」と聞いてみるのも面白いかも。

ところで、先月福島県の森林について取材したのだが、それを週刊誌「AERA」に執筆した。すぐに掲載するというので、大急ぎで8月頭には書き上げている。……ところが、未だに掲載されないのである。

最初は「記事が多く集まりすぎて翌週に」「盆の休刊日にかかってしまった」ということで1週、2週と延期になったのが、その後、「五山の送り火」騒動があったので」のびのびとなり、いよいよ来週! の予定だったが、今度は島田紳助の引退があったから、また先送りだそうである。

週刊誌って、こういうことがしょっちゅうだからなあ~。年を越さないことを望む。

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コメント

管轄が「文化庁(文科省)」なのに一つオドロキ・・・。

普通は文句言いつつも助成金が入った時点で仰向けになって尻尾を振るのが常識?なんですが、丹精こめた執筆が公にならない事にご立腹(よく考えたら当たり前)されてる事に脱帽。

既存のマスメディアにも反旗を・・・に感服致しました。

こうなると益々と「力筆」を拝読したくなりました。

誤解なきよう。
文化庁が悪いのではなく、刊行しない担当者が悪いのです。文化庁も監督不行き届きではあるけれど。

反旗も翻しておりません(笑)。もし編集者がこれを読んで、早く掲載しようと思っていただければ幸いです\(^o^)/。

島田紳助引退騒動のとばっちりというのも情けないけど。

見たい。
よしっ。
亀山市に問い合わせてみようっと。

「解説書」もお忘れなく(笑)。

窓口は焦るだろうな。そんなのあったっけ? と。(悪趣味か)

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