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2011/08/09

カモシカからクマへ

十数年前に書いた自分の文章を読み返し続けている。

そこに「カモシカは増えているか」というテーマがあった。カモシカの獣害が問題になっていた頃である。植林しても、全部ニホンカモシカ食べられるという事態に、
これはカモシカが増えているから」と
天然林がなくなり餌が足りないから人工林の造林地に押し出されてきた
という意見が対立していた。そして駆除に対する反対運動が起きていた。なんたって、カモシカは特別天然記念物だったから、文化庁が味方である。

さて、その実態は……と追いかけていくのだが、その結論はいうまでもない。カモシカは増えているのだ。それどころかシカまで増えていた。今やカモシカ害よりシカ害の方が深刻だ。

この論争には、妙な既視感がある。

だって、同じことを現在はクマで話題にしているのだから。ヒグマやツキノワグマが人里に出没して、農作物を荒らしたり(林業的にはクマハギを起こす)、出会い頭の人を襲うケースもある。大量に駆除しても翌年も被害が出る。その駆除数は、推定生息数を上回るほど?とヘンな話になっている。

そこで、その原因は……というと
クマの数が増えているから」と
天然林にドングリなどの餌がないからクマは人里に出てきた
説が押し問答している。

さて、この結論は、どうなるのだろう。

過去の拙文では、カモシカやシカが増える条件はあるが、クマが増える条件がない、と書いてある。繁殖力は弱いし(数年に1、2頭)、ドングリの木は減っているし、冬眠場所の確保も困っている様子だし……というわけだ。それでも被害が出るのは、クマの行動範囲がほ想定以上に広いからかも、と推測したりしている。

しかし、現在の知見では、おそらくクマは増えているのだろう。ドングリが足りないどころか、豊富な餌に恵まれているらしい。
まだ十分に増える条件を示せたわけではないが、もしクマが増えているのなら、どこに見落としがあったのか。

ある意味、科学は過去の常識を、いとも簡単にひっくり返すから恐ろしい。記事を書くときも、覚悟がいる。

幸い、私は過去の言説に捕らわれて自説を曲げないほど、自分の考えに囚われない。頭と腰は軽いのである。腹は重いけど(^^;)。


 

思い返せば、カモシカ騒動は、私の学生時代だったので、卒論でカモシカの生態を扱えないかと山にこもったことがある。しかし、雪の積もる中、1週間追いかけても姿はチラリと見えるだけ……で、データを集める時間を考えると卒論に間に合わないと諦めた(^^;)。

これも頭と腰が軽い証拠だ(笑)。

一方で、ツキノワグマの冬眠穴調査もした。猟師と山を駆け……私は必死についていくだけだったが、幸か不幸かクマには出くわさなかった。なかなか野生のクマと出会う機会はない。

でも、恐れずに言えば、クマには会いたいなあ。日本唯一の猛獣とされつつも、まだ生態が謎の動物と、もし間近に出現したらどうなるだろう。お互いの目が合ったら、もしかして人生が変わるかもしれん。。。と夢想する(笑)。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

ご存じかとは思いますが、長野県の駒ヶ根市に宮崎学という方がおられます。
プロの野生動物写真家であり、自動撮影カメラの技術・発想は素晴らしいです。
そしてそれ以上に「野生動物」見る目が凄いと思い
ます。
この方が近年追いかけ続けているのが「身近なツキノワグマ」です。HPも上に興味深いです。
http://tukinowaguma.net/

参考まで。

よければ、間近に出現して
目を合わせてみせますぜ。
で、次の瞬間に・・・。

いや、食べませんてば。
謎の躍りを踊って見せます。

ええ、宮崎学さんの著作・HPは大いに参考にさせていただいています。
あれほど写真を見せられたら、ツキノワグマが絶滅危機なんて信じられませんね(笑)。

思い込みを外して、ちゃんと調査した結果から結論を導き出さないと危険です。ドングリまくのは、もっと危険……。

ひゃっ、熊(♀)さんはもっと危険……。

たしかに熊(♀)さんが間近に出現して目と目が合えば……人生変わるかもしれん(笑)。え、終わるんじゃないよね?

6月に信州で親子クマに出くわしました。こちらは1人。

…、今のところ人生は変わっていません。。

そりゃ、まだ目と目があっていなかったからです(笑)。
アイコンタクトをとって、うなずき合えば……謎の踊りを躍りだす(^^;)。

振り付けを考えておかねばならんのう。
謎の踊りの。
人生が変わるくらいのやつ。

う~ん。。群舞だな。。

 30数年間山仕事をしていて、一昨年現場で初めて熊に遭遇しましたが、それ以降毎年現場で熊に遭遇しています。
明らかに30年前より野生動物は増えているように感じています。
熊を含めた野生動物が里山と言われる場所に出現する訳は諸説あるようですが、一説によると猟友会の会員がピークの4分の1以下になったことが産気新聞の記事になっていたことがありました。
熊よりも猟友会の会員のほうが絶滅危惧種に成りつつあるらしいんです。

ちなみに、重機などに乗っていて熊にあっても、強気でいられますが、それ以外で遭遇した時はかなりビビってしまいますぞ(爆)

毎年遭遇ですか。かなりの確率ですね。
そりゃ、踊るの大変だ(^^;)。

私が見たのは、1,2回かな。残念ながら?目と目が合わなかったので、踊ってません。

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