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森と林業の本

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2011/08/12

ケナフは消えたか

10数年前の自分の記事を読み返すシリーズ。
(そんなの、あったっけ?)

面白いことに、ケナフを持ち上げる記事と、ケナフ批判の記事の両方があった。

一つは、製紙用パルプを得るために森林伐採が行われている状況について、非木材パルプの可能性を取り上げて、バナナの廃棄物やサトウキビの搾りかす、そしてケナフという植物もあるよ、というもの。

ところが、その記事から数年後、ケナフ批判を展開している。

ケナフは二酸化炭素をよく吸収するから地球温暖化防止のために植えよう、という運動が広がっていることについて、徹底的に間違っていることを指摘しつつ、野放図な栽培がケナフの野生化を起こしかねないこと、それが日本の在来種を駆逐して生態系をゆがめる危険性があることを訴えている。

まあ、そこに書いていること自体は、今も間違っていないと思う。

ケナフは紙の材料になる。しかし、地球温暖化防止には何の役も立たない。管理せずに種子をばらまくような運動は危険。いずれも、現在でも通じるはずだ。

結果として、現在はどうなっているのか。

まずケナフ栽培熱は、すっかり冷めたようである。

まず産業界は、ケナフを日本国内で栽培して紙をつくるのは無理と考えている。

そして市民団体も、ケナフに関してはたいして活動していないようだ。私も含めた批判が多少は効果があったかどうか。いや、そもそも市民運動はすぐに飽きて、次のテーマに移るものだ(笑)。

しかし、一時は学校の校庭から河川敷や、野山にまで勝手にケナフの種子を散布するような真似が行われたのだから、もしかしたら野生化しているケナフがあるのかもしれん。

だが、大繁殖までは行かないようだ。熱帯原産の植物だけに冬の寒さで翌年まで保てなかったのかもしれない。
また成長時にものすごい栄養を吸い上げるらしく連作障害を引き起こすらしい。それが野山ではネックになった可能性もある。

いずれにしても、日本の生態系をおびやかすまでにはいかなかった。(もちろん、温暖化が進むと、ケナフにとって育ちやすくなるかもしれないが。)

そういえば、一時期問題になったセイタカアワダチソウも、今ではあまり見かけない。荒れ地によく生えるのだが、かつてほど日本に荒れ地がなくなった証拠かもしれない。

今後の執筆では、10数年後に消えるのか残っているのか、よく考えて取り上げよう。

今ホットだけど、将来消えそうなものは何か。

誰か、教えてくれ(笑)。

新月伐採かな? 熊森かな?

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

10数年後を考える。
っては、なかなか難しいですね。

ついつい、
一番最初に自分がどうなっているか
考えてしまったり。。

白熊に変身! (^^;)\(-_-メ;)

将来消えそうなもの。
黒い毛ですか。。うう。(;_;)

 ケナフは18年ぐらい前には聞いていましたが、最近聞く機会も無く、どうなったかも気にしていませんでした。
 
 そうでしたか。日本でやる必要もないでしょうから。変なブームだったですね。学校でやっていたのも聞いたことがありますし、名刺を配っていた人がケナフでしたし。

 古紙率の低い再生紙、安全ではなかった原子力発電は近いところでしょうか?
 最近聞こえなくなった地球温暖化はどっちなのでしょうか?

 子供にたまに環境教育をする機会もあるので、出来ればあまり間違っていない程度のところで伝えたいし、実践したいものです。踊らされず。

「ケナフ運動」そういえばありましたねぇ。
「コウゾ・ミツマタ」を差し置いてなにが「ケナフ」や!と当時流行ってた「NET掲示板」に書いた記憶が蘇りました。

ところで、仕事中にマジで「今ホットだけど、将来消えそうなもの」を哲学者の如く考えてしまってましたよ・・・。
希望としてはドンドン出てきますが、現実に有り得そうとなると殆ど出てきませんでした。

候補として
「分別ゴミ収集」「マイ箸運動」「スマートホン」それと8-moriさんには申し訳ないですが「エセ環境を教える総合学習」

この辺は希望も含めてタイムカプセルの中の仲間入りにさせて下さい。

皆さん、真剣に考えてくださったようで……いえ、黒い毛が消えるのも真剣です……「消えてほしいもの」は浮かんでも、「消えるもの」は難しい。

マイ箸運動は、消えたかと思えば突然甦るゾンビですし、分別ゴミも下らないですな。3つや4つならともかく29だ、いや35だと数を増やして喜んでいる自治体がある。おそらく分けた後はまとめて燃やすんでしょうかね。。。

ただ、一つのもの(あるいは行為)を救世主のごとく扱っているものは,確実に消えます。案外、自然エネルギーもアブナイかもよ。

.ケナフで紙を作っている!!・・・片道2時間の交通時間を掛けて見学に出かけました。

水と動力用電気を使って、特注の『釜』を使って製造。(要するに、業務用規模?)

加えて『えっ!!』と思ったのが、

①「古紙を混ぜる」!!
②古紙混合の為に遠くのフラントに一旦、送る
③そうして出来た『製品の量』(これっぽっち!!)
そして
④価格(と、相応の品質)

何だコリャ

その工場、今はどうなっているんでしょうねぇ……(笑)。

そもそも、その当時から、いかに運営していたのか不思議。どこからか出資金を集めたのでしょうか。

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