洪水流木と間伐の関係、調査へ
台風12号による奈良県内の林地被害額は、少なくとも300億円に上ると調査結果が発表されている。崩落は184カ所で、とくに、大規模崩落が発生した23カ所の面積は、総計236ヘクタール。
さらに林道・作業道被害から、今後の施業への影響も考えると、どこまで膨れ上がるのかわからない。
そんな中、奈良県は、台風12号の復旧のための補正予算案72億8800万円を決定した。
もちろん過半は道路や河川、砂防・治山の復旧工事に向けた調査や測量・設計費。約50億円に達する。これは着工の前段階だから、本格的に始まったら、莫大な金額が必要だろう。
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000001109290003
だが、見逃すことのできない項目がある。それは、洪水で出た大量の流木の発生原因調査として2050万円を計上していることだ。そして間伐方法の見当も加わっている。
これって、「山に残された伐り捨て間伐材が、土石流で流れ出て被害を大きくした」説の検証ということなのだろう。つまり、このブログで話題になった問題を調査することになったということだ。
今回の水害で大規模な土砂崩れが発生した原因が、人工林にあると言われた冤罪?とともに、間伐材が流木を生み出しているのか、あるいはこちらも冤罪なのかは、林業関係からすると、結構大きな問題だ。もし関係があるとしたら、伐り捨て間伐の見直し(これは、政策的には規制方向にあるが、完全になくすわけにはいかないし、伐り捨て方にも響く)が必要になる。
奈良県がいち早く手を付けることは喜ばしい。
もう一つ。十津川村の仮設住宅を木造で、十津川材でという村長の要望も通ったようだ。それも一戸建てらしい。こちらは、まだ詳しいことは知らないのだが、今回の予算案にも、仮設住宅前200戸にウッドデッキや花壇などの整備費を計上している。
被災者に対して、意外とこうした木づかい、いや気遣いは重要なんだろうな。ウッドデッキがあるだけで、ちょっとした庭となり、植物を育てることで、かなり気分が変わるものだ。とくに高齢者が多い地区では。
もちろん、まだ予算案ではあるが、おそらくそのまま通ると思う。荒井知事は、年内に復旧・復興計画の骨子をまとめるほか、復旧・復興対策室の設置も決めている。
ところで、今日から雨である。復旧工事に影響がないように望む。
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