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2011/09/09

災害時のリーダーはどこにいるべき?

本ブログの趣旨から少し離れるが。

今回の紀伊半島水害で、とくに奈良県は大きな被害を抱えているが、そのトップである荒井正吾知事が批判にさらされている。

実は5日夜に東京へ出て、6日に県主催の「日本と東アジアの未来を考える委員会」に出席してから帰り、会議を開いたことが県議会で取り上げられたのだ。

ようするに危急時に現場を離れた、と言うのだ。知事は、国会議員とも会っていた、職員と同行して、現地の情報を把握して指揮を取っていた、というのだが……。

6日は前田国交大臣が現地入りしており、地元リーダーが現地に行かずにどうする、攻撃されている。地元のニュースキャスターなど、「知事辞めなさい」とまで激昂して口走る有り様。

それを聞いて、みょーな既視感がある。

だって、半年前、大震災が起きてすぐさま現地視察に飛び立った菅直人当時首相は、「リーダーが前線に行ってはいかん」と批判の嵐だったからだ。リーダーは、中央にどっしり構えて情報を集めて判断すべし、とリーダー論をぶつ評論家が多かった。そ
それに、首相の仕事は震災対応だけではない、円高も目を配るべきだし、国防を忘れて自衛隊を10万人も投入するなんて、と御託を並べる右翼評論家もいたっけ。

それなら災害だけでなく、奈良の未来を考える会議の冒頭説明するのも必要かもしれん。

現場に行っては罵られ、中央(東京)に行っては攻撃を受ける。はあ~。

辛いねえ。

どちらがいいか、私がここで評論するつもりはない。

ただ、リーダーが現地を見るということについて

私は、必要だと思う。何事も決断の最後は、感性がものをいう。その感性を磨くためには、現地の皮膚感覚が必要だ。
たとえば私自身も、東日本の津波映像をいくら見ても、皮相的な感覚しか身につかなかった。だから1カ月後に現地入りしたのだ。本当はもっと早く行きたかったが、自分の役割は報道ではないと考え、時間を空けることにした。そして現地を見たら、皮膚感覚でいろいろつかめたことがある。また遠くから見た目との比較もできた。

逆に、今回の水害では、自分が知っている土地ばかりだから、まだ現地を訪れていないにもかかわらず、すでに水害の規模やそこで起きたことを感じている。現地を知っていると、理解力が鋭敏になるのだろう。

実は、十津川出身の知人が、昨日現地入りした。迂回路が開通したのは昨日だけで、今日はまた不通になったというから奇跡的に実家に辿りついたのだが、そこで送ってきた写真を無断借用したうえに加工して掲載する。

001



十津川北部の辻堂である。道は完全に埋まっている。こんな風景が、過去の知っている風景と重なることでリアリティを持って感じられるのだ。

ただ、ここで闇雲に現地を見ることの大切さを強調したいのではない。リーダーなら現地を見ても突き放す勇気と、多角的な視点も必要だろうと思う。(だから東日本大震災の被災者は、一度西日本に来たらいいとは思う。感じ方が全然違うから。)日本全体、あるいは奈良全体の現在・将来まで考えて行動しなくてはいけない。

実は、これはジャーナリズムの世界、取材者の世界でも感じることだ。現地入りして取材することは絶対に必要なんだが、現地に溺れてはいけない。逆に遠くからインターネットと電話取材だけで見てきたような事を書いて満足しているようでは最低だ。
単に首相や知事を(目先の情報だけで)あげつらい批判しておけば格好がつくわけではない。

現地を見て、その上で突き放すことができるか?

その意味では、あえて災害時に東京人の水害を見る目を感じてくるのもいいと思うよ(⌒ー⌒)。

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コメント

田中様おはようございます。
このような国難時のリーダーの行動は、歴史が評価するでしょう。外野のヤジよりも、行動でしょう。
平成17年の台風のときに社屋は、冠水し、資材が全て流されました。凹んでいたときに橋に突き刺さった流木を見て、この放置残材が少しでも減ることが、出来ればと考えたのが、弥良来杉の発想でした。山を守りことが川を守ることにつながるんだと言って、もう、7年になります。
震災も含め、今回の台風災害も、私自身は、何もできないのですが、あまり雑音に振り回されず、小さなことでも何か気付いて、継続することが大切なような気がします。

そう、いくら理屈を述べても、評価は結果で決まります。
目先の対応がうまくても、後々突っ込まれるかもしれないし、その逆もある。
最近のマスコミの論調では、早くも菅首相の評価が変わってきたように思います(笑)。

現在の災難を、将来に転化できるかどうか。リーダーの役割はそこにあるんでしょうね。

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