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2011/09/15

十津川村に木造仮設住宅は建つか

大水害を受けた紀伊半島。どこも被害は森林地域だが、なかでも奈良県十津川村は、林業地である。

私は、奈良県でもっとも元気な林業地だと思っている。村独自の林業再生プロジェクトを展開中なのだ。

奈良県の林業地と言えば、誰もが吉野を思い浮かべるし、吉野以外は思い浮かばない状況だが、十津川村は吉野林業には含まれない。行政的には吉野郡だが……。

地形からして、吉野林業は吉野川流域だが、十津川は熊野川(十津川・新宮川)流域だ。紀州林業地に近く、同じ奈良県では、熊野川支流に当たる北山川流域の北山林業地域と同じ扱いであった。また林業技術的には、吉野林業のような精密ではなく粗放であった。

だが、十津川村こそ、今もっとも奈良県で林業に力を入れている地域なのである。吉野や和歌山県の竜神に材を流すのではなく、十津川材という銘柄をつくり、木材の乾燥や製材も自力で始めていた。奈良や大阪の工務店とも連携し、「十津川郷士の家ネットワーク」を立ち上げた。
住宅建設・販売にも乗り出したのである。すでに年間30~40棟の住宅を建てている。

さらにドイツを視察して、十津川材で木製窓サッシをつくったほか、11月には、これらの大林業実践の拠点「木材加工流通施設」を完成させる予定だった。

だが、今回の水害で道路が寸断された今、当面施設を完成・稼働させることはできないだろう。ようやく軌道に乗りだしたのに無念である。
ところで村内では、水害により11棟が全壊し、土砂ダムなどの影響で長期避難している集落もたくさんある。

そこで更谷慈禧村長は、十津川材で仮設住宅を建てるべく動き出している。 

奈良県では、プレハブの仮設住宅を考えていたようだが、それでは林業地・十津川が泣く。多少、経費がかかっても地元の木材で建てることが、地域産業にも貢献するのだから。県も理解を示すべきだ。
ただ、現状では十津川材を地元で加工することは叶わないし、伐採搬出して、外部に持ち出すことも難しい。ストックはあるのだろうか。

ちなみに更谷村長は旧知の間柄だ。以前、十津川村に泊まったときに、マツタケと酒を差し入れてくれた(^^;)。
テレビに映る村長の顔は、引き締まっているとともに疲れているように感じるが、今が踏ん張りどころ。近畿圏にも木造仮設住宅を根付かせるきっかけにできるかもしれない。

ぜひ、ピンチをチャンスに。

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

田中会長、ごぶさたです。この木造仮設住宅の話題は大変興味ありますね。また、会長が知っている情報提供もお願いしたいところです。東北大震災で、木造仮設住宅住宅が建ちましたよね、規模、形状など地域で様々でしょうが、木造とプレハブを比べた入居者の感想を聞かれたことはありますか?マスコミからは、「木造仮設住宅が建った」としか情報が流れません。仮設住宅でも「木造」という物に対し、入居者はどう感じているのか本音を知りたいです。聞いてどうするの?と言われる方もおられるかもしれませんが、良くも悪くも、木材関係者のモチベーションが上がるも下がるも、感想を聞かないことには、次のステップ(新工法など)に進めないからです。木造建築の技術開発の更なる推進の一つの糧として、田中会長の人脈を介してオープンな意見を聞いてみたいです。もちろん個人意見としては、十津川産木材で建てて欲しいですね。無理なら地域材で。せっかく今まで頑張ってきた人が、地元産業の「木材」を使わない仮設住宅なら、心が折れそうな気がする。

ぜひ、期待したいです!ストックがなければ、他地域の木材でもいいと思います。後から、十津川の材を買う(交換する)というのもアリかと。現地の状況はわかりませんが、山の人は建築業でなくても木をさわれる方が多いです。雇用を作ってあげて欲しいと思います。カーテンだって、縫える方はおられますよね。
うまい言い方が、浮かびませんので失礼だとは思いますが、参考にできる木造仮設住宅が何種類もあります。もっと、こうした方が良かったという事例も聞けます。
村長が決断されれば、資料をまとめておられる方もいらっしゃるはず。呼びかければ、きっとサポートして頂ける方も現れると。

以前の記事 、岩手・住田町の木造仮設住宅の話、興味深く読みました。
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2011/04/post-2621.html
十津川もぜひがんばってほしいと思います。

木造仮設住宅と言えば、遠く住田町……と思うのではなく、近畿にも木造仮設住宅をんの可能性を知らしめるためにも、頑張ってほしい。

そうしたら、仮設から復興住宅に移る際にも、木造住宅が重要な選択肢になるはずだ。将来の種まきにもなるのだ。
それこそ、やせても枯れても吉野林業が手助けすべきではないかね? 明治の大水害の時は、土倉庄三郎が多大な義援金を提供している。

忘れていた。木造住宅の評判ですが、私は直に入居者に聞いていません。行ったときは、まだ入居していませんでしたから。
ただ、モアトゥリーズから聞いたところによると、すこぶるよいそうです。部屋に入れば木の匂いがするし、目に優しい。
ただ、住田町のものは、一戸建てだという良さもあるようです。隣との騒音を気にする部分が少なくなりますからね。

その後に建った木造仮設住宅でも 既に色々改良されています。元々の仮設住宅のプランは うがった見方をすれば 2年で出て行きたくなる頃合いというのが オススメプランになっていましたが、随分快適性に配慮されるようになりました。木造の良さは柔軟性がある事でもあります。現場の日当たり風通し プライバシーとコミュニケーション 配置等ぜひ 心ある木造に強い地元の設計士の起用もオススメします。村というコミュニティーの規模と意思決定のダイレクトさが活かせると思います。一人暮らしの年配の方は、戸建てではなく、長屋で共有部分を多くするとか、風呂は薪でもたけて仕事を作るとか…。

今回の東北行で再び住田町を訪れました。正午近くだったのにエアコンは未使用でした。変わってプレ協仕様の起喜来の山村広場仮設住宅では、外壁増設工事真っ最中、窓のアルミサッシも二重にしてましたが、相変わらずの単板ガラス。何処が費用を出したのか聞いてませんが、どこかの税金からは間違いないでしょうね。碁石海岸の住団連仕様はエアコンフル稼働、これは入居者の個人負担。このことを含めて「仮設住宅」そのものの論議が沸くのを期待しました。

阪神大震災と違うのは,震災後に木造への忌避が起きていないことです。そして、仮説の木造の評判が上がれば、復興住宅にも木造を希望する声が高まるでしょう。

今後の復興に木造が増えれば、林業からの東北復興の可能性が高まるでしょう。ぜひ、木造仮説の評判を広めてください。

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