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2011/09/01

今どきの「チプコ」運動

今日は、会議の事前打ち合わせ。

そもそもは、某公園の整備問題なのだけど、いまや自然公園もコナラなどが大木化してしまって、不健全になりつつある。このままではナラ枯れに感染しかかねない。そこで、大胆な間伐などの手入れをする計画があるのだが……。

私は、会議の内容をざっと聞いて、出席メンバーには森林の専門家もいれば素人もいるものの、間伐の必要性は説明すれば伝わると読んだ。
しかし、問題は実行である。もし間伐を行うとなると、それは公園内の作業となる。ハイカーなども多く通るだろう。そこで伐採作業を行えば、それも(素人目には立派な)大木を伐るとなると、何が起こるか。

おそらく「自然破壊!」と叫ぶ輩が現れて、ゴタゴタするに違いない。それをクリアするには、事前に立て札に作業の目的や内容を記しておくとか、説明員の配置がいるかもしれない。いっそのこと、「大木伐採ショー」に仕立てるとか、伐採そのものをワークショップにする、伐採した木の薪割りコンテストを催す……などした方がよいのではないか、と口走った。

すると、出席している一人が発言。「きっと、木に抱きついて『伐採しないで!』と叫ぶ人が出ますよ」

彼は、森林組合からの出向者なのだが、実際に過去そんなことがあったのだそうだ。枯れた木を伐採して除去する作業を行うところ、ハイカーのオバハンが、自然破壊だと騒ぎ出し、とうとう木に抱きついたのだそうだ。それで作業は2日間ストップしたという。

木に抱きついて伐採反対を主張する……なんか、懐かしい響きだ(~_~;)。

そんな運動が、かつて流行った。もともとはインドでダム建設のために地元が信仰するヒマラヤスギの森を伐採しようとしたとき、地元女性がが木に抱きついて伐採させないでおこうとした運動のことである。それで、この手の反対運動をチプコ運動という。チプコとは、ヒンディ語で「抱きつく」という意味である。まあ、ハグですな。ちなみに、インドでは、これが全国的に広がり、とうとう伐採は中止されている。

日本でこの運動が知られるようになったのは、知床伐採反対運動でも行われたことだろう。

林野庁の伐採チームを前に、若い男女10数人が木に抱きついて反対して見せた。それがテレビなどで放映されたから有名になったのである。

もっとも、この知床の事件は、ほとんどやらせである。テレビカメラが回っている間だけ抱きつき、撮影が終わると「もういいかな?」という声とともに離れた(笑)。……という噂。警察と裏取引して、やるだけやって、すぐに止めて、逮捕はしないという約束があったらしい。

実際、木に抱きついていたのは5分ほどで、逮捕者は出ていない。伐採も予定通り行われている。まあ、行為としては反対運動を有名にして、お金も集めた。

ただし、知床の事件なんて、今から20年以上前のこと。知っている人も少なくなったのではないか。それが、つい最近でもチプコ運動?あるとはね。

私としては、別の意味で木にハグするのは好きだ、いや、木以外でもいいけど……。

これからは、森林療法で「チプコ運動」を行ったらいいね。癒しのチプコ。イメージ変わるかもしれん。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

う~ん。木にハグですか。
なかなか快感だと思います。

木登りもいいですね。
これも快感です。

そうそう。皮を剥いだりするのも。
これなんか、もうたまらなく。。

木にハグしながら剥ぐ。。。なんかイタイ(~_~;)。

でも、快感かも。

 20年以上前に熱帯雨林の伐採を阻止する為に、白人さんが自分自身を木に縛り付けていた映像を見たことがあります。NGOだったかと思います。日本でも似たようなのがあったのですね。
 知床は横断道路についての伐採ですか?

 

 

おっと。本当に忘却の彼方なんだな。知床の伐採は、高値で売れる広葉樹狙いです。抜き伐りで、ヘリ集材と、ほぼ森林に影響のない形でやるはずだったのに、反対運動で原生林破壊とされたのです。
結果的に、無理して伐って、赤字になったらしい。

海外では、女子高生が木の上でキャンプを続けて反対運動をしたことがありましたね。

愛・地球博の終わった後に海上の森の老木を伐るのに反対して、やった人が居たような記憶が・・・。すみません、記憶だけです(今から反対運動に参加してくるという人は確実にいましたから)。
「木を見て森を見ず」とはこの事を言ってたのか~!としきりに納得しました。

地球博が終わってから? 海上の森を会場にする件は、博覧会前に解決していたはずですが。
本当に「整備のための伐採」まで、反対する人がいたということかな。

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