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2011/09/26

焼畑! 「クニ子おばばと不思議の森」

NHKスペシャルで、「クニ子おばばと不思議の森」を見る。

宮崎県椎葉村の焼畑を守る87歳のおばあさん(椎葉クニ子)の物語である。

もう、見る前から「懐かしい~」であった(笑)。

私は、20年ほど前に、この椎葉の焼畑を見たくて訪ねている。椎葉秀行さんとクニ子さんとも会っていろいろ話を聞かせてもらった。秀行さんは4年前に亡くなったそうだが、クニ子さんは、なんと元気なことか。いや、風貌は20年前と変わらないよ(^o^)。

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これが、当時の写真。テレビに登場した今年の焼畑より、面積は狭く、でも、なだらかな地形だった。

ソバも食べたなあ。ただし、椎葉村の人はソバ打ちは下手で、ボロボロであった(笑)。
私もクニ子さんから焼き畑のソバ粉を買って家でソバ打ちをしたが、前年ながらつながらなかった(^^ゞ。焼き畑のソバ粉は10割でもつながると聞いたんだけどね。技術がないと無理。やっぱりソバガキにして食べるべきだ。

秀行さんは、「米がないからソバを……」と言っていたが、我々の食事が終わった後に、ソバガキを食べていた姿を見ている。やっぱりソバが好きなんだよ(^^;)。でも、秀行さんがもう止めようと言った焼畑を、最後までさせたのは、クニ子さんなんだよね。

この番組は、時間をかけて、素晴らしい映像を記録していたが、焼き畑の可能性を改めて見つめ直すべきではないか。

実は、焼き畑こそ、林業の源なのである。椎葉ではコナラ、クヌギの森に還すようだが、これをスギやヒノキにしても何ら問題ない。日本中の林業地の多くは、焼き畑から誕生したのである。

私は、一時期焼き畑に凝っていて、椎葉村だけに飽き足らず、ボルネオのイバン族の焼き畑まで見に行って、体験もした。
焼き畑は椎葉で4年、ボルネオでは1年で耕作を止めて放棄する。その理由は、「地力がなくなる」からではなく、「雑草が生えすぎる」のが理由だった。それを確認するのが目的だった。

焼き畑とは、今では民俗的な面から語られがちだが、私は農法として注目していた。アグロフォレストリーの可能性を秘めていて、環境に優しい農法だと考えていたからだ。しかも林業にとっても、地拵えや下刈りの軽減になる。またモノカルチャー的な農業・林業ではなく、多種生産の道を開く。

この番組も、自然に優しい世界として描いていたが、もう一歩踏み込んで、未来に向いた農法として゛焼き畑農法を継承することを伝えてほしい。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

田中様
お世話になります。
もう、11年前になりますが、ある学会で発表したんです。宮崎は、タイムカプセルのようなものだと・・・。遅れているというイメージを逆に使おう!と・・・。
もちろん、椎葉の焼畑も入れていました。椎葉のクニ子さんの本には、とても興味深い山の話が書いてあります。
先日、若山牧水のエッセイ「おもひでの記」坪谷村を読んでいると同じようなことが書いてありました。「この村に限らず日向といふ国はその天然の状態から一切周囲の文明に隔離してゐたのである」
弊社の建てた牧水公園のそば屋に行ってください。十割そばですが、ちゃんとつながっています。(笑)

田中組長!

私も見ましたが、素晴らしい番組でした。
焼き畑農法は自然の仕組みを上手に生かした農法ですね。

ばあちゃんと森のつながりが,大変興味深く見ました。

そして,気づきました!
このばあちゃんこそ、元祖森ガールだと! 
いや、森ウーマン?かな

いやはや、縄文時代から連綿と受け継がれてきた焼き畑は,すごい!
クニ子ばあちゃんのいうごとく、「たとえ,人が月に行こうとも、このやり方は昔の人がいう通りにすれば、世渡りできるんよ」

すごいなあ!
椎葉村に住む人類は。

と、感心した次第です。
椎葉村はまだ行ったことはないですが,その手前の諸塚村には行きましたよ。

岐阜ではお世話になりました。

 八戸市の南郷地区でも最近焼畑をしております。山の楽校で最近始めました。元々はこの地域ヤマセで米も作れなかったので、焼畑をしていました。岩手の軽米町では町おこしに雑穀を取り入れています。そのおかげでこの地域はアカマツ林が多いようです。

そうか、元祖・森ガール……いや林業女子ですね。
椎葉クニ子さんの知識は、世界記憶遺産に指定したい。

椎葉村にたどり着くまでは、いろいろあったのですが、雰囲気は、奈良県の十津川村に似た感じがしました。隔絶された土地であり、平家落人伝説。そして集落が山の上にある(あまり集中せずバラバラに住んでいる)ことも興味深かった。

焼き畑の復活が各地に行われているのは、心強いです。日本の焼き畑技術は、世界に冠たるものだと思いますよ。すごい緻密なノウハウが詰まっている。
そのノウハウを伝承しつつ、現代風にアレンジして農林業に役立てられないかと思うのですが。
かつて宮崎で試みていた相互造林はなくなってしまいましたし……。

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