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2011/10/07

カルトから、政策多様性を考える

カルトの最大の問題点は、たった一つの考え方に固執し、一つの物質や方法だけで、すべてがうまくいく、いかせると信じ込んでいるところだと考える。それは原理主義である。ほかの発想を受け付けず、柔軟性が足りないのだ。
しかし、そんな万能薬は存在しないし、現場はケースバイケースである。

 

 

先に、カルトについて触れた際に思い出したのが、オークヴィレッジの稲本さんの話。

木材の利用振興を唱えても、実際のところ、木製品は高くつく。手づくりにこだわると量産できないし、今の時代はそれでは経済に乗りにくい。それを、どうクリアするか、という質問に応えて、木工品に量産製品も必要と言ったのだ。

一定水準を保ちつつ大量に作って価格を下げた木製品の開発も行わねばならない。それによって多くの人の手に届く。一方で、徹底的に品質にこだわり、たった一人に喜んでもらえる作品づくりも必要とする。この両輪がないと、経営にならない……というのだ。
オークヴィレッジでは、一つ525円のストラップが売られているが、数万個レベルの生産をしているそうだ。そして、一脚数十万円のイスやテーブルもつくる。

この柔軟さがないといけない。稲本さんは、哲学者ではなつ経営者だ(笑)。

これは別の人に聞いたのだが、ある木工商品づくりを注文すると、価格が高いと思っていたオークヴィレッジだが、もっとも技術レベルが高く、その割に安い金額を提示するのが、オークヴィレッジなのだそうだ。

技術は最高級品をつくることで磨き、その技術を応用して量産品もつくる体制を築いているらしい。また量産品をつくりながら最高級品をつくる技術を磨く面もあるだろう。

 

 

この両輪政策は、林業全体にも当てはまる。

誤解されやすいのだが、私は、森林・林業再生プランを完全否定したことはない。あの政策は、必要だと思っている。何しろ、これまでが酷かった。安定供給ができていない。それも量だけでなく、品質も含めてだ。

そこで大規模・機械化によって国産材を供給し、大型の製材工場や合板工場と対になって、量・質ともに安定供給する政策がなければ、国産材は永遠にシェアがとれず低迷するだろう。

ただし、現在の政策は、ほとんど「伐採-搬出-加工」分野だけに偏っている。その前段の森づくりや、後段の需要喚起を抜きにやっても効果は出ない。。。と評価していた。

そして、それとともに「大規模・機械化」ベクトルとは違った「小規模・手づくり」ベクトルの林業も残し発展させないといけないのだ。さもないと、ユーザーの真のニーズを満足させられない。また技術や創意工夫が育たない。
その点を無視している。いや、車の両輪政策を基本的に考えていないのだろう。国家は一つの政策に統制したがるようだ。
本当は2つどころか、地域ごとに幾つものパターンが必要で、20面政策ぐらいつくるべきだと思うのだが。。。

多様性を持つべきなのは、伐採から加工までだけでなく、森づくりも重要である。緑化もあれば、原生自然もあれば、里山圏もある。林業的人工林にも、一斉林に複層林、そして恒続林もあってしかるべきだろう。
そのメニューの中から、林家は自らの林地に適した経営方法を選択する……そこには、適切な助言をする森づくりコーディネーターも介在したらよい。

生物多様性ブームは、昨年で終わった感があるが、政策の多様性ブームをつくれないか。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

 政策の多様性や状況変化に応じた改善はありがたいのですが、急激な補助金制度の変化や補助金制度の多様化は勘弁して欲しいです。

 変わりすぎて、全然追いつけない状況になっているのが市町村なのかもしれません。森林組合もそうかもしれません。事業体もそうだと思います。

 補助金に頼らない、頼らなくても山をやっていければいいのですが、それも急にはそうならないので、山の変化のスピードに関係なく急に補助金制度が変化していくと山を山と見なくなっていき、補助金のための施業がどんどん増えていってしまいます。

 しかも、それを制御できなくなってしまいます。

 小規模林業、小規模な木材業は補助金投入、依存が少なくてすむ部分がありますし、山や木を見ながら出来るところです。
 この部分も大切に、しかも大胆にやらなければならない、やれる林分には補助金制度を使いながら手を入れていく。そんな柔軟な山仕事が出来るといいなあ、と考えながら仕事をしていくようにしたいです。
 そのためにも、少し補助金の制度を落ち着かせていただきたいものです。そして、あまり制度の多様性がないようなわかりやすい制度にしていただいて、市町村の職員や現場もりかいできる制度を期待しています。

すいません。
少しアルコールが入りすぎて、愚痴っぽく、脈絡も怪しい部分も書き込んでしまいました。

どうやら、個人の木工業者さんとかと連携しながら仕事をする楽しさと、大きな企業さんとの仕事におけるプレッシャー(緊張感や影響幅やミスった時のコトの大きさ)でストレスがたまってきているのかもしれません。

補助金を戴く側としてはあまり言うべきことではないですね。
でも、制度を定めている側のみなさん。補助制度の動向により、施業の内容が変化せざるを得ないということや施業計画はもう立ててあるのだという事情もご理解いただきたく思います。
まあ、施業計画を変更すればいいわけですし、経営計画になるのだからということなのでしょうけれど、経営計画のほうに移行して補助制度が最近のように急速に変化するでは、到底林あkの心はもっと山から離れてしまうのです。

すいません。しつこくなってしまい。

それにしても、林家と木工業者との連携で木製品や家具などを作っていく過程は楽しいものがあります。

林家も(森林組合も含めて)、自分の木が製品になる楽しみがありますし、どういう加工をしたのかもわかる。
それが売られているところも知ることだって出来る時があります。
どこに使われているのかがわかる場合もあります。

木工業者の方も、自分が使う木が生えていた状態を知ることが出来ます。その環境も知ることが出来ます。ストーリーを作ることも出来たりしますし、イメージが湧く時もあるようです。

何よりも山に来て気晴らしをすることが出来る(実はコレが最も重要という担当者や加工者の方も実はいたりします)。山は実に楽しいのだそうです。
そんな中で出来ていく木製品はちょっと違ったりするかもしれません。大きくは違わないのだとは思いますが。

つらつら、書き込んでしまい、すいません。

以前から考えていたのですが、補助金申請アドバイザーのような資格をつくってはどうかと思うのです。さまざまな事例にあった補助制度を見つけ出し、申請書類の書き方まで教えるという……。
で、この資格は,国家認定で、それを取るためには長い勉強と実務が必要で、その認定のための外郭団体が生まれます。そこに補助金が注ぎ込まれ、官僚の天下りが理事長を務めるという……。
スゴいブラックな冗談のつもりだけど、本当につくられてしまうような気もする。

素人考えですみません。 o(_ _)oペコッ

お話をお伺いしていると、工芸を取り巻く状況と同じだなと思って・・・。

うちの方でも、補助金をつかって、プレカット工場を・・・なんていうことが話題に上ったりしているのですが、結局、全国のあちらこちらで、同じような展開があると、同程度の技術力の下請け業者の競合となってしまうのではないでしょうか。?

また、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律・・・が施行されても、全国森林組合連合会が元請となって施工業者の入札をしたり、デザインコンペを行ったりする中心に座らなければ、単に、建築デベロッパーの下請けの位置に甘んじてしまい、構造的には変化しないのではないかとも思います。

とにかく、いくら補助金をつかって起業できても、結局エンドユーザーにアウトプットできる位置につかなければ、下請け的な営業力の充実が不可欠です。

それに、小ロット受注もこなせる対応力なども求められますし、キャド入力で加工できる最新鋭の工作機械を導入しても、デザイン側のPC環境の変化への対応や、それとの互換性を追いかけることも求められますから、下請け受注で生き残ってゆくのは、簡単なことではありません。

だから、根本的なところから変革したビジネスプランが必要なのかも知れませんね。
それに、もしかしたら、全国森林組合連合会の統一ブランドをつくって、住宅から家具、木製品までを各組合で分担して手がけた方が、話が早いのかも知れません。
デザインなども、デザイナーとの利益分配みたいな契約が成り立つのならば、買い取ってリスクを負う事も軽減できますし、いろんな意味で下請けの素材屋さんの立場に甘んじないで、エンドユーザーに直接つながる方法を模索することや、オール木製ということだけではなく、木と〇○というかたちの、異素材、異業種とのコラボ商品なども考えてみるなど、全国森林組合連合会のなかに、ビジネスコーディネイト部門を設けて“蓄積された林業や製材の知見と技術を生かせるように”一歩踏み出さないといけないのかも知れませんね。

それから、そばで見ていても、地域の森林組合の力だけで行う、新しいことへの取り組みは、、そのことの営業活動だけでも、とても大変ですから、個々への負担が大きすぎるように感じます。
素人考えですが、全国組織があるのなら、そこでそのスケールメリットを活用して、営業やビジネスコーディネイトを行うことはできないものなのでしょうか。?

プレカット工場をつくるのはいいのだけど、何を生産して、どうして売るか考えていない事業が多いですね。自腹切るのなら必死で資金計画練るのだろうけど。

全森連が販売やるから……という計画は、すでに大失敗していますよ(笑)。木のトレイがいい例。まったく売れず、在庫の山を築くのが関の山ですね。

山側が販売を考えると失敗するので、むしろ、小売り大手ががっちり販売を担当して、その代わり商品開発に商品管理にも口を出す体制の方がマシかと思います。

全森連が販売やるから……

つまり、小売り大手の商品開発力に頼らないと無理なのでしょうか。?実際問題として、全森連という既存の組織のメンバーがマネージメントを担当するのは無理だと思いますし、畑違いだと思います。でも、小売り大手が、仰るような山側の実情や未来を考えてくれるでしょうか。?山側にできるだけ利益を残せるようにするにはどうしたらいいんでしょうね。

田中様が仰られるような補助金申請アドバイザーも必要ですが、「何を生産して、どうして売るか」というところの方向付けをするコーディネーターやプランナーも必要なのでしょうか。?

しかし、そういう商品開発のリスクをかぶるよりも、小売り大手の生産部門として展開する為の原資をうまく補助金を活用して立ち上げたほうがましなのか。?

いろいろと難しいですね。

コーディネーターやプランナーがいてもいいのですが、結局、当人たちのやる気でしょうね。
林業家たちが必死で売っていく姿を見せたら、小売り大手の販売や企画担当者も一肌脱ぐ気になる。ウィンウィンの関係を構築しようとするでしょう。が……。
補助金目当ての姿を見せたら、カモにしてやろうと思うんじゃないですか。

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