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2011/10/08

擬洋風建築~獅子閣公開

生駒の宝山寺には、擬洋風建築の獅子閣という客殿があることは、以前、このブログで触れたことがあるはずだ。明治17年に、山の中腹にこんなすごい建物を建てたのだ。

このために越後出身の大工・吉村松太郎を横浜に3年間留学させ、明治15年から建築に取りかかったという。現在重要文化財指定だ。地元に隠れていた宝である。

たまたまお参りすると、なんと、この獅子閣の内部を公開していた。長年かけた修復が終わったという。こんな機会は滅多にない。(今回も10日でオシマイ) 私は何年も前から見学したくてしょうがなかったのだ。

さっそく参観。

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見よ。この洋風バルコニーを。3本のロココ様式?の柱に支えられている。内部は、洋室と和室の両方がある。

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そして、螺旋階段。日本の技術で、見事に洋風を再現している。






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和室から洋室を眺める。
ステンドグラスならぬ、色ガラス。良く見ると、ガラスがゆがんでいる。当時は板ガラスをつくる技術がまだ追いつかなかったのだ。



注目すべきは、和室の天井だった。

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天井には、見事な柾目の板を使っているが、その格子の木目は、みな直角に交わっている。その凝りようは、当時の大工の心意気か。

実際、和室では一つの釘も目につかず、木組みの技術を誇っている。

ところが、外側のバルコニーの扉や、洋室の設えを見ると……。

Photo


これでもか、と言わんばかりのに洋釘が使われていた。それも目立つように。


どうやら、当時は洋釘が珍しいだけでなく、非常に値が高かったようだ。それだけになかなか手に入らない。それを、あえて大量に使い、しかも隠さず見えることで意匠に仕立て上げようとした意図を感じる。

ほかに床の間には、なんとタガヤサンや黒檀・紫檀などの南洋材を取り入れていた。

伝統に固執せず、明治の文明開化で流れ込んだ西洋の技術やデザインを意欲的に取り入れた勢いを感じた。そして和風と洋風の融合をめざした。

木造建築の世界には、この進取の気性こそが、今求められているのではないか。。。

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

明治の職人技、素晴らしいですね。螺旋階段の板、柱の他はどこで重さを負担しているのかよくわかりません。左官仕事はいかがでした?

ところで、10/24の講演は楽しみにしております。主催者より夜のお誘いもあったのですが、大変残念なことに時間がありません。。。昼より夜の方が大事なのに。。。

ああっ。ホントだ。螺旋階段。
重いヒトは、手すりに近い側を歩いちゃいけないとか?
(いや。ないだろう。)
板がたわんでこらえてくれるとか?
(それもないか。)

宝山寺に行ったらぜひ見たいなあ。
あ。でも、いつも開いているわけではないのね。
貴重なお写真ありがとうございました。m(_ _)m

当時の大工の職人技には、ほれぼれします。
螺旋階段、なんの問題もなく、登れるのですよ。
当時、日本に曲げ細工の技術はなかったはずなのに、ちゃんと真似て見せたんですね。

とくにスゴいのは、実は漆喰なのです。まるで塗料を塗ったかのように白くてらてらと光っているのですぞ。この表面仕上げは、人の手を使ったとか。そのほか、
洋風に仕上げる中に潜む日本的技術がかいま見られました。

月末の熊本行きでは、「就森」を売り込んでおきます(-_^)。

追伸・パンフに螺旋階段の秘密が記されていました。

荷重を支えているのは、中央の支柱と、手すりだそうです。各団の踏み板は柱に精緻な加工の仕口で組み入れられ、絶妙な曲線に加工された手すりが、床にかかる荷重を分散して受けるらしい。材は松のよう。

また漆喰壁も、何層にも土を吟味して、数ミリごとに細かな土に変えている。2ミリの厚みに2~3工程があるほどの技とか。

洋館マニアの私が来ましたよ.

別の洋館では,複雑に曲がった階段の長い手すりが,実は一本の巨木からの削りだし(つまり接合部なし)だと聞いて驚いたことがあります.どれだけ太い木を使ったんだ.

手すり一つとってみても奥が深いものです.

日本の培った技術を活かして洋風建築に挑んだ姿は、敬服すべきものですね。

洋館マニアなら、獅子閣はお勧め。私が見てきた擬洋風建築の中でもスグレモノ&見どころがありました。

手すりは、やっぱり重さを負担するようにできていたのですね。2階の見えない部分も見てみたいものです。

以前、左官の久住章氏(だったと思う)に会った時に、「普請道楽は一壁二柱三襖」という言葉を聞いたので、ここの建物もさぞや、と思った次第です。向こうが写るような壁(磨き漆喰)も何カ所か見たことがありますが、なかなか美しかったです。

10/24は就森発祥の地、熊本県(水俣市ではないけれど)でお待ちしております。

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