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森と林業の本

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2011/10/06

ユネスコエコパークって?

文部科学省と林野庁は、宮崎県の綾川流域を、「ユネスコエコパーク」の指定候補となった。9月29日に推薦すると発表した。国内最大規模の照葉樹林1万4580ヘクタールを対象とする。

となると、気になるのがユネスコエコパーク。なんだ、それ?

これは、ユネスコが進めているMAB(Man and the Biosphere/人と生物圏保存地域 )計画事業のことらしい。人間と生物圏の関係についての計画で、「人間とその環境との相互関係を研究する政府間学際的長期計画」だそうだ。これは1970年のユネスコ総会で決められたというから、結構古い。

これは、保全と利用の調和を図る国際的な取り組みだという。手つかずの自然を守ることを原則とする世界自然遺産と違って、人間と自然の共生する生物圏を取り上げるものだという。日本が喧伝するSATOYAMA(里山)の理念に近い。

私は全然知らなかったのだが、国内には、すでに屋久島のほか、大台ケ原・大峰山(奈良県)、白山(石川県、岐阜県)、志賀高原(長野県)の5つがあるのだそうだ。もっとも、これらの登録は1980年まで。
また世界的にはガラパゴス諸島やアメリカのイエローストンなど114カ国、580地域が登録されているという。

世界遺産はかなり注目されてきたが、今や新規登録が頭打ち。どんどん審査は厳しくなっている。それに対して、エコパークはまだまだ余裕かあるらしい。

最近の日本では、、ジオパークだとか、世界記憶遺産だとか、これまで知らなかった世界的な登録事業に目が向いているように感じる。世界遺産登録の効果に気づいたものの、あちらは難しいとなって、ほかにもないかと探し出したのだろうか(笑)。

とはいえ、これまで目を向けにくかった環境を、このような登録という形で目を向けるのは結構なことである。とくにエコパークは、希少価値でなく、本来の人と自然のあり方そのものがテーマで、人との良好な関係がポイントだから、日本向きではないだろうか。

また法規制で登録物の保護を要求する世界遺産と異なり、共同管理と呼ばれる法規制と自主管理を併用して、保全と利用の両立を図る取り組むことが求められる。

もっとも、登録審査という認定ビジネスをユネスコにさせて(儲からせて?)いるような気がするのだけどね。

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コメント

田中様
宮崎ネタありがとうございます。
今回の動きは、内輪で喜んでいるニュースです。
綾の一連の動きは、ある人物のお陰だと私は、密かに思っています。
NPOの代表理事でもありますが、映画館の社長でもあります。宮崎には、元気な人材が育ってきて良い意味でネットワーク化しています。

やはり仕掛け人がいるのでしょうね。
よいネタを見つけました。日本の自然的には、世界遺産よりこちらの方が適しているでしょう。

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