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2011/10/28

「TPPで林業は……」

またもやTPP論議が、マスコミやネットを賑わせている。

私の意見は、以前このブログに幾度か書いたのでもう触れないつもりだったが、ニュースなどを見ていたら 「TPPに入ったら、林業もダメになる」という声が登場している。
しかし、すでに木材の関税はゼロである。多少の木製品にはあるが、仮にTPPに参加しても林業的にはあまり影響ないと言えるだろう。(林業・木材産業団体は、TPP反対の意見書を出したようだけど。)

すると、もう少し知っている人物(元農相だけど)は「林業は、関税をなくして輸入を全面解禁したから、壊滅してしまった。おかげで、いくら税金を投入しても支えきれずいまだに立ち直れない。TPPに参加したら、農業も漁業も林業みたいになる」と反対論を展開していた。

本当に、このように信じているのなら勉強不足だし、あるいは意図的に林業を持ち出して反対理由に仕立てたのなら悪質だ。
現在の林業が不振に陥った理由を外材に押しつけるのは冤罪だろう。むしろあの当時、外材輸入がなければ、極度の木材不足から日本の木造建築物は姿を消していたかもしれない。いや戦後復興も高度経済成長も不可能になった可能性だってある。
そもそも林業が本当に不振になったのは、外材の解禁時ではなく、バブル崩壊後である。山村の衰退は、もっと前から始まっていたが、それを全部林業のせいにされては困る。

TPPに賛成も反対も、議論が過熱すると、自分の意見に有利な材料を無理やり探してくる傾向がある。しかし、怪しげな論を展開すれば、結果的にそれで足をすくわれるのではないかな。
それに、視界がどんどん狭くなっており、賛成論・反対論ともに目先の分野ばかりの損得ばかり。一体、日本はどちらの方向にむかうべきか、という論が見当たらないのは寂しいことだ。

一応、私の意見を繰り返しておくと、私は各国とのFTA推進論者なのだが、それに反対してばかりで出遅れたと思ったところに登場したのが、TPP。これで一発逆転を狙えるかのような気分に政府はなったのだろう。
しかしTPPはかなり筋が悪い。痛い目に合いそうな予感。ただ、これにも反対して参加しなかったら、経済的には日本は世界の趨勢から置いてきぼりだろう。そして次に出されるのは、さらに日本に不利な協定だろう。(あと、EPAもあるけどね。)

もしTPPがいやなら、代わりになる貿易協定案を出して日本が主導することだ。それともFTAにもTPPにも入らずに国際社会で生きていく戦略を練ることだ。それはそれなりに可能だろう。経済は縮小するが。

そんな覚悟のないままの議論はむなしい。

※参考までに。過去の私の書き込み。http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2011/03/post-290d.html

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

 TTPに参加しようがしまいが、林業にはそれほど関係ないような気がしますが。
元農林大臣の言われる税金の投入は、投入の在り方に問題があった気がします、行政機関とつながりのある組合を存続するのがメインでやる気のある事業体を育てなかったことが現在の林業不振につながっているような気がしています。

TTPに参加することで国内のGDPが増えるのであれば賛成なのですが、しかし富が都市部に集中するようであれば、富の再分配の方法を考えなければ農村と言われる地方は疲弊するように思います。

今は死語になりましたが、僕が子供の頃、小学校の社会の教科書には、表日本・裏日本と言う言葉が載っていました。
裏日本の農家の親父さんは稲刈りが終わると春まで表日本に出稼ぎです、団塊の世代言われる方々の何割かは仕事のない地方から「金の卵」といわれて都市部(表日本)に集団就職しました。
家に残された年寄・母親・子供が雪の積もった暗い家の中でじっとしていた時代に逆戻りするようなことは絶対に繰り返してはいけないと思います。
ただ、公共工事を中心とする地方への富の再分配ではNGだと思いますので、地方のフォローを考えながらTTPの議論の進めていただくことを望んでいます。

林業への影響というより、林業の衰退を無関税措置に求めるところが間違っていると思うのですよ。「安い外材のせい」だと唱えるのと同じレベル。

もっもと無関税になれば、工業製品は輸出しやすくなるというのも嘘臭い。今、貿易で最大のリスクは為替変動でしょう。現在の円高進行の中では、関税廃止なんか焼け石に水。
つまり、日本全体では何の影響もないかもしれない。

TPPへの参加が、日本経済にどのような影響を与えるのかまだわかりませんが、今反対しているのはたいてい既得権益にまみれた業界じゃないですかね。
農業も、補助金まみれになっているのに衰退に歯止めがかかっていない。闇雲なTPP反対を言うより、補助金いらないからTPP入るな、と見得を切るか、TPPを容認するからもっと補助金くれ、といった方が筋が通っているし現実的だと思う。

TPPで狙われてるのは日本の保険、医療、軍事産業なので、農林畜産業はおまけかのようなものかもしれません。

TPPのISD条項は制度や慣行によって外国投資家が損害を被ったときに相手国政府を国際仲裁に訴えることが出来る。
国際仲裁とは実態は「投資家私設法廷」で、仲裁人は事件ごとに選任され、裁定を下せば解散するし、仲裁人はだれも責任を負わない。
しかも、具体的な損害賠償や補償を命じ、相手国の国内裁判所を通じて強制執行出来る効力が与えられている。
WTOの紛争解決制度がWTO協定に反するか否の判定にとどまり、仮に協定違反と認定された場合でも国家間の交渉で解決しなければならない。
TPPのISD条項は国家を超える力を外国投資家に認めるもの。

↑「週刊金曜日」2013年10月18日号の一部

このISD条項があるので、国産材を使おうなどのキャンペーンも全部つぶされると思います。

おとなりの韓国の米韓FTAから2年、韓国はアメリカの植民地のようになりました。日本も同じ道をたどろうとしています。

TPP、FTA、EPAについてはアジア太平洋資料センター(PARC)事務局長の内田聖子氏が詳しいです。

詳しく報道されているサイト↓

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%86%85%E7%94%B0%E8%81%96%E5%AD%90

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