SMAPを見習おう(⌒ー⌒)
昨夜、テレビでSMAPのドキュメンタリーを見た。インタビューのほか、中国公演や震災被災地公演の舞台裏などを映しながら20年以上、トップアイドル?の座を保っている彼らの姿を追っていた。
そこでもっとも感心したのは、やはり公演の舞台裏である。演出家任せかと思ったら、メンバーが自分たちで演出を考え、最後の最後まで検討し、修正を加えていく。歌う歌まで直前に変えたり、立ち位置や出入りまで工夫する。司会者との掛け合いも、打ち合わせをする。さらに海外公演だから、中国語の挨拶なども覚えている。
リハーサルも真剣で、本番のステージだけが仕事ではないのだ。
う~ん。ここまで準備していたのか。
私も見習わなくてはいかん。
雑誌の取材などで、カメラマンと一緒に行動することがあるが、その際に写真の仕事は、その場で撮影したら、それで終わりであることが羨ましかった。
もちろん、かつてはフィルムを現像に出し、それを引き取って編集部に送って……という作業があった。今はデジタルが主流で、現像ではなく、自分で調整することも多いようだが、それをDVDに焼くか、可能ならメールで送れば済む。
しかしライターは、まず取材前に下調べし(それが企画づくりにもなる)、そして被取材者に話を聞いて、ときにカメラマンに記事の内容に則した写真をとってもらうよう指示を出す……だけでは終わらない。当然ながら、取材後に原稿を書かねばならない。内容を事後確認する必要もあるし、話だけでは足りなかったり信用できないものは、資料をあさる。
できた原稿を送るのは、今ではメールで済むが、その後も初校・再校や写真のキャプション付けなどの作業が待っている。
たいていの場合、取材で話を聞くのは楽しいのだが、記事を書くのは辛い(~_~;)。取材だけで、何も書かないのがベストだ。ヾ(- -;)
その点、講演は楽じゃないか、と思っていた。だって、すでに書いた記事なり本の内容を話すだけだ。語尾に気をつかい、漢字表記に悩まんで済む。口が滑っても、そのまま終わればいい。
ところが、依頼が来だすと、そんなに甘くないことを痛感する。
思いつきで話すなんて真似は、実は簡単ではないのだ。養老猛司先生クラスになると、たくさんの引き出しを持ち、それをその場の思いつきで引っ張りだしてしゃべっているようだが(^^;)、それは私には不可可能だ。
結局、話す内容を決め、その順序に悩み、表現を検討しておかねば本番に迷いが来てウロがくる。
そのうえ、最近はパワーポイントの資料づくりが欠かせなくなったし、さらに話す時間を調整できるように、長めに用意して、本番でどこを詰めるか、引き延ばすか考えておかねば危険だ。
かつては90分の講演を、話しているうちに60分で終わりかけて、あわてて引き延ばして70分にはしたが、もう持たないので、残りは質疑応答の時間で誤魔化す……なんてこともあった。まあ、質問で盛り上がれば、それも面白いのだが、質問が出なければ早めに終わらざるを得ない。
講演も、記事原稿執筆と同じほど、ストレス感じる。
で、綿密に準備したとおり話すことは、滅多にないというオチが付くのだが(笑)。それはそれで、練ったもののうえに現場の空気に合わせて変更したのだ、ということにしておこう。
来週から、全国行脚が始まる。その準備をしつつ、SMAPをお手本にする(^^;)と肝に銘じよう。
ちなみに、先の同行カメラマンに、カメラの仕事の感想をいうと、あちらはあちらで「ライターはいいなあ。重い機材を運ばないでいいし、天候など光の具合も気にしないでいいから」と思っていたそうだ。
ま、「隣の芝生は青い」のだよ。
« 根曲がり杉 | トップページ | 対価がわからない ~スマホに寄せて »
「取材・執筆・講演」カテゴリの記事
- 海外旅行に求めるのは万全の準備かハプニングか(2024.09.22)
- 林業を記事にするということ(2024.09.21)
- Y!ニュース「……街路樹なんかいらない!」を書いた裏事情(2024.09.17)
- ウェッジに「実は日本は木工王国…」を書いた裏事情(2024.09.12)
- 本を読む順番を廃棄本で考える(2024.09.05)
田中さま。
もしかして、
講演とかで歌って踊る姿が見られるように
なるのですね。(うひゃあ)
それは置いといて、
全国行脚(ツアー?)、
がんばってくださいませー。
投稿: 熊(♀) | 2011/10/15 01:11
SMAPのは公演、私のは講演。
歌って(謳って)踊る(劣る)のは公園で……。
投稿: 田中淳夫 | 2011/10/15 09:35
昨日、金田一秀穂さんの講演に行って来ました。
会場は終始大笑いで、あっという間に1時間半が過ぎました。
何気なく話をされているようで、
実は綿密な計画の下、計算をしながらのお話だったのかな。
グランメッセはそこそこ広いです。
健闘をお祈りしてます。
投稿: みーふー | 2011/10/15 10:34
講演が天才的にうまい人は、準備せず、そのまま現場で会場の反応見ながら話しちゃいますね。
あるいは、同じネタを繰り返し各地でやっている人。
私は、どちらでもないけど、空いては林業関係者ばかりだから、ある意味安心かなあ。
投稿: 田中淳夫 | 2011/10/15 18:19