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森と林業の本

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2011/11/09

生駒山にナラ枯れ!

昨日の続きになるが、生駒山系の北端に近い大阪府立公園の「ほしだ園地」。

ここで見つけた木がこれだ。

Photo



コナラの大木である。

が、樹皮に何やら白く浮かぶのは木粉。ということは……カシナガキクイムシだろう。この虫が穿ったらしき穴も見つかった。

つまり、生駒山にもナラ枯れが侵入しつつあるといをことだ。

※ナラ枯れと書くと奈良枯れと変換されることが多くてイヤだ(^^;)。もちろん奈良県が枯れるのではなくて、ナラ類、ブナ科やシイ、カシ類が枯れるのである。

まだ、この木は元気そうだが、このままカシナガキクイムシの侵入が続いたら長くはもたないだろう。

以前にも触れたが、生駒山系は8割がたコナラ林だから、それが枯れたらオオゴトだ。今は北端に十数本見つかっているだけだが、早晩全域に飛び火するだろう。それを弱度に押さえるには、速攻で被害木を伐採するしかない。

かつてはマツ枯れも広がり、今や生駒山系にマツはかなり少なくなった。しかし、その際にマツが枯れた跡地にコナラを始めとする広葉樹が増えたので、全体として生駒山の緑は失わなかった。しかし、コナラが枯れたら次の植生がどうなるか見当がつかない。すぐ照葉樹というわけにも行くまい。

そこで、太くなったコナラを早めに伐採しようという意見が出ている。カシナガがとりつくのは、多くは太い木だし、その方が景観的にもよい。そして、照葉樹林化する遷移を留めることができる。

ただ広葉樹、それも大木となると、伐採するのは簡単ではない。技術も相当いるし、公園で木を伐採するとなると、訪れた人々がどんな反応を示すか。

ちなみに、コナラは長生きしない(先駆種である)とされている。しかし調べてみると、広島県の帝釈峡近くに、おそらく日本でもっとも太いコナラはとして、幹周りが7メートル40センチになるのが見つかっているとか。これはすごい。一度、見てみたいものであるが、まさか、そこにカシナガはつかないだろうな……。

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生駒山中・身近な自然」カテゴリの記事

コメント

田中組長

京都三山のコナラは既に、カシノナガキクイムシにやられて全滅です。
いよいよ奈良にも、ナラガレですね。笑
ぜひとも、京都のイベントに参加下さい。
京都伝統文化の森専門委員の一人として、おすすめします。笑
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
国際森林年記念『京都の森を守ろう「薪割り&ウォーク」』開催のお知らせ †

京都伝統文化の森推進協議会からイベントの開催案内がありました。
  ※応募締切:11月25日(金)必着

 今、京都の山で木が枯れる「ナラ枯れ」の被害が広がっています。森林インストラクターと森の中を歩きながら、その実情に触れてみませんか? 当日は、枯れた木の薪割り体験、「三十三間堂」や「青蓮院門跡」の拝観もできます。
日時 †平成23年12月10日(土)
午前9時 「三十三間堂」集合 (受付:午前8時半から)午後4時  解散
 ※小雨・小雪決行 [荒天時は12月11日(日)に順延]
実施場所・ルート †
京都市東山周辺と高台寺山国有林
三十三間堂集合 → 三十三間堂拝観 → 東山山頂公園 → 昼食 →薪割り作業 → 青蓮院門跡拝観 → 解散 
対象 †一般(中学生以上)
定員 †150人 
※1組2人まで応募可。申し込み多数の場合は抽選となります。
参加費 †1人 500円 ※保険料等
持ち物 †昼食・飲み物・雨具など
お申し込み方法 †
往復はがきに、参加者全員の氏名と年齢、郵便番号、住所、電話番号をご記入のうえ、ご投函ください。※ 保険をかけるときに必要になります。
【宛先】 〒604-8571 京都市役所林業振興課
     「京都の森を守ろう ウォーク」係
【応募締切】 平成23年11月25日(金)必着
【お問い合せ先】 京都市林業振興課内
 「京都伝統文化の森推進協議会」事務局
 TEL:075-222-3346
【主催】  京都伝統文化の森推進協議会,林野庁京都大阪森林管理事務所
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

田中組長へ

カシノナガキクイムシ被害状況です。

専門家の話では、福井県辺りから始まった被害は、南は京都に数年前に入り滋賀県に拡大してます。また、数年前から新潟県に広がり,現在は山形県まで広がっています。
西は、鳥取県を超えて,島根県に広がってます。島根県では、西から県の中央に向かい東進しました。飯南町でもナラガレが発生しました。

原因は、いうまでもなく里山を放棄した結果ですね。
京都の北山では、ほとんどのミズナラが枯れていますよ。
もともと、国内にいた害虫ですが、50年以上放置された大径木のミズナラ,コナラ,シイが被害を受けています。

2年前に、私が始めた薪にして利用するのが一番です。昨年12月に、京都市が私のやり方を実施して、100名のボランテイアで500束の薪ができましたよ。
300束は亀岡の陶芸家に、200束は八坂神社下にあるいず重で使って頂きました。

「使って減らそう、カシナガ被害木」です。
田中さんが、言い出して「奈良ガレ?」を止めて下さいませ。

奈良枯れ、もといナラ枯れにひっかけて、しっかり京都のイベントを宣伝される高桑先生でした(笑)。

実は、現在進んでいるプロジェクトも、生駒山の大阪府側でして、奈良県側には動きがないんですね。しかし、生駒山系で見ると、奈良県の方が広く、しかもコナラも豊富。なんとかしないといけませんなあ。ただ私有地が多いという問題もあるし、奈良県は、今、災害復旧に掛かりきりです……。

田中組長へ

全国ナラ枯れ状況は、こちらで見れますよ!
http://www.juno.dti.ne.jp/tkitaba/earth/forest/naragereinfo.htm

大変な猛威を振るっています!
里山の悲鳴が聞こえてきます。

わたしは、これを自然からの警告であると学生達に教えております。

大学に隣接する「阿弥陀ケ峯国有林」や豊国神社でも、ほとんどの大径木のコナラは既に伐採されていますよ。

 ナラ枯れ対策は皆伐→天然更新がベストだと思います。
ナラ枯れが広がり始めてから毎年1,000㎥ほどチップ工場に納材しています。
森林所有者にはヘクタール15万円前後の立木代金で伐採させてもらっていますが問題は国有林でして、杉山は切らせるけれど広葉樹はダメなんです、それが巣窟となりカシナガをあたりにまき散らしていますのでナラ枯れ被害がいっこうに減りません、チップ工場は木材不足で悲鳴を上げているし、木材業者は原木山が足りなくて困っています。

森林林業加速化事業で広葉樹林の整備を行っている事業体がありますが立木代金から考えると明らかに税金の無駄遣いのような気がします。
40年周期で皆伐を繰り返していれば今のようなナラ枯れ被害が深刻にならなかったように思いますがどうにかならないんですかね~!!

私も、ナラ枯れに限らず里山の木材資源は、チップにするのがもっとも現実的と思っています。そして皆伐後の天然更新をモザイク状に起こせば生物多様性も守られる。

が、それを行うための合意形成は生半可じゃないですよね……。

ああ、これですね。
コナラの日本一で検索すると出てきた木です(^o^)。

パイオニア種とされるコナラだって、ここまで大きくなれる、しかも長生き(おそらく)するという生き証人でしょう。

初めまして、枯れについてマツ サクラ カシも皆さん虫ばかりを研究しています。発想の転換をして考えて下さい。虫につかれるような木になぜなったのか。まず土の酸度からです。酸性雨で土では酸性にはならず中性になり其のことはアルカリ成分を多く吸収できる。其のことは酵素作用に必要な微量元素のすべてが拮抗という吸収阻害に逢い根から入れない状況が起き、地上部は深刻な欠乏が生じます。生命を維持するための作業が低下しエネルギー産生ができず体内にはスーパーオキシドが多く生産される(活性酸素)と葉は黃化から枯死に向かいます。
次に欠乏元素の一つが同じく拮抗で欠乏すると、おなじみのポリフエノーリの原料のフエノールが増加このフエノールが酸化フエノールに変化すればキノンとなり黃化せずに赤茶色になり即死します。要は栄養失調の上の虫と考えられませんか?弱り目に祟り目。欠乏元素はカシの葉を化学分析しなくてはわかりません。智証はもう何十年も分析値で判断しています。サクラからは奈良吉野のサクラ全域を分析。人目で見るものと科学の目で見るものでの阻害原因と対応はまず論文からでないと行政は動きません。ひとあしさきをかんがえて活動しませんか?私は地球温暖化ガスの削減に植物に働いていただくために一生をかけたようです。

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